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謝罪文、一部世帯にしか送らず 秋田県秋田市 生活費保護費過支給返還問題

 秋田県秋田市が生活保護の「障害者加算」を誤って過大に支給し、対象者に過去5年の過支給分の返還を求めている問題で、秋田市が誤って過支給した全38世帯のうち、抗議した一部世帯にだけ謝罪文を出し、大半の世帯には出していないことが判明した。返還を求める旨の通知を先行させ、指摘を受けてようやく一部に謝罪文を出すという市の対応に、市民から批判の声が上がっている。秋田市は過支給された世帯全体に謝罪文を出すことを検討している。

 謝罪文は「保護費の算定誤りに係る費用返還について(おわび)」と題するもので、過支給を受けた世帯の一部に9月26日の日付で出されていた。認定に誤りがあった事実とおわびのほか、「保護費については返還を求めさせていいただくこととなります」という一文も記されていた。

 この問題では、過去5年分の返還対象額が最も多い人で140万円に上る。

 秋田市福祉保健部によると、謝罪文は市の説明に「納得がいかない」と伝えた世帯に対してのみ、個別に出すことにしたという。市はもともと、全世帯への謝罪文は出すことにしておらず、8月には「過支給額」や「返還金の取り扱い」などを説明する事務的な文書のみを郵送された世帯もあった。そこには謝罪の言葉はなかった。

 秋田市福祉保健部は「対象の方々に個別に対応する中で、謝罪文をお渡しするのが一部となってしまった。(今は)やはり皆さまにお渡しするものだったと考えており、今後、対象者全員に謝罪文をお送りすることを検討している」と説明した。

 100万円近い返還額を示され、謝罪文を受け取っていない世帯の一人は「返還金のことがあってから、不安で眠れなくなった。現場のケースワーカーさんを責めたいわけでは決してない。ただ自分は謝罪文ももらえておらず、秋田市のやっていることは納得できない」と話す。

 秋田生活と健康を守る会(秋田市)の後藤和夫会長は「秋田市長は『当該世帯に寄り添った対応をしていく』と言っているが、寄り添うどころかむしろ真逆の苦しめるやり方をしている。過去5年の過支給分の返還についても、なし崩しに進めようとしているのではないか」と批判した。
              (三浦美和子)

秋田市役所


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