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1960年代から1990年代にかけて活躍したインテリアデザイナー、倉俣史朗の回顧展「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」が京都国立近代美術館で開催された。世田谷美術館、富山県美術館を巡った展覧会の終着点である。本展では、倉俣の言葉を辿りながら、その作品を振り返る。 倉俣史朗は、実用という意味での機能性よりも、家具という存在がもつ機能に着目した。それがよく表れているのが「引き出し」を取り入れた作品である。引き出しの中には何が入っているのか。そこに寄せられる期待に、倉俣
東京都目黒区にある日本民藝館の所蔵品を中心に、各地の民藝を展示している。民藝運動の立役者、柳宗悦による蒐集の回顧録も交えながら民藝の歴史を辿る。 民藝という概念の根幹をなすのが「用の美」というキーワードだ。民衆の生活に根ざしたデザインに宿る美しさこそが民藝の美であるという。展示品にあった竹の茶碗籠(Ⅱ-2-21)、燭台(Ⅱ-3-19)、芯切鋏(Ⅱ-3-21)などは、用途や制作方法がデザインに与える制約が大きい気がする。そういった「都合」に導かれて顔を覗かせる不意の美しさ
「画家に質問したり感想を伝えたりするように作品を鑑賞する」というコンセプトに惹かれ、訪問することを決めた。 展示されているのは主に神戸にゆかりのある現代の西洋画家の作品である。いくつかの作品にはキャプションがつけられ、そこで作品の一解釈を提示したり、観客に作品の解釈を問いかけたりしている。一般的に博物館では「個人的な解釈」を示すことはタブー視されているのではないだろうか。しかし、西洋画に疎い私にとっては、むしろそれが自分なりの鑑賞をするために役立った。情報を伝える役割に