まなかい;大雪 第61候『閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)』
天地の気が塞がっていよいよ冬。
そういえば車の暖房を入れるようになった。車は鉄の箱でよく冷える。
灰色の雲が低く垂れ込める日が増えた。光は低くなり、熱量が減る。
斜めの光はまだ落ちきらないもみじした葉を透かす。きれいではあるけれど、本来の紅葉の輝きとはちょっと違う。それでも半ば透き通った儚げな色は慰謝になる。
先はなかなか見通せないが、植物のように粛々と何も諦めることなく、静かな冬の眠りを楽しもう。
冬の極まる日は間も無くだ。
静かに目覚め震え始める時は自ずとやってくる。宇宙は、地球は動き続ける。
年の瀬は忙しくないといけない気がしてしまうけど、身綺麗にして(実はこれが方々忙しいのだけれど)あえて呼吸を整える時間を持つことが、大切なのだと思う。僕の場合は花を活けることや、剪定したりすることなどが日々の調律になっている。本を読む時間も結構そうだし、ゑ本を書いたりするのもそうだ。
植物や動物たち昆虫たちを見れば、夏を過ぎてからいかに淡々と余分を捨て、シンプルになっていくことか。
ちっぽけなタネや
先っちょにプリッとついた冬芽や
卵や蛹
冬眠する蜥蜴や蟾蜍、熊たちは植物的時間を過ごしている。
静けさの中で、コズミックなうちと外の小さな壮大な声を聞く時間。
静かな世界でみんながみんな、それぞれにポリフォニックな響きに身をひたし、聴き入る時間が冬の大事。