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「『ザ・ノース・フェイス』で低炭素衣料 三菱商事など連携」に注目!

「ザ・ノース・フェイス」で低炭素衣料 三菱商事やゴールドウインなど連携 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

三菱商事やゴールドウインなどは4日、環境に配慮した合成繊維のポリエステルを使って衣料品を生産すると発表しました。フィンランドの再生燃料世界大手ネステなど8社が連携します。バイオ由来の原料などを使うことで、ナフサ(粗製ガソリン)からつくるポリエステルに比べて二酸化炭素(CO2)排出量を85%以上減らします。

ネステが使用済み食用油などのバイオマス資源からバイオナフサを製造します。これをもとに韓国化学大手やタイ石油化学大手が中間原料を製造。その中間原料を活用し、東洋紡と三菱商事が共同出資する東洋紡エムシーがポリエステルの樹脂をつくります。

このほか千代田化工建設がCO2を化学反応させて中間原料をつくるほか、インド化学企業がサトウキビなどを使った中間原料を提供します。各社の連携で生産する低炭素のポリエステル繊維は、ゴールドウインがつくるアウトドア衣料「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」で7月中に採用される予定です。

プラスチック循環利用協会(東京・中央)によると、国内の樹脂製品消費量は2022年が約910万トンでした。日本政府は2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入する目標を掲げるが、現時点では一部にとどまります。三菱商事は日本国内のプラスチック供給量の2割程度が繊維分野だと推計しており、繊維分野で低炭素プラスチックを供給することが重要だとみています。

今回は、二酸化炭素から直接合成により製造されたパラキシレンの試験品を利用している点、及び、非化石由来のポリエステルを製造する際にサプライチェーン上流の原料・素材製造企業及び下流のアパレル事業者が協業した点で、「世界初」の取り組みになっています。

なお、今回はゴールドウインや三菱商事等の5カ国7企業共同の取り組みです。本プロジェクトにて製造されるポリエステル繊維については、ゴールドウインが日本において展開するブランド、ザ・ノース・フェイスでの採用を2024年7月に計画していますが、その後はゴールドウインが手掛けるブランドでの展開を検討していくとのことです。

三菱商事は中期経営戦略2024で事業活動を通じて解決していく重要な社会課題を「マテリアリティ」として再定義しています。今回の取り組みは、「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」「イノベーションを通じた社会課題の解決」に資する取り組みとなります。

商社ならではの、多くの企業を巻き込んでプロジェクトを進めていき、よりよい社会を目指していく姿勢に、今後も期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。