陽気なステップで、雨を浴びてきた【#心の柔軟体操】
行きがけ、「これはまずったな」と思った。 職場の最寄り駅に着き、地上に出ると曇天が広がっていた。暗くて濃く、厚い雲。明らかに雨が降る空だった。
お昼休みにも雨がちらついていたが、自宅最寄駅に着くと、大きな雨粒が視界を遮っていた。
思い切って踏み出してみるも、すぐびしょびしょに。慌ててひさしのある場所に駆け込む。ネオンに照らされ、雨粒ひとつひとつがしっかり見える。
眼鏡が濡れるのが嫌で外す。ぼんやりとした都会の雨模様、悪くはないが。空腹も限界で、早く帰りたかった。
5分ほど待つが、どうにも降り止む気配がない。自宅にある傘を、このためだけに買いたくないな。どうしたものか。
そうだ、あの曲があった。Spotifyをすすすと操作し、お目当てを選ぶ。スマホをポッケにしまった。青信号がぼんやりと光ったので、踏み出した。
「『贅沢は味方』 もっと欲しがります 負けたって勝ったってこの感度は揺るがないの 貧しさこそが敵」
この曲のMVは、土砂降りのなかを陽気に闊歩する。なぜそういうシチュエーションなのかは謎だが、びしょ濡れになるなら、浮かれていた方がマシだ。
「ご覧 険しい日本(ここ)で会えたんだ 探し出してくれて有り難う」。容赦なく雨が降り注ぐなか、周囲のかけがえのない知人、友人に思いを馳せる。
同じ場所に居合わせたって、出会わなかった人の方が圧倒的に多いんだよね。頬を滴る水気は、雨だったのだろうか。
雨にあたるのも、悪くないなぁ。大人になってこんなことするとは思わなかった。取引先との嫌なやりとりとか、自分の至らなさとかが雨とともに流れていくようだった。
都会の雨は酸性雨でばっちいでしょうけど。いいんだ、そんなこと!
日付:2019年9月3日(火)、執筆時間:約20分、場所:自宅、音楽:東京事変「キラーチューン」
振り返り:今日、本当にムッとくることがあったけど、雨にあたったらスッキリでした。
毎日、仕事の休憩時間にエッセイ?を書き続けている方をとてもリスペクトしており、毎日ではなくとも書いてみようと思い立ってみた。#心の柔軟体操 と名付けてみた。本当は心の筋トレにしたかったけど、既出だったので。出勤か退勤時に書ければいいな。
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