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【11/17公開】 #舞台幕が上がる

皆さんこんにちは。
コンパスです。

 今回は11/16にアーカイブ上映された舞台、幕が上がるの感想などを書いていきたいと思います。(2023年版)「幕が上がる」は日向坂46三期生の森本茉莉さん、山口陽世さんW主演で昨年(2023年)7月に行われた舞台で、今回は全国10会場のイオンシネマでアーカイブ上映が行われました。僕は兵庫県・加古川の会場で鑑賞しました。 

1.ストーリー

 ざっくりとストーリーを説明します。舞台公式サイトには

ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。
演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。爽快感を呼ぶ少女たちの青春譚。

https://makugaagaru-stage.com

とあります。これまで地方大会も突破してこなかった演劇部に、大学時代に演劇をしてきた女性教師、頼もしい後輩の存在、新部長高橋サオリ(森本茉莉)の構成が功を奏した新入部員の獲得など様々な「奇跡」が重なり、部活の機運が高まります。先生からの勧めを受けてサオリは演出に専念し、宮沢賢治作の小説「銀河鉄道の夜」をモチーフにした作品で秋の大会に挑むことに。しかしこれまで部を支えてきた先生は女優業のため大会直前で教師を辞めることに。衝撃と緊張もあって地区予選では様々なアクシデントが起こり、なんとか県大会への切符を掴んだものの課題が残りました。その後詩に関心の強い国語教師からヒントを得て、宮沢賢治の思想に基づく宇宙観などのセリフを追加するなどの変更を加え、県大会と地方大会を1位通過。一つ下の代を中心に参加する翌夏の全国大会の会場に向かう電車の中でサオリ、ユッコ(山口陽世)、ガルル(高井千帆)が話しているというシーンで舞台は幕を下ろします。

2.全体の感想

 まずは日向坂2人の配役について。
 サオリを演じた茉莉さん。部長として演出の役割を担当するという配役に加えて、事実上のナレーションも担当。圧倒的なセリフ量をミスなくこなしていて、その裏にある努力は計り知れません。そしてアッコを演じた陽世さん。自分の演技力を活かしつつ、部長を支えるアッコの配役にはリアルの本人に近いものを感じます。作中(の作中)ではジョバンニを演じますが、先生の指導で「ベースのストーリーに(ユッコなど作中の俳優たちへの)当てがきを加えて(サオリが)脚本を作る」という設定が生きていたように感じます。
 「銀河鉄道の夜」はジョバンニがカムパネルラが死んでしまったことを知りながら夢の中で銀河鉄道の旅を繰り広げるものの、目を覚ましたジョバンニは夢だったことに気づき、カムパネルラとは実際にはもう再会できないのだと思い知らされてしまうというのが本来のストーリー。完全なバッドエンドにしたくなかったサオリは試行錯誤するのですが、その中で印象に残ったセリフが「宇宙は常に膨張している」から、「2人は常に離れていっている、でも2人の心はずっと通いあっている」「宇宙のどこまででも行くことのできるきっぷとて、宇宙の果てにたどり着くことはできない」みたいなやつ。現実はそう甘くない、でも探究心、挑戦する気持ちに限界を定めてはいけない。演劇部のメンバー、そして観客にサオリが伝えたかったこととも取れるし、幕が上がるの脚本の方が我々に届けたっかったメッセージととることもできます。
 そして最後。島根で開催される全国大会を見に、それぞれの進路に向かった3人が夜行列車に乗っているシーン。サオリの劇団結成への決意、18の私たちは宇宙の果てまではいけなくてもどこまででもいける、というワードで終わるのですが、あまりにも「日本最後の寝台特急」サンライズと「青春18きっぷ」を想起させます。本当になくならないでほしいものです。

3.作中の4人と日向坂46三期生

 さて、作中の3年生4人(サオリ、アッコ、ガルル、そして強豪校から転校してくる中西さん)、日向坂46三期生に通ずるものを感じます。
 まずはサオリ。先生と連携をとりながら部長としてリーダーシップを発揮し、先生が離れてしまったあとは自身でグループをまとめあげるあの姿、というか名前から、髙橋未来虹さんそのものです。
 そしてユッコ。先述したようにユッコは部長のサオリの負担が増えすぎないように、と積極的に協力したり、意見を出したりとグループの精神的な支柱となっている存在、つまり演者本人。山口陽世さん。リーダーではないけど、絶対に欠かすことのできない存在です。
 ガルルは森本茉莉さん。根はしっかりしているのにちょっと抜けているところもある、二面性を持ったキャラクターが近いものを感じます。
 あの舞台の時点(2023年7月)ではまだ遠い未来の恐怖だった先輩たちの卒業ラッシュも、もはや現実のものとなってしまっていて、宇宙の果てにいけないように、「アイドル人生」は永遠のものではない、と、2024年11月の今振り返ると実感します。特定のどのメンバー、というわけではないですが、卒業していく先輩たちと先生にも、重なるところはあるなと感じます。

4.このタイミングでのアーカイブ上映の意義

 今回のアーカイブ上映は舞台から1年4ヶ月を経て行われました。日向坂46としてはこの期間先輩たちの卒業ラッシュが始まっている一方、4期生のレギュラー番組、単独ライブ、映画、舞台と活動の中心が4期生に移っていく時期に入っています。4期生と比べてしまうと「不遇」と言われてきた3期生、とりわけ「新3期生」に大きなお仕事が入っていないのは事実と言わざるを得ません。
 しかし、その状況も少しずつ変化してきています。選抜制導入に伴い開催された「ひなた坂LIVE」で初代座長を務めたのは髙橋未来虹さん、そして未来虹さんが選抜に入った2回目ではセンターは4期生の宮地すみれさんが務めたものの、「幕が上がる」の2人は強い存在感を発揮していました。
 つい先日髙橋未来虹さんの副キャプテン就任が発表、そしてツアーが始まる直前、この間となるこの日にアーカイブ上映をしたことは、今後の日向坂46を3期生が引っ張っていく、ということを改めて定義づけるという効果を感じます。(もちろん全員が表題メンバーに入ってほしいとは思いますが、現実として)選抜とひらがなに分かれてしまっていても「4人で1つ」の3期生であってほしい、と感じずにはいられません。

 さあ、いよいよあさって神戸の地で、今年を締めくくる全国ツアーの幕が上がります。

今日はここまでです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

コンパス

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