「エーザイ、レカネマブ『32年度に売上高1.3兆円規模も』」に注目!
エーザイ、レカネマブ「32年度に売上高1.3兆円規模も」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
エーザイは7日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」などに関する説明会を開きました。内藤晴夫最高経営責任者(CEO)はレカネマブの売上高が2032年度にも世界で1兆3000億円規模になるとの見方を示しました。同薬は米国と日本で販売が始まっています。
レカネマブは2024年の4〜6月に欧州での承認取得を見込みます。すでに承認を取得している中国では7〜9月にも発売する予定です。販売地域を拡大し、レカネマブの売上高を2026年度に2900億円、2032年度に1兆3000億円とする目標を明らかにしました。
レカネマブはアルツハイマー病の原因物質とされるたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」を患者の脳内から取り除きます。臨床試験(治験)では症状の進行スピードを27%緩やかにする効果が確認されました。
現在、最終段階の治験が行われている予防目的でのレカネマブ投与についても、承認されれば売上高増の後押しになるとみます。Aβの蓄積があるものの、認知症の症状が出ていない「プレクリニカル期」の人を対象とするもので、治験結果を踏まえてまずは米国で承認申請し「2028年度の承認を目指す」(内藤氏)としました。
内藤氏は「プレクリニカル期の潜在的な当事者は2032年に世界で4億人を超える規模になると推定される」と話し、潜在需要は大きいとみています。プレクリニカル期への投与が承認され、実際に投与が始められれば2032年度のレカネマブの売上高は「1兆6000億円のポテンシャルがある」(内藤氏)としました。
今回の資料には、レケンビ(レカネマブ)価値増大として、Game Changerを6個明記しています。米国におけるNAS(Neurology Account Specialists)の増員や用法用量の変更、血液バイオマーカーの普及などをあげていて、このようなイベントを梃として拡大が続くと想定しています。
また、早期AD(アルツハイマー病)当事者数も2023年の1.8億人から2032年には2.4億人に拡大を予想し、当事者の約70%は中国やアジア・ラテンアメリカに在住しているとのことです。また、投与対象者は2026年度から2032年度で8倍に増大するとの想定です。売上シミュレーションでは2032年度に1.6兆円の売上ポテンシャルを有するとしています。
なお、今回の記者懇談会の表紙は、今年の干支の辰。登竜門に龍がいて、「ADの未来を変える」と書かれています。内藤さんの力強い絵を見ると、今後のエーザイにますます期待したいです。