見出し画像

「セブンが電力小売り 再エネ比率4割、グループ外にも供給」に注目!

セブン&アイ・ホールディングスが電力小売り 再生可能エネルギー比率4割、グループ外にも供給 【イブニングスクープ】 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

セブン&アイ・ホールディングス(HD)が電力小売りに参入します。太陽光などの再生可能エネルギー由来の電力を調達し、2025年4月から自社の店舗に供給します。2030年度に国内拠点で消費する電力の再エネ比率を4割台に高めます。取引先など外部への供給も視野に入れます。国内小売業ではイオンに続く動きとなります。

新電力事業を担う100%子会社としてセブン&アイ・エナジーマネジメント(東京・千代田)を設立しました。資本金は4億円。年内にも電力小売りに必要な事業者の登録を完了させます。

セブン&アイ・エナジーが再エネの発電事業者と直接契約します。送配電事業者を経由して、グループのコンビニ店舗などに再エネを供給します。電力の需給管理は、三井物産子会社の三井物産プラントシステム(東京・港)に委託します。

セブンは国内でコンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンや、総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂など約2万3000店舗を構えます。店舗の運営に伴う電力使用量は年約40億キロワット時と日本の電力消費量の0.4%を占めます。

政府は2030年度の温暖化ガス排出量を2013年度比で46%削減し、2050年までに実質ゼロにする方針を掲げます。セブンも2030年度に2013年度比で二酸化炭素(CO2)排出量を半減し2050年度に実質ゼロとする計画です。

セブンの2024年度の国内の消費電力に占める再エネ率は10%にとどまる見込みです。セブン&アイ・エナジーを通じて再エネの調達を増やし、2030年度に再エネ比率40〜45%とする目標を新たに設定します。

電力市場を介さずに発電事業者から直接調達すれば、燃料高で市場価格が高騰しても影響を抑えられます。発電事業者と長期で再エネの調達契約を結んだ場合、大手電力から通常の電気を買うよりも安価で確保できるメリットもあります。

セブンはこれまでに、NTT子会社のNTTアノードエナジー(東京・港)や北陸電力がセブン専用に設置した太陽光発電所から約400店分の電力供給を受けています。これらを含めた電力小売り大手との連携は維持します。

発電事業者から再エネを確保する動きは外資の間でも活発です。米グーグルは伊藤忠商事が出資する再エネ開発企業などと調達契約を結びました。米アマゾン・ドット・コムはコスモエネルギーホールディングス(HD)子会社などと20年間の電力購入契約を交わしました。

電力自由化の拡大に伴い、東京ガスやENEOSホールディングス、丸紅などの異業種による新電力の設立が相次いでいます。経済産業省によると2024年4月時点の電力販売量における新電力の割合は17.5%を占めます。

セブン&アイは重点課題(マテリアリティ)3にて「地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する」と掲げています。

セブン&アイグループ各社が排出するCO2排出量の約9割は、店舗運営のための電気使用に由来しています。セブン&アイは目標達成に向けて「省エネ」「創エネ」「再エネ調達」の3本柱を重点的に取り組むことを方針に、CO2排出量の削減を進めています。また、ユニークな取り組みとしてグループ横断で「省エネコンテスト」を開催し、店舗や事業所での省エネ促進とグループ内での好事例拡大を行っています。

また、太陽光発電パネルを設置したり、CO2排出量の大幅削減を目指す実証実験や「再エネ100%」の店舗運営の実証実験なども行っています。

国内で多くの店舗を持つセブン&アイの電力小売りとしての活躍に期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。