あした天気になぁれ
冷たい言葉を浴びせられた。怖い目で睨まれた。
きっとわざとじゃないけれど、その何気ない仕草が、負の連鎖を生むことってあると思う。
「邪魔なんだけど、どいてくれない?」
小雨の降る歩道を、息子を抱っこしながら歩いていると、自転車に乗ったおばさんに言われた。
ここは歩道だ!と思ったが、
「すみません。」すぐに頭を下げてしまった。
小さい子を抱えていると、どうも心が弱くなる。怖気づいてしまう。弱者なんだなぁと自覚する。なんたって、8㎏の暴れる塊を抱えていたら、思うようには動けないのだから。
そんな屈辱感や情けなさは、私から笑顔を奪っていった。
子どもたちにもっと笑顔で振るまいたいのに、その日はそれができなくなった。
子どもたちは、何も悪くないのに、大好きなママの笑顔を見られなくなった。
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産後は、ホルモンの影響なのか、赤ちゃんとばかり接しているからか、言葉に詰まりやすくなる。頭の回転も遅い。
そんな状況で外に出かけて人と話すのは、お母さんにとって、とても勇気のいるものだ。
だからこそ、外で交わした会話の一つひとつが、深く印象に残る。
スーパーのレジの方、役所の窓口の方、すれ違う人、ご近所さん。
一言すら交わさず、アイコンタクトだけかもしれない。でも、その目が温かいと、それだけで救われたような気持ちになる。
今すぐ大きなことはできないけれど、毎日明るく笑顔で過ごしていれば、誰かの心を温かくすることができるかもしれない。
そんな小さな思いやりをみんなが持てたら、人との関わりが希薄になる社会も乗り越えていけるような気がする。
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自転車に乗ったおばさん、嫌なことがあったのかなぁ。
みんなの心のイライラが晴れますように。