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ひとりで頑張らないリーダーが生み出す最高の成果――「任せる力」を手に入れよう

こんにちは、コンパス通信スタッフです。
先日のイベント「リーダーシップとマネジメント ~ 任せる力 ~」では、
人に任せる「信頼する力」と、状況を把握する「結界を張るような力」、
さらには“大いなる存在に委ねる”という視点が三位一体となり、
深い学びを誘う内容となりました。
自分の得意分野を手放せないリーダーたちが、
いかに勇気をもって責任やタスクを相手に託すか――
そしてその一方で、自らは正しく状況を把握し、
最終的には“天に委ねる”境地を持てるか。
今回も盛りだくさんのお話が詰まった贅沢な時間でした。

イベント当日の録画を文字起こしした完全レポートを、ぜひ一言一句お楽しみくださいませ。


「任せる力」とは? 紫藤さんが語る“信頼”の真髄


紫藤さん
「今日初の参加の方が3名もいらしてくださっていて、大変嬉しいなと思っております。
では、『任せる力』ということで今回はテーマを設定したんですけれども、
『任せるよ』っていう言葉って日常的によく使うよね、と。
でも少し掘り下げて考えてみると、実は深い真相心理や大きな仕組みが
見えてくるんじゃないかなと思い、2つの観点からエッセを書いてみました。

今日いらっしゃる皆さんはビジネスに関わっている方が多いですよね。
自営の方、経営されている方、自由にお仕事されている方などいろいろ。
『任せる』という言葉、基本的には“依頼をする”という意味で、
裏には“その人を信頼して託す”という側面があります。

私の仕事柄(コーチングやアドバイザリーサービス)、
“人に任せられない”という方が結構多いんです。
なぜだろうと紐解いてみると、たとえば部下やビジネスパートナーに
任せられず、自分でやってしまう。よく聞くのは、
『自分でやったほうが質が高い結果が出せる』
『自分がやったほうが速い』
『これは自分が得意だから自分でやりたい』
などですね。

でも、さらに真相心理を見ていくと、
“自分の優位性を示したい”“認めてほしい”という欲求が
隠れているケースがあるんです。
自分のほうが優れているとか、自分が得意なことだから、という理由も
突き詰めると同じベースに戻ることが多いですね。

ただ、リーダーや経営者は、自分一人だけで良い結果を出すだけでは
組織全体の成長を促進できない。
常に組織やチーム全体を見て、最適な判断をすることが求められます。
つまり、『任せる』というのは遂行責任を相手に渡すこと。
でも最終的な結果責任はリーダーが負いますよね。
そこには勇気や覚悟が必要なんです。

しかし、やはり“手を出してしまう・口を出してしまう”という
マイクロマネジメントの状態になると、
相手の成長機会を奪いますし、
『任せません=あなたを信頼していません』とも受け取られてしまう。
実際に、もっと任せてほしい、でも任せてもらえないってことは
“信頼されていない”と感じる、とよく言われます。

それから、『任せ方』には色々ありますが、一例として“10のバランス”があります。
全体を10としたとき、リーダーが9やれば、相手は1しか返してこない。
それ以上やろうとしなくなるんですね。
依存が生まれてしまう。だから自分がどれだけやるか、
あるいは我慢して“手放す”かで、相手の動きや成長は変わる。
親子関係でも同じですし、夫婦やパートナーでもそう。
『やりすぎると、相手はやらなくなる』ということがあるんですね。
もし“つい自分でやってしまう”タイプの人がいたら、
実験的に“やらない”ことをしてみるといいかもしれません。

加えて、相手がベテランか新人かによって、途中での確認(マイルストーン)の
設定も変わってきます。
大事なのは、その人の力量や考え方のクセを見ながら見守る姿勢です。

もう1つの観点として、“委ねる”というキーワードを書かせていただきました。
歴代の大きな成功を収めた方――松下幸之助さん、本田宗一郎さん、
スティーブ・ジョブズさんなど――はみんな“天に委ねる”という話をしています。
“人事を尽くして天命を待つ”。やるべきことをやって、最後は天に委ねる。
そこから得られる啓示を形にしていくのがビジネスである、と。
順天堂という大学も、もともとは小さな治療院で、
『天道に順う』という信念から“順天堂”の名をつけたと言われていますし、
“資生堂”という会社名もまた、自然の法則を師とする考えに基づいているようです。

経営者が“宇宙の法則”や“天の声”を受け取り、それを事業化して人を救う、
それが本来の「経済」=“経典済民”だと。
お金儲けのためではない、ということですね。

こうした大きな視点で捉えると、“任せる”にも深い意味があるんだな、
と感じていただけるんじゃないかと思います。
すみません、つらつらとお話してしまいましたが、
聞いてくださってありがとうございました。」


世界を見抜く“インテリジェンス思考” 大伴さんが解き明かす時代の転換点

司会
「紫藤さん、ありがとうございました。
ではここから大伴さん、お願いしてもよろしいでしょうか?」

大伴さん
「はい。大伴です。
今年初めてのコンパス通信オンラインイベントですね。
本年もよろしくお願いいたします。

従前から2025年は大きな節目の年と言われていますし、
昨日アメリカでトランプ政権が誕生したということで、
いろんな出来事が起こりそうです。
日本も混乱するかもしれないですし、人の心が揺さぶられると、
“魔”が入り込みやすい、なんて言い方をすることもあります。

そこで僕がよく言うのは、“結界を張る”という考え方。
宗教で言われるように、神聖な領域を確保して魔を寄せ付けない、
ということなんですが、これって自分の心にも当てはまる。
つまり、“把握する”ことが大事だということです。

僕はインテリジェンスの世界にいたので、とにかく隅々まで把握しないと落ち着かない。
掃除も端から端までやりますし、デスクの上も決めた位置に物を置いて、
ちょっとずれたらすぐ分かるようにしている。
行き過ぎると神経症っぽく見えるかもしれませんが(笑)、
それくらい“状況を把握しておく”というのは大事。
なぜなら、ここ最近の世界は予測不可能な動きが多いからです。

トランプ氏も何をしでかすか読めない。
普通の政治家なら世論を気にして読みやすいんですが、
彼は気にしないからディールに持ち込むのが上手いわけですね。
北朝鮮に『攻撃するぞ』と言ったときも、本当はやる気がなかったようなのに、
周囲は“本気だ”と慌てて動いた。
そういう“予測不可能性”が世界を引っかき回す可能性があるわけです。

そんななか、既存メディア(オールドメディア)とSNSの関係も変わり、
大手新聞やテレビ局の支配構造が崩れてきている。
いろんな情報が玉石混淆で出てきて、ファクトチェックもされずに拡散する。
最終的に誰が真偽を判断するかというと、自分しかいないんですよね。

ですから、1つ1つが本当かどうかを突き止めるのは専門家でも難しい。
僕が提案したいのは、むしろ情報の真偽を追うよりも、
『これによって社会がどう変わるか』を常に把握しておくこと。
そして“直感”(理屈抜きの感覚ではなく、“直に観る”ほうの直観)を磨く。
一瞬で本質を見抜ければ、情報が溢れても振り回されにくいんじゃないかなと思います。

今年は多分いろいろ混乱が続きますが、
しっかり自分軸をもって、振り回されないようにしてほしいですね。
僕もインテリジェンスの経験を共有していきますので、参考にしていただければと。
少し長くなりましたが、以上です。」


Q&A

「大伴さん、ありがとうございました。
ではここからQ&Aのお時間に入りたいと思いますが、
まず事前にいただいた質問を1つご紹介しますね。

『リーダー個人だけでなく、組織文化や制度面に関して。
 組織全体で任せる力を育むには、どのような仕組みづくりや
 風土形成が有効だと思われますか?』というご質問です。」

「失敗を受容できる組織づくり」 紫藤さんが示す具体策


紫藤さん
「はい、ありがとうございます。深くて広いテーマですね。
1つ言われているのは、“コミュニケーション→信頼→さらにコミュニケーション”
という循環です。
まず風通しのいい、何でも言える文化があるかどうか。
『言ったら否定されるんじゃないか』と萎縮するのではなく、受容してくれる雰囲気。
そして“失敗が許される”ということも大事です。

日本人は引き算で原点法になりがちで、
『ここができてない』を探しがちですが、
『ここができたね』という加点法を意識する。
そういう仕組みや文化、制度があるといいですね。
ざっくりまとめてしまいましたが、
“オープンなコミュニケーション”と“失敗を許容する文化”が
『任せる力』を育む土台になると思います。」


Sさんの事例に注目!学びを“現場”に落とし込むヒント

司会
「では初参加のSさん、本日はご参加ありがとうございました。ご感想やご質問などいかがでしょうか。」

Sさん
「はい、ありがとうございます。
紫藤さん、大伴さん、貴重なお話ありがとうございます。
大伴さんの『2025年が節目』というお話も非常にわかりやすかったです。

紫藤さんに質問なのですが、
『任せる力』と同時に、任せられる側の“あり方”って大事ですよね。
やはりリーダーから信頼される存在であるかどうか。
具体的にはどう考えたらいいでしょうか?
私の場合、子育てでも当てはまるかなと思っています。」


“任せられる側”の視点を深堀り

紫藤さん
「ありがとうございます。
“任せられる側”として、どうすればリーダーが気持ちよく任せてくれるか、ですよね。

まずは『なぜ任せてほしいと思うのか』を考える。
それは“意欲”だと思うんです。
『やらせてください』って手を挙げることが第一歩。
でも、評価を気にして手を挙げないケースも多い。
実際にはリーダーは『やめろと言うまでどんどんやってほしい』
と思っていることが多いんです。

失敗を怖がらずに挑戦する、結果を気にしすぎない。
『成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと』と言いますが、
本当にその通りで、失敗は“うまくいかなかった経験が増えるだけ”で、
次に活かせますよね。

また、『何のためにやるんだっけ?』を常に問い続ける。
“自分が失敗したくない”という思いは自分にベクトルが向いていますが、
『これをやり遂げれば誰を助けられるか』と考えると外に向く。
そこに覚悟や意欲が生まれると思います。」


情報社会への不安と向き合う Oさんのリアルな声

「ありがとうございました。
では続きまして、本日初めましてのOさん、よかったらご感想やご質問などいかがでしょうか?」

Oさん
「はい、初めまして。ありがとうございます。
さきほど大伴さんのお話にあった兵庫県の知事選のこと、
私も最初は『兵庫県民どうしちゃったんだ』と思っていました。
でも後から情報が出てきて、玉石混淆の中で世論が変わっていく過程を見て、
“情報を自分で判断しなきゃいけないな”と強く感じたんです。

また最近、たとえば中居さんの件も報道で“悪者扱い”みたいにされていますが、
本当は何か大きな流れがあって、その表に出ている部分だけ
見えているのかもしれない、とも思ってしまう。
そういうのを考えると、これからどうやって情報の真偽を見極め、
踊らされないようにするのか、不安になることも多いですね。
質問というより、最近の個人的な感想ですが…。」


大伴さんが伝授 混乱の時代に生き抜く“真贋判定”のカギ

大伴さん
「そうですよね。今は専門家でも難しいくらい、情報の真偽がわからない時代です。
ただ、僕自身は個々の情報の出どころや確度を追うよりも、
『その情報を通じて社会がどう変わりそうか』という視点を持つほうが大事だと思います。

既存メディアで報じない理由には法律や規則が絡んでいたり、
社の方針や世論の動きを見て発言を控えたり、いろいろな要因がある。
一方、SNSでは“なんでもあり”で拡散する。
最終的には自分で判断するしかないんですが、
同時に『だから社会はこう動くかもしれない』という大きな流れを掴むほうが
迷いが少なくなると思うんです。

“ここ”がフェイクかどうかはさておき、
それによって世論が実際に動いている、
だから結果として社会はこうなりそうだ、と。
そういうふうに捉えると、あまり振り回されにくくなるのかなと。

答えになっていないかもしれませんが、
僕はそんなふうに考えています。」


最後に

司会
「ありがとうございます。
そろそろお時間が迫ってまいりました。
もっと皆さんにお話を伺いたいのですが、
続きはまた来月のイベントや、LINE公式アカウントでやり取りできたら嬉しいです。

来月のオンラインイベントは2月17日(火)で、
テーマは“リーダーの役割~理解する力~”です。

では、大伴さん、紫藤さん、興味深いお話をありがとうございました。
ご参加の皆さまも貴重なお時間をありがとうございます。
また来月のオンラインイベントや2月22日の対面イベントでお会いできることを楽しみにしています。
それでは本日はこれで終了といたします。おやすみなさい。」

(全員)
「ありがとうございました。おやすみなさい。失礼します。」


2月のイベント情報

2月は毎月恒例のオンラインイベントと年に一度の対面イベントを控えております。

次回のイベントでは、「リーダーの役割」に焦点を当て、リーダー、経営者としての関わりや「理解する力 」について掘り下げていきます。ぜひ、次回もご参加ください!

  • 2月22日(土)都内にて特別イベント
    年に一度の対面イベントを3部構成で予定しています。

<プログラム>
第1部:15:00 - 15:30 「自分を知る」12の力の解説およびそれぞれの力の伸ばし方
第2部:15:30 - 16:30「世の真理を知る」あなたは、どの視点で物事を見ていますか?
第3部:17:00 - 19:00 「懇親会」会食しながらカジュアルに交流しましょう
詳細・お申込みはこちらからどうぞ。

年に一度の対面イベントです

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今月もお読みいただきありがとうございます。
オンライン、オフライン問わず、お目にかかれることを楽しみにしております。


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