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相手に使って欲しい言葉
突然ですが…
子供には汚い言葉、使いませんよね。
お子さんがいらっしゃる方は特に気をつけていると思います。
なぜ気をつけるのか?
真似をすると困るから。
音って真似しやすいし…
子供って耳がいいし…
大人が書いた文章やメッセージを子供が読んだからといって、すぐには真似しませんし、できませんが、音は頭に残りやすく真似しやすい。
これは「言語習得」でも同じことが言えます。
人が発している言葉は真似やすいし、真似たくもなる。特にその言葉の良し悪しの判断が曖昧な子供なら、なおさら。
だから、皆さん子供に対して発する言葉には気をつけるんですよね。
『すぐ真似しちゃうんだよ、うちの子…』
『すぐ真似するから言葉遣いに気をつけてよ!!』
これ、「ノンネイティブの言語習得」 でも同じなんです。
彼らは我々の言葉を注意深く聞いて必死にキャッチしようとしています。
ネイティブが使っている=使っていい
ネイティブが使っている=ネイティブ日本語
こんな認識で耳にした日本語をそのまま使っている人、多いんです。我々も映画のセリフで覚えたものを海外旅行で使ったりしますよね?
でも、皆さんもご存知の通り、日本語って複雑です。
相手との関係や距離、場面、公私、親疎…
色々な要素が絡みます。
多くの条件を ”計算した” 結果の「発話」になっているはずです。だから真似ただけで使うと、「ん?」と思う場面も出てくるわけです。
彼らとの “円滑なコミュニケーションと共生” という視点で考えると、
・彼らが使っても彼ら自身の評価が下がらないように…
・彼らと自分との良い関係構築のために…
ネイティブである我々は、自分の使う日本語にもう少し気をつけてもいいのではないかと思うのです。
日々外国人の方と接することが多い、彼らと日本語でのやりとりが多い、社内に外国人材の方がいる、という方に是非覚えておいていただきたいこと。
『自分に対して使って欲しい日本語を相手にも使う』
もったいないですよね。
その人の印象が「日本語の使い方」で判断されてしまっては。
だから、我々がちょっとだけ気をつけて見本を見せませんか?
「その日本語、素晴らしいね!」
「〇〇さんが使っていたので…」
こんなふうに使ってくれたら嬉しいですよ、きっと。
今後、ダイバーシティ化が進むであろう日本社会では、共存のために必要なマインドであると思わずにはいられません。