【卒業生インタビュー・前編】Compathでの学びが、日常での在り方の種になる。
テストも評価もない学び舎であるCompath。自分の好きなことを探究できる余白に魅力を感じる一方で、「じゃあ、結局何を学べるの?」と少し不思議に思う人もいるかもしれません。
Compathの卒業生には、コースで体験した学びを日常でも大切に育て続ける人が多い印象です。Compathで体験したことを、学びの種として日常に繋げ、Compathでの経験を起点に新たな学びを生み出していく。
では、Compathの学びはどのように日常につながっていくのでしょうか?
今回はCompathのことが大好きなよっしーが、長期コースを体験した卒業生にインタビューをしてくれました。長期コースに行くことにしたきっかけや、学びが日常にどのように接続されているのか。3人がゆるりと語ってくれています。あなたもぜひ飲み物片手にゆっくり読んでみてください。
それぞれの想いと好奇心を胸に、Compathへ
よっしー:では、最初にみんながCompathに感じた第一印象を聞いてみようかなと思います。みんなが思い出している間に私からシェアするね。
私はCompathと出会った時の印象を明確に覚えていて。留学についてネットで調べているとき、デンマークのフォルケホイスコーレ(以下、フォルケ)っていうのを見つけて興味を持ったの。
すると、関連項目に「フォルケホイスコーレ 北海道」って出てきて「え、日本にあるの!」とめっちゃ驚いたんだよね。「見つけちゃった!」みたいな。
調べていく内に、どうやら北海道にフォルケをモデルにしたCompathという場所があることを知って。Compathでは大人が「余白」とか「立ち止まる」をキーワードに学びを作っていることを新鮮に感じて、行ってみたいなと思ったんだよね。2人はどんな感じだった?
Cozy:僕は最初にCompathを知った時と、実際に参加するまでには結構タイムラグがあるんだよね。最初Compathを知ったときは「こういうのがあるんだな」ぐらいの感じだったと思う。でも、実際に参加すると決めたときは、直感的にすごく参加したいと思ったんだよね。
Compathへの印象の変化は自分の状況が関係してると思う。当時は会社員生活を辞めて、フリーランスとして2年か3年くらい活動している時期で。このまま同じ生活、同じ仕事を続けていいのかなと悶々としていた時にCompathにまた出会ったんだよね。
当時の自分は1人で考えていても答えが出なさそうだなって思い、初めて出会う人とのやり取りから何か活路を見出したいみたいな気持ちがあったと思う。Compathだったら、もしかしたら僕の期待を満たしてくれるかもしれない。そんな思いからCompathに参加しました。
よっしー:なるほどね。つぼはどんな感じ?
つぼ:私は当時大学生で、自分の意見を今まで言ってなかったことに気づき、対話に飢えていた時期だったんだよね。だから、人と腹を割って話すみたいなものを求めていて。
調べていくうちに、どうやらデンマークに対話・民主主義を大事にする学校があるらしいというのを知った。だけどデンマークは遠いなと思ったので、「フォルケホイスコーレ 日本」と調べてみたらCompathを見つけたの。
なぜだかわかんないけど、見つけた瞬間「これには行かねば!」って思って、次の機会でもいいやとは1mmも思わなかったんだよね。今でも不思議に思ってる。
よっしー:そうだったんだね。つぼと私は少し似ているかもしれないけれど、Compathへ入り方って、人それぞれで面白いなと思った。
Cozy:なんかその場を求めているって感じも面白いよね。
つぼ:うん、確かに。
日常での気づきを辿ると、Compathでの学びにつながる
よっしー:Compathではコース中の気づきはよく紹介しているけど、参加した後の気付きや、日常に帰ってからの変化はあまり聞いてこなかった気がする。なので、みんなには参加した後に変化したことを聞いてみたいんだけど、なにかあるかな?
▼これはCozyがラジオDJとしてロングコースの仲間と収録したCompathラジオ。ロングコース中の様子がわかるので、よかったら。
Cozy:そうだな。僕は自分が変化したと思うことが明確に1つある。それはすごく簡単にいうと、自分を大事にするようになったことだと思う。
僕は何事においても、周りの人の気持ちを察するとか、相手がどう思うのかを気にしてきた。だけど相手を気にすることが続くと、自分が苦しくなるし疲れちゃうことに気付いたんだよね。
Compathでの時間を通して、まずは自分が今心地良いのかを見つめて、今の自分の状態に自覚的になる感覚が身についた気がする。多分、自分はずっといい状態であることは多分なくて、状態の波がありつつも、自分の声にちゃんと聞き耳をたてるようになったと思う。
コースで印象的だったのはサステナビリティについて考える授業でのこと。世の中や社会、環境みたいな大きな意味でのサステナビリティを考える前に、個人が持続的なやり方でないと何事も続かないよねみたいな話があった。それを聞いた時に「そりゃそうだよな」と腑に落ちて。自分が心地良い状態とか、持続的に苦しくならないように生きていくにはどうしたらいいんだろうと素直に考えるようになったと思う。
あと、初対面の人と3ヶ月共同生活をするなかで、ちょっとしたことでストレスが溜まったりする場面があって。その時に、遠慮して自分のことをおろそかにしていたら、最後までやり切れないとあるとき気付いた。
だからコースの途中から、みんなに合わせていく行動パターンをやめて、休むときは休んだり、1人の時間を取ったり、自分の心地良さを大事にするためのチャレンジを始めた。それが今の自分の変化につながっていると思う。
よっしー:3ヶ月という長い時間を一緒に過ごすからこそ気付くこと、感じることもきっとあるよね。つぼはどう?帰ってきてからの気持ちの変化とかあった?
つぼ:そうだね。これがCompathの学びです!みたいな明確なものはないんだけど、日常で感じた学びがCompathに由来しているなと感じることはあるんだよね。
よっしー:その感覚分かるかも。
つぼ:Compathに参加する前は、周りにいる人と真面目な話をしたらひかれてしまうかなという遠慮や、対話をすることに対する諦めみたいなものがあったと思う。でもCompathに行ってみて、そうでもないなって思ったんだよね。
誰しもがその場の雰囲気によって真面目な話をしたり、ただその場を楽しみたい気持ちがある。そして、自分も確かにその場を作っている1人なんだなって気付いた。
あと、超ライトな話を繰り出せる相手もめっちゃ必要で。なんか冗談ばっかり言い合っているような関係は浅い関係性で、自分の凄く悩んでいることを言う事が深い関係性である。そんなグラデーションに自分が善悪をつけていたことに気付いて、それはなくていいなと思ったね。
よっしー:Compathって結構ゆるいときもあるよね。みんなでゆるっと話してたら、対話になってきてみたいなことよくあったな。
Cozy:つぼはいろんなことをしていたよね。自分の内側について語ったり、何キロも離れているおむすび屋さんに、1人で歩いて行って地元の人と話すみたいなことも覚えている。子供たちと無邪気に遊んでたりもしていたし、つぼのなかでも対話のグラデーションがあったのかなって思うよ。
つぼ:よく覚えてるね。私がCozyに言われて1番覚えている言葉は「つぼは歩いている時の姿勢がいいからすぐ見つけられた」だよ(笑)
Cozy:そんなこと言ってたの(笑)。逆にそれ僕覚えてないかも。
つぼ:そのコメントは衝撃的だったよ(笑)。あと、最近は岩手県で教育関係のインターンに行って、中高生たちに勉強を教えたりもしているんだけど、勉強の話ばっかりだと重苦しくてしょうがないのね。
だから部活の話や趣味の話、おすすめのアニメの話とかをするようになった。自分の内面や軸を話題にしたコミュニケーションの仕方も、信頼関係を築くうえで結構大事だというのが、Compath の学びと今の現状を踏まえて思っていることかもしれない。
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前編はここまで。後編では、参加後の変化に対する対話と、参加者をサポートするサポーターとして参加したcozyの学びについて紹介します。後編もお楽しみに。
▼後編はこちらから
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