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【顧問インタビュー#22】冷静な分析と企業を変えて行くという決意と熱情|柳田顧問の教え
はじめまして。
顧問バンク運営事務局です。
顧問バンクでは、企業様と顧問様をマッチングするプラットフォームサービスを運営しています。この度、登録顧問数は9,500名を超え、より多くの方々にご利用いただき、ビジネスの発展に役立てていただいています。
しかし今までは登録いただいている顧問様を知っていただく場をご用意できていませんでした。そこで、改めて登録顧問の方々の魅力や実績をより多くの方々に知っていただきたいと考え、直接顧問へインタビューを行い、その内容をご紹介していくことになりました。
柳田顧問に1問1答形式で、成功する企業の特徴や、これまでのキャリア、顧問としての役割、さらに企業成長のためのアドバイスを深掘りしています。企業の成長と成功を目指す方々にとって、必読の内容となっています。ぜひご一読ください。
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💡 柳田昌作
1977年大学卒業後、大手銀行に入行。以後37年間金融機関に勤務し、営業、企業審査、出向(3社)等を含め多様な業務に携わる。その後9年近く中小企業経営を担い、代表取締役として業績不振会社の再建に尽力、複数事業展開会社の常務取締役として経営戦略を担当する。現在では、自身の経営する柳田経営コンサルティング株式会社にて、経営コンサルティングを展開している。
01. これまでのキャリアについて
Q.現在どのような仕事をされていますか。
各企業の抱える課題解決を支援するために、経営コンサルテイング業を展開しています。
Q.これまでのご経歴についても教えてください。
1977年大学卒業後、日本興業銀行に入行し、以後37年間金融機関に勤務(日本興業銀行23年、日本政策金融公庫14年)。営業、企業審査、出向(3社)等を含め多様な業務に携わる。その後9年近く中小企業経営を担い、代表取締役として業績不振会社を再建(6年11ヶ月)、複数事業展開会社の常務取締役として経営戦略を担当してきました。(1年8か月)。
Q.ご経歴の中で特に印象に残っている成功体験はありますか?
01.多業種展開の中小企業(2022年~2023年)
経営移譲した相談役(父親)から、社長(息子)の経営のサポート役を依頼され入社。同社はグループ売上25億円、社員150名。社歴97年。搬送機器/物流代行/倉庫業/カーAV取付キット/プリント基板設計開発・実装/化粧品事業等多様な事業を展開する。
(1)企業経営的視点を持った社内体制の構築を指導、自身の人脈を活かした 営業開拓支援、M&A候補案件の選別に取組む。
(2)個人商店的経営から組織的な企業運営へ向けた諸施策を提案、指導。決裁 権限規定・職務分掌規程の作成による権限移譲・社員の育成/会社法に準 拠した企業運営/コンプライアンス遵守の態勢整備/連結経営視点を 持つための連結決算作成指導等。
(3)事業部門毎に、事業戦略の構築、中長期短期両面からの課題把握とその フォロー体制、取引先企業の見方、商品別損益管理手法、在庫分析手法等 を指導。
02.スポーツ用品メーカー (2015年~2021年)
(1)入社前に同社管理職、一般社員、OB等20人以上にヒアリングを行い、同族系企業特有の公私の混同、意思決定プロセスが不透明、取締役会が機能せず、権限責任体制が未確立、損益管理(部門別、商品別)が未整備、人事評価の不透明性等の課題を把握、社内改革に着手。
(2)会社が組織として機能するために、経営戦略会議を立ち上げ、重要な経営事項を全て此処で審議する他、営業戦略会議、営業技術会議、グループ工場会議により社内の問題を網羅的に把握。そのた個別課題毎に委員会を立ち上げ、課題解決のスピード化とそのプロセスを透明化。
(3)中期経営計画の策定・実行により黒字化を定着。ISO9001の取得、統合的管理システムの開発導入、社外取締役の導入を進め銀行の評価を得て行内格付けを引き上げ、協調融資による資金調達の安定化と金融コストの低減を実現。
(4)少子化による国内市場縮小を見越し、海外への軟式ボールの普及をトップ率先で進める。少子化による国内市場縮小を見越し、海外への軟式ボールの普及をトップ率先で進める。海外での公認球指定。
(5)ゴム製品の新たな開発を進め(オリンピック採用のバドミントンコート、WBSC(世界連盟)が定める野球・ソフトボールに続く第3の正式競技「Baseball5」の公認球開発を進め、スポーツ用途以外にも、ゼネコン向けの漏水チェック用、良質の皮革を得るための豚のストレス発散用、医療向けにゴムボールの活用を進める。
03.日本政策金融公庫(農林漁業金融公庫)(2000年~2014年)
都市銀行の再編時期に、農林金融公庫から興銀に人材獲得の申入れがあり(営業と審査業務の経験者)、出身行からの移籍第一号となる。
(1)農林水産業・食品産業向け融資を担当(支店課長)。
本店融資第三部(主任調査役)で公庫機関紙に国産農作物を使う食品加工流通業者を紹介。
(2)本店調査室長:政策金融改革における農林水産事業部門の独立存続に向けた活動に総裁指揮の下に加わる。米国の農業金融の実態を調査、その結果を政策金融改革に反映。農林金融専門の大学教授との定期意見交換会開催。調査機関紙(論文掲載)の編集。論文集を発行。
(3)基幹支店長:日本の農林漁業の中心地である地域を管轄する基幹支店担当。公庫初の大学との業務提携契約を締結。
(4)総裁付主任調査役:公庫最後の年史「改革の歩み」を実質一人で、1年で書き上げ発行する。
(5)監査部検査役:内部監査業務を担当
(6)出資証券化支援室:出資形態での優良農業法人の支援活動を展開。全国の地銀を回り、地域別に共同出資の実績を積み上げる。
04.日本興業銀行(1977年~2000年)
企業審査(本店、神戸、富山)、法人営業(本店営業部)、出向(3社)を担当。
(企業審査)
大型融資案件の分析評価、業況不振会社の審査、企業保有資産の担保評価、地銀への出張研修、若手職員向け企業審査研修等を担当。
(法人営業)
(1)大手海運業向け融資担当。業績不振会社の再建支援、海外仕組船ローン、三光汽船破綻に伴う海外船主(イラン)との債権回収業務等担当。
(2)放送(NHK、フジテレビグループ)・通信業(国際、長距離、移動体通信)・ JT(日本たばこ産業)を担当。 NHKの海外放送事業を支援、NHKと初となる長期融資成約、フジサンケイグループのM&A融資、節税レバレッジドリース営業、グループ各社との取引深耕、JTの事業の多角化推進支援
(3)出向
①石油資源開発株式会社(東証1部上場、1986~1988年) 中国大陸棚海洋石油開発プロジェクトを担当。 米国オイルメジャーと共に中国政府との石油契約交渉担当。アラビア石油、日本鉱業とのJVは日の丸原油として出油に成功。
②株式会社アイ・エヌ情報センター(1993~1995年、興銀と日興証券のJV)経済・金融データベース事業)。DBの外販(特に外資系向)を本格的に進める。
➂(一財)民間都市開発推進機構(1998年~2000年、建設省所管の都市開発実施機関) バブル期に導入された不動産融資規制により、都心で虫食い状態になった土地の買い上げ、開発が滞った優良土地を買い上げ、主査として都心部の再開発を進める。
Q.今だから思う「成功した理由」はなんだと思いますか?
(1)興銀で企業審査業務を経験して企業を見る目を養い、複数の企業(出向等)で多様な業務を経験し、幅広い視点から物事を捉え判断できるようになったこと。
(2)興銀での経験を活かして、経営の現場で長期経営不振企業の再建を果たしたこと。
(3)国際的な交渉の場を経験し、実務面での英語力をつけたこと。
(4)実務の専門性を高めるために、関連資格を幅広く取得してきたこと。
(5)業界団体、地域のまとめ役を経験し、利害関係者との調整役を果たしたこと。
Q.今後挑戦していきたい仕事や目指している目標はありますか?
自身のこれまでの経験と知識を、スタートアップ企業の資金調達、営業開拓支援、業績不振会社の立て直し、事業承継に悩む会社の支援に役立てたいと考えています。
02. 顧問バンクについて
Q.顧問バンクに登録したきっかけはなんですか?
課題解決に悩む企業との出会いを求めて登録しました。
Q.顧問としてどのような企業やプロジェクトに関わってきましたか?
今年7月に会社を設立して間もないため、顧問としての実績はそれほどありませんが、営業開拓支援、資金調達支援に関する業務委託契約、顧問契約を結びました。
Q.顧問として特に力を入れている点はありますか?
資金調達支援、営業開拓支援、企業再建支援、事業承継支援などです。
Q.今後の顧問活動の目標やビジョンはなんですか?
スタートアップ企業支援、海外展開に取り組む振興企業、地方の地場産業の活性化、日本に残さなくてはいけない技術を持つ企業の支援等、社会的に意義のあるコンサルタント業に取り組みたいと考えています。
Q.新たに取り組んでみたいプロジェクトはありますか?
大学発のスタートアップ企業の育成発展に関わりたいと思います。
03. 顧問バンクを利用されている企業へ向けて
Q.中小企業やスタートアップ企業で、特に重要視すべき取り組みや戦略はありますか?
顧問バンクに登録されている顧問の方々は、経験豊富な方々ですので、依頼する事項を自ら絞り込まずに、企業として抱える課題、解決したい問題点などを、具体的・網羅的に、顧問に相談された方が良いと思います。
Q.ビジネスを成功させるためのアドバイスはありますか?
経営課題全体を俯瞰できる冷静で深い分析力と、課題解決のための熱いハートを持った行動力を意識してください。
Q.顧問としてのご経験から、企業が成長するために必要な要素はなんだと思いますか?
会社が目指す方向を社員へ浸透、徹底させること。
そのために明確な経営方針と戦略を策定し、経営者自らが率先してそれらに取り組む姿勢を見せて、社員を引っ張っていくこと。
04. 最後に
Q.すでに顧問バンクに登録している企業やこれから登録する企業に伝えたいことはありますか?
会社の抱える課題全体について顧問を巻き込み、依頼する業務範囲の拡大も含めて活用されていくのがよいと思います。