[データドリブンなデザイン制作の扉を開ける] Adobe XD と他社のプロトタイピングツールの大きな違いは、機械学習が稼働していること
短く雑感を書きます。
今、XD基礎編に情報を追加するために、資料をまとめているのですが、あらためてXDの開発スピードに驚かされます。12月でバージョン15になる予定です!
Adobe製品の中でも優先して巨額投資してますから、当然なのかもしれませんが(Museのリストラも無関係ではありません)。
Adobe Careersを見れば、どういう人材を集めているのかわかります。
よく他社のプロトタイピングツールと比較されますが、一番の違いはXD(Creative Cloud製品群)が乗っかっている基盤には機械学習(Adobe Sensei)が稼働していて、同じプラットフォーム上にあるデジタルマーケティングのソリューション(Experience Cloud)と密接に連携できる仕組みになっていることです。
さらに、年内にはAPIと開発プラットフォームが公開されますから、早々にエコシステムが構築されます。
XD単体は常にダイエット状態で「軽快に動く」パフォーマンスをキープして、XDを使う人が自分の仕事に合わせて必要なプラグインを追加していくことになると思います。
少しずつ筋肉をつけている感じで、ムキムキのオールインワン製品にはならないと言うことです。
下図はPhotoshopとXDのツールの比較ですが、これを見れば一目飄然。XDのツールは、プレビュー版→ベータ版→正式版とほとんど変わっていませんので、明らかに作図や画像処理は「IllustratorやPhotoshopとの連携」が前提になっていることがわかります。
XDは、CreativeSyncテクノロジーがベースの次世代アーキテクチャで開発されているプロダクト(角が丸いアイコンのアプリ)ですから、クラウドを介した他製品との連携は基本仕様と考えてよいでしょう。
何より、私たちにとって嬉しいのは、XDを拡張できるようになることです。
XDは、新しいアーキテクチャ「UXP(Unified EXtensibility Platform)」の最初のCreative Cloudアプリケーションになりますよね。
※既存のCEP(Common Extensibility Platform)は、PhotoshopやDreamweaverなど10以上のCCアプリケーションの拡張機能開発に使われています。UXPはCEPのいくつかの技術を借りていますが、CEPが抱えるさまざまな問題に対処しています。
Adobe Sensei サービスも公開されます。
参考:Adobe Senseiサービス(プライベートベータ)アクセス申請
デザインの解析データをXDで反映させたり、Content-Aware Layout(コンテンツに応じたレイアウト)を使ってXD上のレイアウト作業を自動化したり、他社製品のプラグインとは異なるレイヤーで発想できそうです。
Adobe Summit やAdobe MAXで披露されていた、XD(+ Adobe Sensei)のSneakデモがヒントになるかもしれません。いきなり、あれが実現しなくても「データドリブンなデザイン制作の未来」にはかなり近づくでしょう。
例えば、この「Master Plan(マーケティングミックスプラン二ングAI)」で得られるデータの蓄積はプロトタイピングでも共有できますからね。
引用(Adobe Senseiを活用した最新テクノロジーをSummit Sneaksで先行紹介):
Master PlanプロジェクトはAdobe Senseiのパワーを活用し、マーケターがこのプロセスをはるかに早く完了させ、他の重要な作業に集中できるよう時間を解放します。サイネージ、電子メール、ソーシャルメディア、モバイル、そのほかの広告チャネルにわたって、関連するアセットから最適なマーケティングミックスのすべてにレコメンデーションが配信されます。さらに、予算などの変更事項がある場合でも、Adobe Senseiがレコメンデーションをリアルタイムに調整します。
まずは、来月にロサンゼルスで開催されるAdobe MAXに注目。
すでにいくつかの情報は公式ブログなどで予告されていますが、MAXでは全貌が明らかになるでしょう。
開発者だけでなく、デザイナーの皆さんにもぜひ見てほしいですね
追記:
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投稿者
Creative Edge School Books
投稿日:
2018年9月13日(木)