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「インプレ」スクアドチニングベイトモデル SKC76MLを1シーズン使ってみた


2023年2月に発売されたレジットデザインのチニングロッドSKC76ML。2月に購入し、冬→春→夏→秋と1シーズン通して使用したので使用感をまとめてみました。


2月 デビュー戦
4月 ボートチニング
9月 チニングの大会

(適正リグウェイト、感度、操作感等のファーストインプレッションの記事も以前に書いたので、先にこちらを読んでいただけると嬉しいです。)

・スクアドの特徴

SKC76MLはズバリ「曲がって粘るロッド」です。曲がると言ってもベロンベロンなわけでもスローテーパーのロッドのように根本から曲がるのでは無く、強い負荷を掛けた瞬間に深く曲がり込むようなイメージです。

では、そもそもなぜスクアドは曲がるのでしょうか?

上がSKC76MLのスペック

ベイトモデルはカーボン88%とチニングロッドの中ではカーボン含有率が低め。

レジットデザインのHPより抜粋

これはあくまで個人の見解ですが、スクアドは24tの中弾性寄りのカーボンをベースにアラミド繊維をプラス。調子もミディアムファーストテーパーのブランク設定になっていますので、これが粘りのある曲がるロッドの要因になっているように感じます。
(ちなみに軽量高感度が売りの23シルベラードのブランクで使用しているトレカT1100Gは弾性率約32tの高弾性カーボン)

では、このスクアド特有の曲がるブランクにはどんなメリットがあるのでしょう?

メリット

1.キャストが容易

高弾性カーボンを使用した張りのあるロッドは、しっかり曲げて振り抜けば飛距離を出せますが、ベイトタックルの扱いに慣れてない人にはしっかり曲げ込むのが難しく、また復元力も強いのでリリースタイミングがややシビアになり、飛距離を最大値まで出せていないという事があります。
(初心者だけではなく中級者以上でも意外とブランクの曲がりを使い切れてない)
一方、中弾性寄りの曲がるブランクだとロッドを振りかぶった際に容易に曲げ込む事ができるのでキャストが決まります。またリリースタイミングもあまりシビアにならず、多少タイミングがズレてしまってもそれなりに飛距離が出せてしまいます。
つまりキャスティングに対して懐が深いと言えます。
この懐の深さがこのロッドのキモで、キャスティング技術が必要になる強風下での釣りや、足元が不安定なボートやカヤックの釣りでとても有利に働いてくれます。
急に強い横風が吹いた、ふいに艇が揺れた等、キャスティングフォームが崩れた瞬間に高切れやバックラッシュ等のライントラブルは発生しますが、多少キャストが雑になったとしてもこのブランク特有の懐の深さでリグをポイントまでしっかり届けてくれます。

2.牡蠣瀬を攻略できる。

根がキツイ牡蠣瀬ではソリッドティップより張りのあるチューブラーの方が根をかわせるので有利です。
ただ張りがあるだけのチューブラーロッドだと根をかわせても魚からのバイトも弾いてしまいます。そこで効くのがミディアムファーストテーパーのブランク。チューブラーの張りで根をかわしつつ、バイトがあると食わせしろのあるテーパーのおかげでバイトを弾かず魚の口の中にワームが入ってくれます。

また、高弾性ファーストテーパーのロッドはある程度の魚の引きはベリーでいなしてくれますが、急な魚の突っ込みに対してはロッドの曲がりのピークがすぐに到達してしまうのでドラグを出したり、クラッチを切って魚の勢いを逃がす必要があります。
しかしスクアド特有の曲がるブランクは魚の急な突っ込みに対して深くロッドが曲がり込み魚の勢いを受け止め、そこからアラミド繊維を使用したトルクの有るブランクの復元力で魚を浮かせるので無駄に魚を走らせることなくキャッチする事が可能です。
これは根が荒くラインブレイクのリスクの高い牡蠣瀬エリアでとても心強いです。

3.スイープなフッキングが決まる。

チニングはバスフィッシングのような鋭いフッキングをすると口の硬いところに針先が当たってしまい、フックが折れたり曲がったりしてしまいます。これを防ぐには口の中の柔らかい部位に滑りこませて深く突き刺すようなスイープなフッキングが必要となります。
エキスパートな方々はこれを容易にこなしてしまいますが、チニング初心者〜中級者の人はチヌのバイトに対してうっかり強いフッキングをしてしまいがちです。
ここでも効くのが曲がるブランク。ついうっかり強めのアワセを入れてしまってもミディアムファーストのテーパーがじわーっとパワーを伝えてくれるのでフッキングパワーをスイープなものに変換してくれます。

デメリット

しかし、そんな曲がるブランクにもデメリットがあります。じわーっと曲がるテーパーが仇となり、シェイクや弱めのボトムバンプ等の点のアクションがソリッドティップのロッドに比べるとやや苦手なように感じます。
(慣れればできますが、得意ではないという印象)
逆にスイミングやズル引きといった横のアクションとの相性は抜群です。

どんな人にSKC76MLはオススメ?

・0.6号以下の細糸PEで攻めたい人
・根が荒いフィールドで釣りをする人
・足元が不安定なボートやカヤックで釣りをする人

以上が、1シーズンスクアドSKC76MLを使った感想です。

軽量で高感度なロッドは持った時のフィーリングで「感度が良さそう」「シャキっとしてる」等良さが伝わりやすいですが、スクアドのような負荷を掛けて初めて真価を発揮するロッドは店頭ではなかなか良さが伝わらないかと思われます。
この記事が少しでもロッド選定の参考になったら幸いです。

軽量高感度なチニングロッドとは一味違う、曲がって粘るチニングロッドスクアドSKC76MLをぜひ皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか?


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