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「あなたは?」
数日前、子供に言われてドキッとしました。
えっ、2歳になったばかりで「あなた」???
思わず「え、パパのこと?」と聞き返してしまいました、2度。
どうやら保育園(?)で覚えてきたようです。
でも、なんで自分はドキッとしたのだろう、とふと思いました。
職業病ですね、常にこんなことを考えてます。
「あなた」って語彙だな、絶対。
すごい違和感です。
「あなた」という言葉。
使う機会を考えてもすぐには浮かばないので、
かなり限られた場面でしか使わない言葉なのだと思います。
では、なぜ使う機会が少ないのか…?
友達には使わない
家族にも使わない(奥さんは夫に使う?)
目上の人には失礼
知らない人にも失礼
ビジネスでは命取り
じゃ、どこで使うんだ!
まずこれが理由の一つとしてあげられます。
使う相手がいない。
加えて、日本語には主語を言わないという言語習慣もあります。
「あなた」も例外なく省かれます。
省かれるというよりあえて使わないと言った方が適切ですね。
相手を呼ぶ時は、名前か役職、役割。
または何も言わない。
ただし、何も言わない場合は
「あなたに向かって話しているんですよ〜」
「あなたですよ〜」
という何らかの非言語のメッセージをお互いが共有した上で会話を進める必要があります。
文字にして説明すると長くなりますが、私たちはこんなことを「自然に」、そして「一瞬で」やっているんですね。
すごいですね、ハイコンテクスト。
日本語は人称も独特です。
一人称を二人称として使うこともあるし、
役割名を二人称として使うこともある。
小さい男の子に「ボク〜」
知らないおばちゃんに「おかあさん!」
知らないおじちゃんには「おとうさん!」
知らない女性にも「おねえさん」
「あなた」を使わない理由の一つとして、
役割名でいう習慣があるというのも大きいと思います。
日本社会に根付いている上下関係というものが
背景にはあるのかもしれません。