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「ダイキンと三浦工業が資本提携 工場設備で省エネ提案」に注目!

ダイキンと三浦工業が資本提携 工場設備で省エネ提案 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

ダイキン工業と三浦工業は30日、資本業務提携すると発表しました。互いに約150億円ずつを出資し合って協業関係を強めます。ダイキンは大型空調設備、三浦工業は産業用ボイラーで工場向けに事業展開しています。工場の脱炭素ニーズに対応し、両社の強みである省エネ機器を組み合わせて提案力を高めます。

三浦工業は10月1日付で発行済み株式の4.67%に当たる自己株式をダイキンに売却します。これによってダイキンが三浦工業の実質的な筆頭株主となります。

一方、ダイキンの完全子会社であるダイキンアプライドシステムズ(DAP、東京・港)が三浦工業からの出資を受け入れます。DAPは工場で空調や冷凍設備などを導入する際の設計や工事を請け負うエンジニアリング会社で、出資比率はダイキンが51%、三浦工業が49%となります。

空調機やボイラーなどは工場の中でも比較的エネルギー消費量が多いです。二酸化炭素(CO2)の排出削減が工場の喫緊の課題となる中、両社の持つ省エネ技術を組み合わせた環境負荷の小さい設備の提案が可能になります。

三浦工業は、保守・点検に携わる人材も多く抱えます。ダイキンは空調機などを販売した後のアフターサービスを含むソリューション事業に力を入れており、協業のメリットを生かします。当初は国内の工場向けに共同で機器や設備を提案していきますが、将来的には海外でも連携を強める考えです。

ダイキン、三浦工業の両社が持つ製品や技術・サービスなどの事業ネットワークを活用することで、業種によっては1つの工場で使用される総エネルギーの50%相当に関与することが可能になります。両社は、日本各地の工場で空調や蒸気ボイラ、水処理システムなど熱・空気・水に関するトータルソリューションの提案をワンストップで実施し、工場市場でのカーボンニュートラルの実現に向けた具体的な協業を開始するとのことです。

資本業務提携の背景として、カーボンニュートラル実現をめざし、国や企業での取り組みが加速していることが挙げられます。工場は、電力消費量やCO2排出量において多くの割合を占め、省エネ、再生可能エネルギーを活用した仕組みの導入が必要とされています。

今回の提携によって、ダイキンの省エネ・環境性能が高い空調・冷熱関連の豊富な製品群を軸に、ダイキンアプライドが培ってきたエンジニアリング力をベースにしながら、三浦工業の工場を中心とした顧客への提案や設備運用・サポートといったフィールドサービス力を融合し、工場全体での省エネやCO2排出量の削減等の課題解決につなげることが可能になります。ひとつとして同じ設備のない産業用の熱利用の現場においてさまざまな熱の融通を可能にすることをめざし、熱のゼロエミッションへの挑戦を幅広く加速できます。

お互いの強みを補完し合う提携により、幅広い提案が可能になることに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。