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こもリズム研究会とは…


―さあ、こもリズムをはじめよう―

いじめ・虐待・ひきこもり・障害について、あるいは広く社会で見過ごされがちな「生きづらさ」について考え、発信する「こもリズム」研究会が始まりました。2021年4月よりソーシャルワーカーと当事者・学生が集まって活動しています。
 
「こもリズム研究会」を立ち上げる一つのきっかけは、2020年6月に千葉県浦安市に開所した浦安市発達障がい者等地域活動支援センターミッテMitteでの発達障がいのある方への日中活動支援・相談支援にあります。
地域に暮らす一人ひとりを取りまく現実の複雑さと、それを私たちの問題として引き受けていくための発信の必要性と可能性です。
 
ミッテを訪れる人の中には、その経験を紐解いていくと、障害にとどまらず、いじめ・虐待・ひきこもり・家庭内不和・生活困窮・依存症など、さまざまな困難や「生きづらさ」を背後に抱えて生き抜いてきた方たちがたくさんいます。

安全な居場所、自分を大切にしてくれる人間関係、学校で学ぶ機会...。例えばそうした周りの人の「あたりまえ」がわたしには欠けていた、突然奪われてしまった。
あるいは理由も分からないまま、周りの人に合わせられない。のけものにされてしまう。一度つまづいてしまったら、「助けて」が言えない。
自分を必死で守っているだけなのに、責められてしまう。

そうした声が聞こえてきます。

そういった「生きづらさ」を抱えて生きる人たちとその周囲の人、そして支える人たちの経験については、それを表現するための資源としての言葉も、それを社会へ発信・共有できる機会もまだまだ少ないのが現状です。

そのような現状にあって、社会から、そしてときに自分自身からネガティブな眼差しや偏見を向けられ、孤立を深めています。

一人ひとりが背負ってきた痛みや傷は、ひるがえって私たちの社会が抱える歪みや課題であるはずです。
社会の境界に身を置いて生き抜く一人ひとりの経験は、似たような境遇にある人たちを救いときに勇気付けるだけではなく、私たちの価値観や社会を深く問い直し、新しい可能性を提示する力をもっているはずです。

「こもリズム研究会」は、ソーシャルワーカー、当事者、学生がそれぞれの経験とアイデアをもちよって学び合い、福祉の枠をこえて地域の方々と一緒に優しい街をつくり、人を育て、文化をつくりたいと思います。


・こもれび文庫
いじめ・虐待・ひきこもり、さまざまな生きづらさを経験した/している人達の文章を発信していきます。

文章を書くこと、とりわけ自分自身の経験を辿ることは、森の中をひとり散歩することに似ているのかもしれません。過去と現在をそれぞれの足取りで行き来して、思いを表現するための言葉を探し、拾い集め、未来へ投げます。

静かな森の中で、自分自身の声を聞きます。森の外で溢れかえる大きな言葉たちによっては表すことのできない傷や痛みも、寂しさも怒りも、意地も祈りも聞こえてくるかもしれません。

「こもれび」が、体験を開示する書き手にとっても、その文章に巡り合う読者にとっても、一人でも多くの居場所になることを願っています。

扱う内容とSNSという方法の特性上、安全で責任ある発信に最大限努めて参ります。何かお気づきの点などございましたら、ご連絡いただけますと幸いです。


・こもジャーナル
社会に広く発信する当事者・ソーシャルワーカー・記者・研究者によるコラム、対談記事を「こもジャーナル」として発信します。

一人ひとりの語りは、人を癒し、勇気づけます。時に人に反感を抱かせ、あるいは人の価値観をゆさぶる力を持っています。しかしながらその一方で、その語りの背後にある社会の課題を個人の問題にとどめてしまう危険も持っています。

「こもジャーナル」は社会という視座から、私たちが個々の語りを結びつけたり、生きづらさの背後にある問題、さらにはこれからの社会を考えたりするきっかけとなる記事を発信します。

・レクリエーション付き出前相談会
月に一度地域の公民館でワークショップ・レクリエーションを開催し、それと併設する形で浦安市発達障がい者等地域活動支援センターミッテMitteによる出前相談を行います。ウェブ上の記事の発信にとどまらず、困りごとを気軽に相談し助け合う街を目指して活動します。


こもリズム。
それは、一人ひとりの呼吸であり、自分自身を表現するスタイルです。それぞれの経験を交わし合う私とあなたの間のつながりであり、私たちが社会の価値観を揺らし新しく文化をつくっていく力です。

さあ、こもリズムをはじめよう。

                                                    text/aki

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