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愛知県知事リコールの諸問題まとめ その1

もうすぐ、愛知県知事リコール運動から一年が経とうとしている。
結果的に署名数の未達によりリコールの試みは失敗に終わった。
その後の選挙管理委員会による署名の全数調査により偽造署名が見つかり、署名の抜き取りや差し替えなどが示唆されている。
偽造署名の制作を指示した田中容疑者は逮捕されたが、受任者やボランティアが犯罪に関わったのではないかと言う風聞で疑心暗鬼を生じた人々によって個人攻撃がなされてきたことに心を痛めている。
リコールの妨害にもめげず頑張ってきた受任者やボランティアの努力をあざ笑うかのような犯罪に対し、総責任者である高須院長は納得のいくメッセージがなされていない。
未だにリコール運動の賛同者たちの想いは宙ぶらりんのままだ。

我々は何を間違えたのか?

※リコール運動がそもそもの間違いであると言う意見の人々は無視します。

・暴走する指揮官
・本当に必要なものは何だったのか?
・誰のためのリコールだったのか?
この三点から論じる必要があります。

1. 暴走する指揮官

私から見て、高須克弥氏の怒りからこの運動が始まったとの認識です。
あいちトリエンナーレ以前から、諸外国勢力や国内の反社会勢力による反日行動の問題に関わってきた人からすれば、「我々が主導すべきだ!」と言う意見もあります。
ただ、「お金」と「実行力(行動力)」と「信用」と言う点では、旗印兼スポンサーとしては優秀としか言いようのないのが、高須院長と言う人物であったことは間違いないと思います。

ただ、きちんとルールを認識していなかったこと、エコーチェンバーに嵌まって、自分の意見が愛知県の高齢者の総意の如く認識していた点に問題が見られる気がします。

また、マスコミが左派勢力の味方で、我々リコール賛成派の味方ではないと認識できておらず、「皆さんの善意を信じる」と言った時点で、戦況把握すらできていないのではないかと感じていました。

リコールの事務関係は田中容疑者に丸投げできちんと監督できておらず、署名の数を把握できていないことは、誰が見ても明白であったと思います。

こちらは選管提出前の生放送の様子ですが、少なくとも正確な数どころかおおよその数すら把握できていないので、事務局の手綱すら握れていなかったのではないかと思います。

「最悪だ。この指揮官何もわかっていない」と思ったのは、選挙管理委員会に署名を提出する状況になってナンバリングがなされていなかった時です。
誰もリアルタイムで情報をまとめて、全体の状況を逐一把握できるようにすることができず、リコール賛成派に混乱が広がる中、高須院長自ら選挙管理委員会に突っ込んで、ナンバリングをし始めてたことです。

https://twitter.com/katsuyatakasu/status/1324172176774242307?s=20


言っておきますが署名提出状況をまとめたの私ですからね。
愛知県全ての市町村の一覧作って、状況を知ってる人から聞き出し、いろんな人に情報提供を呼び掛けて、集まってきた情報を集約して、画像として切り出す作業を何度も何度も繰り返し(恨み言。
翌日には、美帆さんにたたき起こされて、「「請求代表者の河合さんがやってくれ」って言ってた」と言われて、ナンバリングの作業状況を再度集約して作成したけど、報酬のエナジードリンクがまだ来ていない(恨み言その2。

総指揮官が戦況をきちんと把握していない(勝ったと思い込んで何をやっても良いと思い込んでいたべきか? このあたりに問題の根源がある気がしています。

2. 本当に必要なものは何だったのか?

このリコールの失敗の責任はほぼ高須氏に帰するものであることは確かだ。
人事、指揮統制、実施計画どの点においても、全く評価できません。

私は技術系の人間なので、敢えて言うが「段取り八分(物事をきちんと成功させたいなら、準備をしっかりしろ)」と教わってきただけに、大規模なプロジェクトを行う際にはさまざまな準備の質が問われてきます。

少なくとも
・リコールの成功に必要な人材を揃え、人事を行う
・リコールの成功に必要なモノを揃える
・リコールの活動を支える予算実算をきちんと把握する
と言うことをきちんとするべきだったと考えています。

人事体制について

まず最初に我々が望んでいたのはきちんと仕事してくれる事務局および請求代表者でした。
高須氏が事務局長に選んだのは田中容疑者でしたが、私は高須氏に対して裏切ることはないだろうと考えていました。
高須氏が選んだ人だから大丈夫だろうと思っていましたが、偽造署名事件の進展とともに田中容疑者が逮捕されたことから、最初から裏切る算段をして高須氏に近づいたのではないかと考えています。

私の田中容疑者に対する印象は「時代遅れ」です。
SNS発の運動でありながら、インターネットの活用すらできないIT音痴の政治家崩れと言うのが私の見方です。
裏があるようなので、その辺りは詳しい人の解説に譲ります。
この人物がプロジェクトを運営できるかと問われたら、仕事ぶりからしてNOと言うべきでしょう。
田中容疑者が選んだ人材もそう言った点で問題が多かったのではないかと感じています。

モノの準備や用意がきちんとできない

リコールの受任者が本当に必要だったものが準備できていないと言うのは、最初からやる気が無かったのか、もしくは準備期間が短すぎたのかと考えます。

どんな仕事であっても書類の不備は許されません。
ましてや知事を解職するための書類です。
・請求代表者の印鑑が誤った名前のものが押印されていた
・受任者欄の受任者の個人情報に間違いがあり使い物にならない署名用紙が届いた
と言う話を何度も聞かされました。
署名を集めるのに必要な書類に不備がある状態を常態化させていたと考えると怒りを覚えます。

個人的な推測になりますが、署名用紙を発行するための受任者データベースと署名用紙の編集システムの間に何らかの不具合があったのではないか考えています。
これを組み上げた責任者が意図的に行った場合は背任ですし、意図的でなくても過失であり、少なくともきちんと謝罪をするべきなのではないかと考えています。

広報戦略の不備

高須氏はテレビCMや新聞広告にこだわっていましたが、愛知県のマスコミは中日新聞を筆頭にほぼ反日の応援団です。少なくともリコール賛成派の味方ではないことは確かでした。
それをどうやって補うのか? リコール賛成派ができる手段はチラシや受任者登録ハガキを直接届けるしかありません。

最初からハガキを愛知県の全世帯にポスティングすると言う話だったはずでしたが、まったく届いていないと言う話が多かったです。
噂によると無料でポスティングに協力してくれる会社を見つけたので、そちらに任せるとのことになってましたが、本当にやっていたのか疑問です。

実際私は我慢しきれずにハガキを事務局に受け取りに行って3000枚程度ポスティングを行いましたが、あの猛暑の中でのポスティングに非常に苦労した覚えがあります。
ポスティングを志の高いボランティアでもないのに無料で引き受けるとか狂気の沙汰だと思っています。

あと活動に必要になるチラシ。
これも十月上旬くらいでかなり時期が遅れていましたし、刷った枚数も少なく、ボランティアが自腹でカラーコピーやラクスルなどで増刷していました。

活動に必要な物資がきちんと用意されず、徒手空拳で戦わざるを得なかった受任者が多かったことは残念と言わざるを得ないと思っています。
受任者やボランティアの負担を減らすと言う発想が無かったのか、それとも単純にお金が無かったのか、その辺りは気になるところです。

リコールの活動を支える予算実算をきちんと把握する

愛知県知事のリコールに必要なお金は私個人の試算では約6000万円、広告などを含めるともっと必要になります。2億円あると余裕で勝てると思っています。それだけ集めるのは非常に大変です。

そもそもお金の管理ができていたかどうか?
かなりのどんぶり勘定だったのではないかと私は見ています。

少なくとも署名用紙の郵送、記載間違いのあった署名用紙の再発行などで多くのお金を使っているはずなのですが、そのあたりが記者会見などできちんと出てきていないことに疑問を感じます。

また、きちんとお金の管理ができていなかったのではないかと思われる事象は、ポロシャツの代金未払いでした。高須氏が支払うことで事なきを得ましたが、帳簿がきちんとつけられていたか? 後日払う必要のある代金をきちんと予算管理できていたか? その辺りも疑問です。

組織の運営管理のできない人物にわたしたちは署名を預けざるを得なかったのが悲しむべきところでしょうか?

3. 誰のためのリコールだったのか?

一体だれのためのリコールだったのか?

少なくとも一般の愛知県民のために解職請求を行ったとは見ていません。

リコール運動に参加したほとんどの人はこう言うでしょう。
「天皇陛下に対する不敬行為を許せない」
「大村知事が反日勢力に加担しているから」
「愛知県が国民の敵と言われるのが嫌だから」

私は、リコール賛成派の中でも異端でして、愛知県のコロナ対策があまりにもひどすぎて、大村知事ではコロナの蔓延を防げないと考えて知事のリコールに賛成した一人です。
今でも、大村知事が敵視する河村市長率いる名古屋市との足の引っ張り合いが問題ですし、大村知事が県知事を続けては愛知県のためにならないと考えています。

私から見て、彼ら愛国者の主張では一般の愛知県民にとってのメリットが少なすぎて、大村知事が居残るデメリットを越えることはないと考えていました。

少なくとも、票田とも言える一般の愛知県民(無党派層)を取り込まなくてはならないと言う考えが欠けていて、愛知県民にとってのメリットが一切考慮されていないことが敗因の一つだったと思います。

また、後任候補を擁立できなかったことも敗因の一つであると見ています。
田中容疑者がリコール後の選挙で勝つためのリコール活動と考えていたことが、そもそもの間違いであり、真に愛知県民のためにリコール活動を推進したとは言い難いのも事実です。

私自身は高須氏や愛国者を称する人々にとってのお祭り的なものであったと考えています。普段から抑え込まれていた彼らの主張を憚りなく大きな声を上げることができていて、彼らの愛国心と言う名の承認欲求を満たしていたと言う点では、ある意味お祭りだったのではないかなと思っています。

まとめ

高須氏が企図したリコールの失敗の要因はスタッフの人選および、主張にあると考えています。

特に人選については、実務経験を重視すべきであり、田中容疑者のような太鼓持ちを選ぶべきではなかったと考えています。

また、愛国者の主張では愛知県民の支持を得られないため、もっと支持を得られる主張をすべきだったのではないかと考えています。

結論

・高須氏はリコール活動に関して代理人を通じて調査を行い、早急に開示すべきである。記者会見だけではなく、きちんと文書でまとめて欲しい。

・我々の期待や信頼を裏切ったと言う点では許しがたいので事務局の幹部は法的な責任を負うべき。今後の捜査や裁判を注視していく。

・愛国者は大村知事が愛知県民が続投することのデメリットを提示し、後任候補が今後の愛知県及び日本国を維持、発展させるためのビジョンを提示すべき。

以上

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