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ネオン看板風アクリルボードの作り方

【重要】
 本制作物の知的財産権は、全て774株式会社様または涼海ネモ様に帰属します。
 作ってみたいと思った方向けに書いていますが、もし作ってみたいモチーフが著作物である場合、その著作物の知的財産権を所有されている企業様または個人様の二次創作のガイドラインを必ず確認し、ガイドラインの範囲で楽しんでいただくようお願いいたします。
 また、私は絵を描くスキルが無いため、制作物のデザインする際に公式設定画を一部トレースさせていだいております。同様のやり方を取る場合は、必ずガイドライン上で複製権・翻案権・同一性保持権(トレースが引っかかる著作権)に関して許諾が得られているかどうかを確認ください。

【参考サイト】
 今回作ったELワイヤーを使ったネオン看板風アクリルボードはこちらの海外フォーラムの作り方を参考にしています。

【概要】
 ELワイヤーという光るワイヤーを、レーザーカッターで切り抜いたアクリル板にはめてネオン看板風にしています。
 レーザーカッターさえ借りれる施設が近くにあれば、用意した材料とハサミとドライヤーだけで作れます。

完成品

【用意するもの】(写真撮ってなかった)
・作るデザインに適したサイズのアクリル板 ×3枚
 (後述する中央のB層に3mm厚の物、他2枚に2mm厚の物を使っています。全部3mm厚でもOK。可能ならキャストと記載のある物のほうが綺麗に切断できます。)
・必要な長さのELワイヤー(2.3mm径)
・熱収縮チューブ(内径3mm)
・ボルトナット(今回はM4 12mmを6本)

【必要な環境】
・レーザーカッターを利用可能な施設(詳細は後述)
・Illustrator(ipad版なら月額1000円です。無料アプリでIllustratorに互換あるやつでも大丈夫ですが、プリント時にエラーを起こす可能性も有)

■その1!利用可能なレーザーカッターを探す。
 今回作るネオン看板風アクリルボード(以下ネオンボード)のサイズは利用するレーザーカッターに依存しますので、一番最初にレーザーカッターを探しましょう。
 大きい街であればファブスペースやホームセンターで利用する事が可能ですが、安く利用するなら自治体や学校が運営してるファブスペースがおすすめです。
 私の行動範囲だと、大田区が運営している『六郷BASE』や神奈川大学が運営している『ファブラボみなとみらい』がレーザーカッターを安く利用できました。

■その2!作りたいネオンボードのサイズを決める
 
レーザーカッターが見つかったら、次はネオンボードのサイズです。レーザーカッターは機種ごとに加工可能サイズが決まっているので、レーザーカッターに入るサイズのアクリル板を選ぶ必要があります。
 私の場合はtrotec社のspeedy 100というレーザーカッターを利用したので。加工可能サイズは608×303(mm)。そのため、東急ハンズで320×270(mm)のアクリル板を買いました。

■その3!デザインを作る
 次はデザインです。サイズより先に決めちゃってもいいです。
 気をつけるべきは5つ。
・太さ2.4mmの線で描く(ワイヤーが2.3mmなので。)
・線を交差させない
・なるべく線は少なく
・線と線を並べる際は近すぎないように
・ベクターデータで描く(ベクターデータの説明は省きますが、後でaiデータにする必要があるのでベクターデータでのデザインが必須です。)
 これで描けばそのまま図面にできます。

出来上がったデザイン

■その4!aiデータでレーザーカッター用のデータを作成
 上で作ったデザインをaiデータでレーザーカッターに出力できるようにします。
 その前に今回のネオンボードの構造を説明します。ネオンボードは3層構造になっており。それぞれ、蓋の役割のA層。ELワイヤーをはめ込むB層。ELワイヤーを後ろに通すための穴を開けたC層とします。

ネオンボード側面

 レーザーカッター用のデータを作る事自体は簡単で、A層はボルト穴を配置するだけ、B層はA層をコピーしてデザインで描いた太さ2.4mmの線をアウトライン化するだけ、C層は同じくA層をコピーしELワイヤーを通す箇所に3mmの穴を配置するだけです。
 それぞれこんな感じになります。

A層
B層


C層

 試しに3つを重ねるとこんな感じ。

例:3層を重ねた状態

 最終データ(A,B,Cで個別)で注意するべきは下記点。
・レイヤーは一つに統一。その中にそれぞれの層に必要な全てのパスを。
・線の太さ、色については使う施設のレーザーカッターの設定を確認の上、その設定に合わせる。(私の利用した施設は、太さ0.001pt、赤色がカットラインの条件でした)
・複合パスは避け、単純化しておく。
 細いことはまだありますが、それぞれの施設で使うレーザーカッターの使い方をよく確認してください。

■その5!アクリルをカットする
 それではアクリルをカットしましょう。

 こうして

 こうです

B,C重ねた状態

 レーザーカッターの使い方や施設の使い方はそれぞれ利用する施設の注意事項を良く読んでください(丸投げ)。基本的にはプリンターと同じ使い方です。
 はじめてレーザーカッターを自分で操作しましたが、利用説明の時間を抜いて、レーザーカッターの使用開始から3枚カット完了するまで多少のデータ修正も加えつつ48分かかりました。
 今回使わせていただいたファブラボみなとみらいさんは施設の利用料が一日800円、レーザーカッター利用料が30分1000円ですので全体で2800円でした。また、こちらの施設は水曜日のみ施設・機器共に利用料が無料になります。場所と日時の都合がつくなら水曜日がおすすめです。

■その6!ELワイヤーを通す。
 さあいよいよ最終工程です。
 内容は簡単。B層とC層だけをボルトで固定して、ELワイヤーを必要な場所に通す。

 そしてELワイヤーを裏に通す度に、必要な長さに切った熱収縮チューブでカバーするだけ。ドライヤー又は専用のヒートガンで熱を与えると徐々に収縮してELワイヤーをカバーできます。

熱収縮チューブはこんな感じになります

 ELワイヤーをはめる際はなるべくたるまないように注意してください。
 接着剤は必要ありません。最初接着剤で固定しようと試しましたが上手くくっつかなかった上に汚くなってしまいました。接着剤無しでいい感じにはめこみましょう。

■その7!完成!
 すべての溝にELワイヤーを通したら、A層で蓋をして完成!

完成!

■費用
 今回のネオンボードは250×300と大型のサイズになっています。そのため材料費が約6000円となり、加工費と合わせて9000円ほどになりました。
 例えばこれの1/3のサイズである250×100のネオンボードであれば、アクリル板も1枚で賄え材料費は2500円程度で済みますし、前述したレーザーカッターの無料開放のサービスを使えば加工費も無料なので全部込みで材料費と同じ2500円で作れちゃいます。

■作っていて気づいた改善点
 ここからは作っていて気づいた改善点です。

鋭角なデザインが欲しいところは穴を分ける。
 見ていただければわかりますがどうしても丸まってしまいます。鋭角なデザインにしたいときは一続きの穴は避けましょう。

デザイン
完成品

ラインとラインは近すぎては駄目
 作業中赤丸の部分が割れてしまいました。見た目上わかりませんし、特にワイヤーが引っかかる場所でもなかったので影響はありませんでしたが、場合によっては致命的な失敗に繋がります。気をつけましょう。

割れた場所

ドライヤーではなくヒートガンが欲しい
 作業中一番面倒なのがドライヤーで熱収縮チューブをセットする作業です。細かいところを狙えないためどうしてもアクリル全体が熱くなってしまいますし、ELワイヤーの黒ずみの原因にもなってしまったと思います。
 Amazonで1500円くらいなので、ヒートガン買いましょう。

電源オプション
 ELワイヤーには色々なコネクタが売ってます。単3や単4で動かせるバッテリーボックスが一般的ですが、USB出力やAC出力ができるインバーターも売ってます。USB出力単体では点滅させることができなかったりしますが、アタッチメントをつければ点滅も可能だったりするので、自分の飾りたい環境に合わせて選びましょう。

安く済ませたいなら
 国内AmazonでELワイヤーを買うと3mの場合1000円程度かかりますが、海外通販なら500円〜600円で買えます。届くまで一ヶ月ほどかかってしまいますが、急いでいないなら海外通販で買っちゃいましょう。

その他のネオンボード
 今回はELワイヤーを使った比較的小さいサイズのネオンボードの作り方を試しましたが、海外ではLEDストリップライトを使った、より大型のネオンボードのDIYが盛んです。YouTubeで『How to make neon sine』で検索すると大量に動画が見つかるので検索してみてください。
 こちらのほうが明るいですが、そもそもledストリップライトが太いためどうしても大型になってしまいます。また、今回の3層構造は使えず穴を開けるではなく溝を掘る方式が一般的なため、CNCルーターという電子制御の大型工具を使うか、フルオーダーでアクリル板を注文するかになるため、どちらにせよハードルは高いです。
 ただ、より大型で明るく、作り方によっては鋭角なデザインにも対応でき、ネオンを交差させるデザインにも対応可能と利点は沢山あるので、いつかこちらの作り方もチャレンジしてみたいですね。

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