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声の高さで年収が3,000万円も変わる!? 伝わる話し方で重要な「声の使い方」と相手の感情を動かす声の高低を使い分ける「話し方テクニック」

こんにちは。
kawataです。

人と話をするとき、あなたは自分の声をコントロールしていますでしょうか?
「声をコントロールするって一体どういうこと?」
と思われた方、いらっしゃるかもしれません。

「声のコントロール」とは、話の内容や展開に合わせて
声の大きさ、高さ、質
を自在に変化させることです。

「相手に想いが伝わらない…」
「なんで私が言ってることがわからないの?」
こんな経験ありますよね。
実はこれ、話の内容のせいだけではなく、声のコントロールも関係しているんです

声のコントロールに関しては、アメリカで興味深い研究結果が出ています。
2013年なので、もう10年以上前になりますが、次のような内容です。

デューク大学が792人のCEOを対象に行った研究は、低音を持つ男性CEOはそうでないCEOと比べ、より規模の大きな会社を経営し、1年で18万7000ドル (約2,800万円!(注:1ドル150円で筆者が再算出し書き換え) ) も多く稼ぎ、より長い間、トップの座を守れる、という驚きの結果であった。
(中略)
その結果は、低い声にカリスマ性がある、という説を裏付けるものだっただけでなく、高い声と低い声を使い分け、声に幅がある人は、より強いリーダーシップが期待できるというものだった。

https://toyokeizai.net/articles/-/65065

まとめると、

  • 声が低い人は会社のトップに君臨でき、年収が約3,000万円高い

  • 声の高低を使い分けられる人はリーダーシップを発揮できる

ということになりますね。つまり
声の高低を使い分け、低い声を効果的に使えば、人がついてくる
そして年収を約3,000万円も多く稼いでいる

んです。

CEOを対象とした研究ですが、CEOでなくても声の高低を使い分けられると相手に話が伝わりやすくなります。

ところで、この研究に対して
「なぜ、声が低い人はトップに君臨できるのか」
「なぜ、声の高低を使い分けられる人はリーダーシップを発揮できるのか」
しっかりと考察して説明したり、どうやったら声の高低を使い分けられるようになるのか、解説してくれる人、なぜかいないんですよね。

結果だけ見て
「そうなんだ!じゃあ実践しよう!」
とみなさん考えてしまうのでしょうか。

しかも、この結果だけ抜き出して
「低い声で話せ!」
「声の高低を使い分けろ!」
と言ったり、ただ
「テクニック教えます」
っていう人がいるのも事実です。

でも、それは本末転倒です。

「なぜ声の高低を使い分け、低い声を効果的に使えば、人がついてくるのか?」
という本質を理解して声の高低を使い分けないと、どこかでボロが出ますし、
「間違って理解して覚えて実はうまく使えない」
といったことが起きてしまいます。

これは悲劇です。
なぜなら、高い声で話すべき内容を低い声で話すと、結果が正反対になり、最悪の場合は信頼を一瞬で失います。

今回は、今まで20年以上人前で話すお仕事をさせていただきながら、3,000人以上支援してきた私の経験から、
「なぜ、声が低い人はトップに君臨できるのか」
「なぜ、声の高低を使い分けられる人はリーダーシップを発揮できるのか」
をご説明し、
声の変化をコントロールすること、
そして声の高低を利用した、相手の感情を動かす話し方の一番簡単なテクニックをお伝えします。

最後までお付き合いいただきますと幸いです。


まず、
「声」を決める3つの要素をご説明し、その後
声のコントロールについて解説いたします。


声をコントロールする

声の何をコントロールすれば良いのでしょうか。

声のコントロールを考えるために、まずは「音の三要素」というものをみてみます。

音の三要素

音の三要素とは、

  • 大きさ

  • 高さ

  • 音色

です。

小学校や中学校で習った記憶がある人もいらっしゃるかもしれません。

音は

  • 大きい小さいという要素

  • 高い低いと言う要素

  • 音の感じや雰囲気という要素

の3つが合わさってできているというものです。

声は音ですよね。
なので声にも大きさ、高さ、音色があります。

  • 声の大きさは大きな声、小さな声

  • 声の高さは高い声、低い声

  • 声の音色は勢いのある声や穏やかな声など

です。

つまり、

声をコントロールするとは、大きさ、高さ、音色、これら3つの要素をコントロールすることなんです。

この記事では、声の3つの要素を「声の三要素」と呼ぶことにします。

それでは、大きさ、高さ、音色をそれぞれ簡単にご説明します。
今回は声の高さがメインですので、大きさと音色の紹介は少しだけにさせていただきます。

ではまず、声の大きさを見てみましょう。

1  声の大きさ

声の大きさは、声の大きい、小さいです。

  • 静かな場所では小さく話す

  • 賑やかな場所では大きく話す

といったように声の大きさをコントロールされる方、多いと思います。
あなたはいかがでしょうか。

もしかしたら、

  • 怒る時は声が大きくなる

  • 自信がない時に声が小さくなる

ということもありますよね。

声の大きさは、上の例だけでなく、時と場合によって変化をつけた方が良いんです。

声の大きさを変化させることで相手の注目を惹くことや、強いメッセージを発信することができますので、大きさの変化も意識してみてくださいね。

大事なのは、大きいか、小さいかではなく、変化です。

次に、声の音色をみてみましょう。

2 声の音色

「声の音色」というと、あまりピンとこないかもしれません。
一言でいえば「声の質」のことです。
今回は音の三要素「音色」と対応させるため「声の音色」で統一します。

声の音色は一人ひとり違います。
音色は、声帯の形や大きさ、鼻の奥(副鼻腔)や口の中の大きさ、骨格で決まります。
人それぞれ声の音色が違う理由は、これらの形や大きさが一人ひとり違うからなんですね。

では「音色を変えることができないのか」というと、そうではありません。
ある程度変化させられるんです。

変化させ方のひとつとして、「息のスピードを変える」というのがあります。

ざっくりいうと、息のスピードが

  • 速ければ勢いのある声

  • 遅ければ穏やかな声

になります。

他にも「腹式呼吸をする」「息を鼻に抜いて声を出す」など、いくつか方法はありますが、一番楽に変化をつけやすいのが息のスピードです。

息のスピードを変えて、声の音色が変化することを意識していただければと思います。

そして、今回のメインは声の高さ。
いよいよ年収3,000万円アップのからくりをご紹介します。

3 声の高さ

声の高さは声が高い、低いです。
あなたは、普段何気なく変化させていらっしゃると思います。
例えば、

  • 電話口は声が高くなったり

  • ヒソヒソ話をするときは低くしたり

声の高さを意識的に変えるのが難しいと思っていらっしゃる方、多いです。
でも実は、普段から無意識に声の高さを変えて話しているんです

なので、
無意識に変えているを、意識して変える
にしてみてください。

  • 高い声で話してみよう

  • 低い声で話してみよう

と考えて話すことで、だんだん声の高さを意識して変えながら話せるようになってきます。

声の高さといっても、どのくらいの高さの幅があれば良いのか、気になりますよね。

結論は、幅が大きければ大きいほど良いです。
なぜなら、変化の幅が大きいほど変化をつけたときの効果が大きくなるからです。

有名な歌手の方でセリーヌ・ディオンさんがいらっしゃいますが、彼女は5オクターブの声、マライア・キャリーさんはなんと7オクターブもの声をお持ちということです。
これだけ変化させられるのですから、それはそれは、聴き手を魅了しますよね。

このおふたりは凄すぎるとして、普通、人はだいたい2~2.5オクターブの高さの幅(声域)を持っています。
でも、カラオケで歌うときはいいですけど、日常の会話で2オクターブも変化させたら少し不自然です。
(あえてその不自然さを利用して相手を惹きつけることもできますが、少し高度なテクニックなので、機会があれば別の記事でお伝えいたしますね。)

では、日常の話す場面で高低差の幅をどのくらい変化させれば良いのでしょうか。

目安は
1オクターブ
でOKです。

あなたが持っている声域の半分の幅で変化させれば良いということです。
半分なので、実は結構簡単に声の高さを変化させられるのですが、意外とみなさん、意識して変化させないんですよね。

もし、
「1オクターブがどのくらいの幅なのかよくわからない!」
という方は、ピアノなどの鍵盤で確認しながら、1オクターブの変化がどのくらいかチェックしてみてください。

「ピアノなんか持ってない!」と言う方も安心してください。
無料の鍵盤アプリがあります。
使ってみてくださいね。
現代って、本当に便利になりました!

音の三要素ならぬ声の三要素、ご説明いたしました。

次に
声の高低を使い分け、低い声を効果的に使えば、人がついてくる
を深掘りしていきましょう。

声の高さをコントロールする重要性

まず、声の高さが聞き手に与えるイメージは次のようなものです。

声が高いと

  • 親しみやすさを感じる

  • エネルギーを感じる

  • 注意を惹きつける


声が低いと

  • 説得力を感じる

  • 信頼感を感じる

  • 威厳を感じる

一言でまとめると、
高い声は注目を集め、低い声は納得を引き出す
傾向があります。

例えば、お笑い芸人と内閣総理大臣で比較してみましょう。

お笑い芸人はほぼ全員高い声で話しますよね。
明石家さんまさんがいい例だと思います。
もしも、明石家さんまさんが超絶低い声で「なんでやねん!」
って言ったとしたら、どうでしょう。
多分笑えないですよね。
(それはそれで面白いかもしれないですが、笑)

逆に、内閣総理大臣が明石家さんまさんのような声の高さで話したらどうでしょうか。
何だか信頼できなさそうな気がしませんか?

決して明石家さんまさんが信頼できないと言っているわけではありませんし、内閣総理大臣が信頼できると言っているわけではありません。

お笑い芸人の方は、高い声が
親しみやすい
エネルギーを感じる
注意を惹きつける

ことをわかっているので、高い声で話しています。
もちろん、話し方のトレーナーがいて、教わるからできるんですけどね。

逆に、内閣総理大臣のような説得力、信頼感、威厳が必要な人は低めに話すことで、説得力や納得を引き出すように話しているんです。

もちろん、声の高さは人それぞれ違います。
もともと声が高い人も低い人もいます。
コントロールできる範囲で高く話したり、低く話したりしているんです。

ただ、最近の歴代内閣総理大臣は声が高めに感じているのは、私だけでしょうか。
もう少し低い声で話してもいいのではないか、と思っているのですが、あなたはどう感じていますか?

その点で言うと、アメリカの大統領はコーチから相当トレーニングを受けていて、低い声で話すように徹底されてるように感じます。
頭と顎を引いて低い声が出しやすいようにコントロールしながら話していると私の目には映っています。
さすがだなと、いつも思いながらスピーチを聞いています。

トレーニングを受けることってすごく大切だなとつくづく思います。

ちなみに、アメリカ大統領には10人前後のコーチやメンターがついているとのこと
世界トップクラスの人にも、コーチがいるんですね。
ひとりでは解決できないから、その道のプロに相談しながら要職を務め上げている、ということですね。

それでは最後に、声の高低で相手の感情を動かすためのテクニックを解説いたします。

声の高さを変えて相手の感情を動かすためのテクニック

大前提として、
相手の感情を動かすために必要なことは、聞き手を飽きさせない工夫です。
工夫とは、話し方に何かしらの変化をつけることです。

話し方に変化をつける方法はいろいろありますが、
声の大きさ、高さ、音色を変えることで実現できます。
声の三要素を変化させることで聞き手が飽きないようにできるんです。

よく、聞き手を飽きさせないために「抑揚をつけて話しましょう」と言われます。
抑揚をつける方法にもいくつかテクニックがありますが、声の大きさ、高さを変えることで抑揚がつけられます。

より自然な抑揚になるのは、声の高さを変えることです。
つまり、声の高さを意識して変化させることができれば、相手を飽きさせない話し方が実現できるんです

ちなみに、声の大きさで抑揚をつけると、威圧的なイメージがついてしまったり、音量差で疲れてしまったりします。
声の大きさで抑揚をつける場合は、過度になりすぎないようにご注意くださいね。


それでは、いよいよテクニックをご紹介します。

簡単にできる、声の高さを変えて相手の感情を動かすテクニック

次の点を意識して、話の全体のどこを低い声で話せば良いかだけを考えて実践してみてください。
それは
相手に一番伝えたいところを低い声にする
です。

なぜなら、声が低いと

  • 説得力を感じる

  • 信頼感を感じる

  • 威厳を感じる

のでした。

相手を説得したり、信頼してもらいたいときは低い声で話します。

具体的には、話の結論や主張、考えや思いを伝える言葉を話すとき、低い声で伝えるようにします。
それ以外は高めの声で話すようにしてみてください。
これだけで、相手にあなたの感情が伝わりやすくなります。

ぜひ一度使ってみてくださいね。
びっくりするくらい伝える力がアップしますよ。

一言一言に変化をつけられれば無敵になれる

できれば、相手に伝えたいあなたの感情に応じて、常に変化させると良いです。
なぜなら、一言一言に変化をつけることができれば、話す全ての言葉に

  • 抑揚をつけることができ

  • 伝えたい印象にピッタリな声の高さにでき

  • 聞き手が一言一言に納得・共感できる

話し方が実現できるからです。

少しマニアックな例で恐縮です。
私は昔、音楽をやっていました。
大学の時、合奏中に先生が言われたこと、今でもよく覚えています。
「上手い演奏家ほど、細かい音符を丁寧に弾くんだよ、伝わらないからね」
(わかりやすく伝えるため、言い換えています)

「確かにそうだなぁ」と思いながら聞いていたのですが、先生の言葉を心から感じることができたのは、今から10年ほど前、ウィーン国立歌劇場の演奏を聴いた時でした。
冒頭の8小節で感極まってボロボロと涙したこと、今でも鮮明に覚えています。

なんという表現力、一音一音に魂が乗り、尋常じゃないくらい訴えかけてくる

最初の8秒で私の感情を最大限動かして泣かせるだけの伝え方ができる。
世界一流といわれるゆえんはこれか、と腑に落ちた瞬間でした。

音楽を例に出しましたが、
言葉で伝えることも、音楽で伝えることも、音で伝える点では同じです

  • 音楽では、一音一音に感情を乗せて伝えることで、相手の感情を動かすことができる

  • 言葉では、一言一言に感情を乗せて伝えることで、相手の感情を動かすことができる

一つひとつの言葉に変化をつける重要性が少しでも伝われば幸いです。

ただし、これは高度なテクニック。
いきなり実現するのは大変です。
先ほどお伝えした簡単にできる方法を、まずは利用してみてください。
そして、慣れてきたら「一言一言に変化をつけてみる」を実践してみてくださいね。
これができると、あなたは最強の伝え上手になれます

なお、言葉に感情を乗せることに関しては、前の記事で紹介していますので、そちらもご覧ください。


声が年収に関係する理由 まとめ

最初に、

デューク大学が792人のCEOを対象に行った研究は、低音を持つ男性CEOはそうでないCEOと比べ、より規模の大きな会社を経営し、1年で18万7000ドル(約3,000万円!)も多く稼ぎ、より長い間、トップの座を守れる、という驚きの結果であった。(中略)その結果は、低い声にカリスマ性がある、という説を裏付けるものだっただけでなく、高い声と低い声を使い分け、声に幅がある人は、より強いリーダーシップが期待できるというものだった。

という研究結果をご紹介しました。

低い声は
説得力を感じる
信頼感を感じる
威厳を感じる

ため、相手の行動変容を促しやすいのです。

結果、
声が低い人は会社のトップに君臨でき、年収が約3,000万円高い
ということになるわけです。

そして、高い声も使えて、声の高さを自在にコントロールできる人は、ここ一番で低い声を使うことでより説得力が増して、
声の高低を使い分けられる人はリーダーシップを発揮できる
につながるというわけです。

そして何より、
声の高さで抑揚をつけ、相手が飽きない話し方ができる
ことも大きなメリットです。

まずは話の結論や主張、考えや思いを伝える言葉を低い声で話すように心がけていただいて、伝える力がアップすることを体感していただければ嬉しいです。

実践することで、年収3,000万円アップ、本当に実現するかもしれません!

※補足
話し方や伝え方のコーチングでは
話すスピード、間、アクセント
の3つもコントロールするようお伝えする時があります。
これは音ではなく話し方の三要素ですので、
機会がありましたら、また別の記事でご紹介しますね。

最後に

最後までお読みくださり、
本当にありがとうございました。


それでは、またお会いしましょう!

あなたの想いが相手に
本当に伝わることをお祈りしております。


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