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#3 幼児から低学年で必ずやっておきたいこと

 こんにちは。
読書が趣味です。最近読んだ本は、教養系は「SNSコミュニティの教科書」良かったです。小説は、東野圭吾「白鳥とコウモリ」詠坂雄二「5A37」、
エッセイはAマッソ加納愛子の「イルカも泳ぐわい」が良かったです。

僕は映画を見るのが苦手というか、見始めるまでのハードルが高く感じてしまいます。その点、本のほうが気軽に読めるし没頭できるので好きです。

本を読んでいると、世の中の解像度があがることがあります。
新たに物事を知ることができたり、新たに知らないことができたりします。
そのおかげで、今まで見えなかったものが見えるようになってきます。

本に関して雑食ですので、おすすめの本があればぜひ教えてください。

本題

必ず身につけておきたい!とSNSでよく見かけますが、乾いたスポンジのように何でも吸収する小学生にとって身につけておかなくてよいことはありません。

ただし、成長過程において身に付きやすい時期があります。

例えば、小学生にウェイトトレーニングをさせても大人以上に筋力が発達することはないです。効果がないわけではないが、効果的ではないということです。

では、いつ何をすべきなのでしょうか。

今回も専門的な話を基盤に書いてありますため、煩わしい方は結論から、もしくは太字だけお読みください(笑)


各年代における発達具合 スキャモンの発達・発育曲線


こちらの図を見てください。

こちらはスキャモンの発育曲線といって、生まれてから20歳になるまでの成長度合いを表した図になります。

一般型は、身長や体重などの体の構造に関わる部分の発達具合が示されております。0歳から急激に上向き、しばらくなだらかに上昇していきます。そこから思春期を迎える中高生あたりで再度急上昇が見られます。
第一次成長と第二次成長のことですね。

神経型は、脳や脊髄などの神経系と感覚器系の成長を示したものです。
誕生から急激な上昇が続き、第二次成長期にはほぼ横ばいです。

③リンパ系は、主に免疫力の発達と捉えてください。中学生あたりは免疫力が強く、回復も早いといわれています。

④生殖型は、文字通り生殖器などの発達です。

以上の4項目で特にサッカー少年に重要なのは、太字で書いた一般型神経型です。

一般型の発達は主に中学生年代からの話になるため、今回は省略します。
一般型のグラフから一つだけ言えることは、心肺機能の著しい発達は望めないということです。小学生年代はたくさん走り込みを行っても、スタミナを著しく上げることは難しいです。
小学生年代の走り込みを否定するものではないです。

続いて神経型。
神経型がサッカーのどのような点に関係するかというと、主に身体操作です。

「運動神経がわるい」「動きがぎこちない」「ボールの落下点がわからない」「リズム感がない」「同時に2つのことができない」

お子様に感じたことはないでしょうか。
それらは改善できる項目です。しかし先述の通り、第二次成長期には完成してしまいます。

つまり、
鉄は熱いうちに打て
です。


サッカー以前に運動が上手でないというお悩みをお持ちの方、急ぎましょう。

神経型の発達終了時期はすぐそこに迫っています。

サッカーにおけるコーディネーション


コーディネーションという言葉をきいたことありますでしょうか。
スポーツ科学分野におけるコーディネーションとは、
「うまく運動をするために動きをまとめ上げ調節する運動能力」です。
簡単に言えば「自分の身体を巧みに動かす力」です。

運動神経と呼ばれるものと近いです。
身体能力と言われるのはパワーとかスピードとかですかね。

サッカーにおける重要なコーディネーション能力

①定位・・・距離を測る能力(浮き球の処理やスルーパスなど)
②リズム化・・・タイミングを計る
③分化・・・感覚を研ぎ澄ませて力を調節する
④バランス
⑤反応
⑥連結・・・複数の連続した動きをスムーズに繋げる
⑦変換・・・判断のすばやさなど

※言葉自体は著書や文献によって変わることもあります

どれも必要ですよね。

このコーディネーション能力が発達するのは12歳まで、5歳までにおよそ80%が発達すると言われています。

幼児から低学年までがぎりぎりのラインですね。
あくまで、発達しやすい時期というだけでその後全く改善がみられないということではありません

com soccer schoolでは練習の一部にコーディネーショントレーニングを行います。

少しでも改善できるように通常の練習に加えて、ウォーミングアップがてらコーディネーショントレーニングを行います。

コーディネーションの効果

で、実際コーディネーショントレーニングにはどんな効果があるんですか?ということを、本を引用して説明します。

レディネスの形成
 運動学習能力を効果的に高められるため、新しい動きやテクニックをより短期間で習得できるようになる。

ブラッシュアップ機能
 習得済みのテクニックに、技術・コーディネーショントレーニングを行うことで、いかなる状況下においても、 正確かつ安定的に、技を発揮できるようになる。より高いレベルに洗練させる。

省エネ・転移
 筋肉同士の調和がはかられ、無駄なエネルギーの消費を防ぐことができる。結果的にパワーやスタミナなどのフィジカルパフォーマンスを十二分に発揮できる。

メンテナンス
 脳内をリフレッシュできる。気分や集中力の回復、インスピレーションあふれる状態へ引き戻す。

ストロングポイントの発揮
 切羽詰まった状況に直面した瞬間、無意識的にパフォーマンスのリミッターが外れて、内在する心技体すべて のリソース・ポテンシャル(潜在力)が引き出される。すると、爆発的な能力を発揮することがある。

出典:サッカー・コーディネーションバイブル 泉原嘉郎 著

番号が多いですね(笑)

あの子センスあるから覚えるのも早いなー」と思ったことはありませんか?それはコーディネーション能力が影響しているからかもしれません。

さらに動きの無駄が減ることでスタミナやパワーなどのフィジカルパフォーマンスも高くなります。「うちの子スタミナがない」という悩みがもしかしたらコーディネーショントレーニングによって解消されるかもしれません。

観察眼


保護者の方が見てわかるところで言うと、動きのぎこちなさがわかりやすいでしょう。

どことなくぎこちない。

初心者によくありがちな無駄な力みからぎこちなさが生まれます。
例えば、サッカーでキックをするとき、ボールと足が当たる瞬間に力を入れたいです。

しかし、上手く蹴られない子はボールに足が当たるより以前に力が入ってしまうことがあります。

これはコーディネーション能力のひとつである「リズム化能力」が不足していると考えられます。

うまくタイミングを計れないということです。
だとすれば、リズムよく運動を行う練習をすることで改善が望めます。


他にも、よく何かにぶつかってしまうことがある子は定位能力が不足している可能性があります。

キャッチボールをすればすぐにわかりますが、物体との距離を測ることが苦手です。

そういった目線で選手のことを見ると、何をしたらよいかが少しは見えてきそうですね。

ここまで聞くと、いかにリフティングが素晴らしい練習かがわかりますね。
距離を測り(定位)、タイミングを合わせて(リズム化)、力を調節し(分化)、関節の動きをつなぎ合わせて(連結)、片足で姿勢を整え(バランス)、落ちそうになったら咄嗟に足をだし(反応)、落とさず回数を重ねていく。

リフティング大事です!

「リフティングできなくてもサッカー上手い人もいるけど、サッカー上手い人はほぼリフティングできる」というのは、

「リフティングという特定の技術自体は上達しない人もいるけど、サッカーが上手い人はコーディネーション能力が高いことが多いからリフティングも上手い傾向にある」

ということかなと思います。

改めて
リフティング大事です!

というか、リフティングは意味あります!

まとめ

 「自分の体を巧みに動かす」ことができる選手がいいですよね。
サッカーをプレーするとき、ボールの落下点がわからずにあさっての方向に走ってしまったり、動きのぎこちなさがあるとき、コーディネーション能力を疑ってください。

ただし、コーディネーション能力などが含まれる神経型の発達は5歳までに80%に達します。

もう一度言いますが、鉄は熱いうちに打てです。

com soccer schoolでもコーディネーショントレーニングの自主練習用動画を作成中です。

会員の方は公開されたらぜひご覧ください。
あとはとりあえずリフティングで遊びましょう。

他の方もYouTubeでコーディネーショントレーニングと検索をかければ、無数に出てくると思います。
そちらを見て、すこしでも動きが滑らかに、体がスムーズに動くようになっていただけたら嬉しいです。

ご清聴ありがとうございました。



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