音読したら町へでよう #即興小説 #おでかけ
僕はずーっと家にいた、できることなら寝ていたかった。だって心が痛かったから。
***
君が行ってしまって、僕は暇。君が買い物に行ってしまった昼。
なーんにもすることない、そう思っていたけど、
「しまった」と、僕は呟いてケータイで友の様子を探る!
だって! 今日は親友と約束が! 忘れていた! でも今日は寝ていたいな、おとなしく。大人らしく。
どうせカレーたべるだけだ。チキンカレーとマンゴーラッシー。彼女らしいっちゃ彼女らしい。でも、
僕は悲しい。だって君はもういない。イライラ。なんで? 僕はいらない? の?
「あなたは私のナイトなの」って君は、言って(プレゼントを)くれた。美味しかったな、あのケーキ。でも今は、死に至る病。ケーキもさかさま。キルケゴール。
見えないよ、出口。もっと見たいの。さわりたいの。体温。気持ちいい手つきも、もっと。もっともっと、……。
……ともっとも、親友との約束はどうしよう。今日はお休みだな、明日も仕事。僕の小言、もおしまい。
***
でもね、自然災害で外にいなきゃならない人もいる。いつもの家にいられない人もいる。
それも「お出かけ」っていえるのかい?