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イベント完全レポート「社会との関わり / インテリジェンスの真価 ~ 見抜く力」

こんにちは、コンパス通信スタッフです。
先日のイベント「社会との関わり / インテリジェンスの真価 ~ 見抜く力」では、
紫藤さんは「情報過多の時代は、上流に戻る視点を持つことが大切」と強調しました。SNSやニュースを通じて膨大な情報に触れる今こそ、源流(みなもと)を確かめ、静かな時間を作り、自分を信じる“直感力”を鍛える必要があるという内容でした。

大伴さんは、政治・選挙を含む社会全体における“情報”の扱われ方や、インテリジェンスを活かす重要性を詳しく解説してくださいました。SNSの影響力や世界的な武器供給の構造をはじめ、「行動することで初めて奇跡は必然になる」というメッセージが印象的でした。

今回は、初の試みで、イベントの録画を文字起こししました。一言一句逃さない完全レポートで、コンパス通信イベントの世界観をお楽しみくださいませ。

司会(コンパス通信スタッフ)の挨拶

司会
「はい、本日はご参加ありがとうございます。今月のテーマは『社会との関わり / インテリジェンスの真価 ~ 見抜く力』です。本日もどんなお話が伺えるか楽しみですね。では早速ですが、まず最初に紫藤さん、お願いいたします。」




紫藤さんの冒頭メッセージ

紫藤さん
「皆様、改めましてこんばんは。今日は“インテリジェンス”について、大伴さんにほぼメインでお話をしていただこうと思っています。私からは最初だけ、先日書いたエッセイに付随するお話を少しだけ。

今、情報が溢れすぎていて、何をどう信じていいのか迷う方が多いのではないでしょうか。いわゆる“情報過多”の時代ですよね。そして『情報って、誰かが誰かのために作ったものに過ぎない』という言葉があるように、どこかに発信者の意図がある場合が多い。だからこそ、一度“上流に戻れ”ということを私は提案したいんです。

“上流”とは何かというと、先人の知恵や普遍的な本質の部分。川の源流に遡るように、『なぜこの情報が生まれたのか?』『その背景にはどんな歴史や考え方があるのか?』を意識してみることが必要ではないかなと。エッセイの中では、観察力を鍛える、自分に問いを投げかける、自分の感情を味わう、そして流されない習慣をつくる——そんな4つのポイントを挙げました。

そして、身近な例として“おばあちゃんの知恵袋”があるじゃないですか。漫画『ドラえもん』の中で、のび太くんが辛いときにおばあちゃんが言ってくれる数々の言葉があります。たとえば『手を抜くんじゃなくて力を抜くんだよ』とか『人生なんて暇つぶしみたいなもんだよ』とか。一見すると軽い言葉にも思えますが、その裏には“頑張りすぎず楽しく生きる”という東洋的な哲学があるようにも感じます。
“この世は舞台”という仏教的な考え方にも通じますよね。体験するために生まれてきたんだから、いろんな体験を楽しんでしまおう、というメッセージ。私たちは情報の洪水に埋もれてしまいがちだけれど、自分に必要なものを見極めるためにも、こうした先人の知恵や上流にあった源流の思いに立ち返ってみてはどうでしょうか。——というところまでで、前置きが長くなっちゃいましたが、大伴さんにバトンをお渡しします。」




大伴さんへのバトンタッチ

大伴さん
「はい、今振られましたね(笑)。まずは、ちょっと哲学的な方向へ行く前に、今年1年を振り返るといいますか、2024年って“選挙の年”といわれてましたよね。日本でもいろんな選挙があって、世界でも数多くの選挙が行われた。どんな特徴があったか、順に見ていきましょう——。」




大伴さん:SNSが選挙と世論を大きく左右

大伴さん
「日本では、たとえば都知事選がありました。石丸現象といわれるようなサプライズが起こりました。兵庫県知事選でも、SNSでの印象操作が結果に大きく影響し、選挙の正当性が疑われるような状況にもなった。世界を見渡すと、EUでは反EUの政党が躍進したり、アメリカ大統領選挙ではトランプさんが返り咲きましたね。
ルーマニアではTikTokで14億再生されて突然注目を集めた候補者が出てきて、憲法裁判所が無効にせざるを得ないほどの混乱があった。こうしてSNSが選挙を左右し、“民主主義の正当性そのものが問われる”事態が起きているわけです。兵庫でもそうでしたけど、印象だけで世論が形成されてしまう。結果を受け入れられない、なんだか怪しいとなると、民主主義の根幹が揺らいでるとも言えますね。」




大伴さん:民主主義の限界?

大伴さん
「選挙で代表を選んでも、それを信じないという人たちが増えると、もう民主主義は機能しなくなるんじゃないか。これは日本だけの話ではなく、世界各国でも起きています。シリアではアサド政権が崩壊してロシアに亡命とかね。独裁者は権力を手放せば命の危険があり、民主的にやろうにも武力がある限り混乱が続く。こうした事例が今年すごく目立ちました。」




大伴さん:武器供給が戦争を長引かせる

大伴さん
「ロシアがウクライナに注力しすぎてシリアへの武器供給をやめた結果、シリア情勢が一変したように、結局、どこから武器が供給されるかが紛争の大きな要因になっている。南北戦争の頃から世界中に武器がばら撒かれた歴史があり、アフガニスタン撤退時のアメリカの兵器も闇市場で出回っている。『武器を作る会社が儲かる仕組みがある限り、戦争はなくならない』というわけです。

トランプさんはウクライナへの武器供給を止めようとしていると言われます。陰謀論的には“アメリカはディープステートに牛耳られている”とも言ってますよね。2025年は彼が1月20日に就任し関税を上げるなど、大きな変化が予想される年。これは恐慌のリスクを高めると専門家が言っている。そういった地政学的な節目がすぐそこにあるんですよ。」




大伴さん:政治動向・SNSの規制問題・社会制度のタイムラグ

大伴さん
「昭恵さんがトランプさんに呼ばれた話なんかもあって、日本の政局も動いてますよね。石破さんや岸田さんがどう動くか——下手すると政権交代もあり得る。社会はものすごいスピードで動いてるのに、ルールづくりや制度が追いついていない。SNS規制なんかも表現の自由との絡みがあって簡単にはいかないし、法律を作るのには時間がかかる。

すると結局、社会全体が個人を守りきれない。SNS詐欺とか闇バイトとか、警察も手が回らない。それなら、個々人で気をつけるほかない。そこで出てくるのがインテリジェンスですよ。」




大伴さん:インフォメーションではなく“インテリジェンス”を使え

大伴さん
「インテリジェンスとは“情報をただ集めるだけじゃなく、分析・評価・判断まで行うプロセス”のこと。陰謀論とか『ディープステートが…』とか言われても、多くの人はそれが本当かどうか簡単に確かめようがない。だけど、仮に本当だとして、どうするの? そこに気を取られるよりも、『どうやったら自由になれるか?』を考えた方がいいわけです。

たとえば電力会社1社に牛耳られるより、自分で発電できたらどうか。そこを考えるほうがよっぽど生産的。インテリジェンスを発揮するとは、そういう“どの視点でどう行動に結びつけるか”を検討することなんです。」




大伴さん:行動こそが重要/歩きスマホの危険性

大伴さん
「学んだら行動する——これはすごく大事です。行動がなければ社会は変わらない。来年、未年って言われますけど、学んだことを芽吹かせるには結局動くしかない。何が起きるかわからない社会ですから、危機管理も含めて、“周囲を把握する”ことが第一歩です。

歩きスマホしている人が多いけど、人間には本来、直感力があるんですよ。周囲が見えていれば『あ、この人おかしいな』とか察知できる第6感。けど、意識がネットに向いてたら無理ですよね。空間認識力を高め、常に“今どんな状態か”を感じ取ること。これもインテリジェンスのひとつです。」




紫藤さん:直感力を鍛える具体的なヒント

紫藤さん
「大伴さんのお話を伺いながら、私も“直感を鍛える”という点をもう少しお伝えしたいなと。誰にでも直感はあると思うんです。だけど『そんなはずない』と頭で否定してしまう正常性バイアスが働いたり、情報に埋もれてしまったりして、使わないまま眠らせてしまっている。

たとえば呼吸法や瞑想で静かな世界に入ると、直感がふっと湧いてきたりします。コーチングの世界でも“直感を信じる”というスキルがありますが、これって理屈を飛び越えた感覚に委ねるということ。囚われを外していくには、感覚を信じてみる勇気も大事なんじゃないでしょうか。」




参加者(Iさん)とのやりとり:とらわれを外すには?

参加者(Iさん)
「今日は面白かったです。特に“とらわれから自由になる”という話がずっと気になっていて、具体的にどういう状態を指すんだろう、と。」

大伴さん
「とらわれというのは、心や経済的な依存、執着です。たとえば、ここを失ったら自分はダメになると思い込んでいる状況とか。まずは自分が何に依存しているかを把握する。スマホに依存してるなら、なくても大丈夫な選択肢を増やす。そうするだけでも自由度が上がるんですよ。

感情面でも同じ。面子を潰されたから嫌な気持ちになるんだと気づけば、そもそも面子って何だ?って考え、手放せば楽になることが多いです。」




参加者(Mさん)の体験:携帯を落として気づいた依存

参加者(Mさん)
「私は先日、夜に携帯を落として探し回ったとき、スマホにすごく依存してたと気づきました。普段、携帯がないと家に帰れないくらい、思考が止まっちゃうんですね。今日のお話を聞いて、明日から直感を意識してみようと思います。」

大伴さん
「そうですね、便利な社会は人間を退化させる面もありますからね。だけどもやっぱり人間の本質的な感覚を取り戻すと、AIには真似できない直感とかセンスが身につく。これは今後ますます重要になってくると思います。」




参加者(Yさん)とのやりとり:ログを取る/感情をピン止めする

参加者(Yさん)
「直感力を鍛えたいなら、まず『把握』が大事という話を聞いて、じゃあ明日から何をしよう、と考えました。怒ったときにログを書いて原因を探るアガマネージメントの本を読んだことがあるので、それやってみようかなと。」

大伴さん
「自分の心を観察するのは一番の心理学研究ですね。感情をメモして、なんでこう思ったのか掘り下げると、他人にも応用できたりします。日常で続けることで“ああ、こういうときに怒りが湧くのか”と法則が見えてきます。把握してしまえば、感情に飲まれずに冷静になれる。」

紫藤さん
「喜怒哀楽の感情をピン止めして言語化するのもいいですよ。なぜこれは嬉しいのか、なぜこれは悲しいのか。それを分析すると、自分の価値観がはっきりするんです。」




参加者(Yさん)とのやりとり:囚われず自分の感性を自由にするには?

参加者(Yさん)
「人の目を気にしてしまったり、マイノリティでいる覚悟が怖かったりするんです。『自由になる』と言ってもなかなか難しいですよね。どう考えればいいのでしょう?」

大伴さん
「それがね、簡単にはいかない。ずっと練習していくものだと思います。捉われから一度抜けても、また別の捉われが出てくる。だから“死ぬまでやり続ける覚悟”といってもいいかもしれません。

人の評価を気にしないでいるにはマイノリティでいる勇気が必要。そこが怖いなら、まずは“自分にとって何が大事か”をハッキリさせる。そうすれば周りの目を気にせず、変わり者でいる選択もしやすくなるんじゃないかと思います。」




参加者(Cさん)とのやりとり:電力会社の独占と行動の重要性

参加者(C田さん)
「電力会社が医者だったらどうなる?という例えがすごくわかりやすかったです。でも実際は既得権益とぶつかり、潰されるかもしれない。その中でどう行動すればいいんでしょう?」

大伴さん
「夢物語ではないと思います。行動を起こせば何かしら変化が起きるし、人を巻き込めばさらに大きく動く。SNSも悪い面ばかりでなく、うまく使えば直流発電や小規模分散電力の話を広められるかもしれない。変わり者同士が繋がると強いですから(笑)。

農業でも大規模 monoculture より、小規模分散型で天候変化に対応できるメリットがありますよね。そういうコミュニティを連携させ、ブロックチェーン的に繋げる構想もあります。そこにこそ本当の“自由”が生まれる、という感じです。」




来年のお知らせ&雑談


「では、時間も迫ってきましたので、来月・来年のイベントについてお知らせいたします。簡単に2点だけ。まず、毎月第3火曜日の夜8時から9時のオンラインイベントがあり、次回は1月21日、テーマは“任せる力”です。そして2月22日(土)にはリアルイベントを3部構成で計画中。『自分を知る』パートと、『世の中の本質を知る』パート、そして懇親会といった流れ。詳細はLINE等で改めてご案内しますので、スケジュールをブロックしておいていただけると嬉しいです。」




閉会のあいさつ

司会
「では、そろそろお時間になりましたので、本日はここで一旦お開きとさせていただきます。もしよろしければLINE公式アカウントなどで感想をお送りください。皆さんのいろいろな視点を知ることで、私たちももっと面白いディスカッションができると思います。次回もお楽しみに!本日はどうもありがとうございました!」

イベントの録画を文字起こしの感想をお聞かせください!

今年最後のオンラインイベントのレポートとなりました。イベントの録画を文字起こしは、いかがでしたでしょうか?Q&Aも活発に行われ、学びが深まりました。質問や感想を言うことで参加できるのは、ライブでお聞きいただいた方の特権ですが、お読みくださった方もコンパス通信のイベントを疑似体験いただけていたら嬉しいです。

今後のイベント情報

  • 1月21日(火)20:00~ 1月のイベント
    「リーダーシップとマネジメント ~ 任せる力 ~」
    お申込みはこちら

  • 2月22日(土)都内にてリアルイベント
    年に一度のリアルイベントを3部構成で予定しています。詳細はLINEにて追ってご案内します。
    👉 公式LINE登録はこちら


写真:canva.com_Sandor

個人的にも今年はありがたいことに、このコンパス通信の運営を通じて、多くの学びをいただきました。特に情報リテラシーが高まり、情報収集の際の行動が大きく変わりました。

ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。皆さんからのいいね、コメントを励みに、また来年も学び、行動してまいります。
それでは皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。



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