TikTok Shopの導入ガイド:主要機能・運用の要点と成功事例
10~20代の若年層だけではなく、最近では30~40代のビジネスパーソンからも高い注目を集めているTikTok。
もともとは15~60秒のショート動画のみ投稿できるSNSでしたが、現在は最大3分の動画を投稿できるようになり、企業の集客ツールとしても高い注目を集めています。
TikTokは現在、モール型ECにも本格的に力を入れており、アメリカやイギリス、一部のアジア圏では、EC機能が設けられたTikTok Shopがローンチしています。
この記事では、TikTok Shopの基本概要や機能、始め方や注意点、主な事例を紹介します。
この記事でわかること
TikTok Shopの基本概要や機能
TikTok Shopの始め方や注意点
TikTok Shopの事例
こんな方におすすめ
TikTok Shopが何か知りたい
TikTok Shopの始め方や注意点を知りたい
TikTok Shopの事例を参考にしたい
1.TikTok Shopとは
TikTok Shopとは、TikTokの中で商品を購入・販売できるEC機能です。
これまでは動画を視聴するだけのプラットフォームだったTikTokで、ブランドや企業、クリエイターから商品を直接購入でき、シームレスなソーシャルコマース体験ができます。
しかし、記事執筆時点(2023年7月24日)では、日本にはまだTikTok Shopの機能は搭載されていません。現時点で対応しているのは以下の国だけです。
アメリカ
イギリス(撤退)
中国
インドネシア
マレーシア
タイ
ベトナム
フィリピン
シンガポール
とはいえ日本でも、一部のECサイトと提携したEC機能のみ使えるなど、TikTok Shopを導入する動きは少なからずあります。
TikTok Shopは、TikTokユーザーがアプリから離れることなく商品を発見し、そのまま販売までつなげられるため、実装されれば大きな注目を集めることが推測できます。
2.TikTok Shopの機能
ここでは、TikTok Shopに搭載されている3つの機能を紹介します。
2-1.Direct Integration(ダイレクトインテグレーション)
Direct Integrationは、TikTok内で商品登録から販売、購入や発送、購入履歴の確認までを一括で管理できる機能です。
TikTokユーザーはアプリを離れず、さらに他サイトを経由することなく商品の購入や決済までの手続きを完了できます。
スムーズかつシームレスな購買体験を提供できる点が大きなメリットです。
2-2.Product Links(プロダクトリンクス)
Product Linkは、TikTok動画から特定商品のハイライトを詳細ページで表示し、ユーザーに対して購買を促す機能です。
また、TikTok Shopを利用すると商品を表示できるため、TikTokユーザーは他サイトへ離脱せずに商品の詳細を視聴できます。
これにより、ユーザーの購買行動を促進することが可能です。
2-3.LIVE shopping(ライブショッピング)
LIVE Shoppingは、ライブ配信中のTikTokユーザーが商品やサービスの詳細ページを視聴者へ表示できる機能です。
商品やサービスのリンクを共有できるため、リアルタイムでつながる視聴者に対して購買の促進につながります。
視聴者は他サイトへ離脱することなく、ライブ配信を見ながら商品を購入できます。
3.TikTok Shopの始め方
TikTok Shopは現在、日本では実装日が明らかにされていません。しかし、始まる可能性は高いといえるため、以下の準備は事前に進めておきましょう。
3-1.TikTok For Businessのアカウントを開設する
TikTok For Businessとは、TikTokで広告を出稿できるプラットフォームです。
法人だけではなく個人でも登録が可能であり、TikTokアプリ内の広告、Pangle、キュレーションAPPなど、3種類から配信方法を選択できます。
TikTok For Businessのアカウント開設手順は以下の通りです。
TikTokのアカウントを作成
TikTokにログインした状態でプロフィールを選択
プロフィールの設定を選択
アカウント管理を選択
ビジネスアカウントに切り替えるを選択
これでTikTok For Businessのアカウント開設は完了です。TikTok Shopを利用する際は必ず必要になるため、事前に用意しておきましょう。
3-2.広告アカウントを登録する
TikTok Shopを利用するためには、広告アカウントの登録が必要です。
広告アカウントは、TikTok内で広告を出稿するための必要情報を入力する箇所で、予算や課金方式、出稿手順などを登録します。
広告アカウントの登録手順は以下の通りです。
TikTok For Businessにアクセスして「今すぐ開始」を選択
メールアドレス、パスワード、認証コードを入力
「アカウントの登録」を選択
国、業界、会社名、通貨、タイムゾーンなどを選択
入力が完了したら「登録」を選択
アカウントのタイムゾーン、通貨、国/地域は一度登録すると変更できないため、絶対に間違いがないかを厳重にチェックしてください。
3-3.ビジネス情報を登録する
広告アカウントの登録が完了したら、次はビジネス情報を登録します。ビジネス情報では、広告を出稿する会社のURLを記載します。
次に、会社の住所、課税情報、支払い方法などを、入力画面に従って入力していきます。ここで記載した住所は、領収書もしくは請求書に印字されます。
3-4.BASE、SHOPLINE、Shopify、opencartと連携する
最後に、BASE、SHOPLINE、Shopify、opencartとTikTokを連携します。
TikTokとの連携は、それぞれのアプリで進めます。例えばShopifyでは、Shopifyのアカウントでログイン後、販売チャネルにTikTokを追加することで連結できます。
4.TikTok Shopを始める際の注意点
日本でTikTok Shopが実装された際、どのような点に注意すれば効率的に活用できるのでしょうか。ここでは、主な注意点を3つ紹介します。
4-1.国によっては機能を展開できない
TikTok Shopを越境ECで活用しようと考えても、機能が使える国は制限されているため、思うように展開できないという注意点があります。
現在、TikTok Shopは東南アジアを中心に広がっていますが、イギリスでは販売目標が達成できなかったという理由で撤退しています。
いざTikTok Shopを使い越境ECをしようと考えても、対象国までサービスが広がっていなければ展開できません。事前にどの国で展開されているかはチェックしましょう。
4-2.質の低い動画の配信数が多いことによる離脱
短くて有益な動画を視聴したいユーザーにとっては、企業の広告ばかりが配信されると離脱するリスクを高める要因となります。
動画の本数は重要ですが、製品開発の裏話や商品選びに役立つ情報など、広告以外の動画の質を高める企業努力が重要です。
4-3.広告感を出しすぎることによる離脱
広告感が全面に出過ぎてる動画は、離脱率を高める要因になります。
これはTikTokに限った話ではありませんが、今は広告感が強すぎる広告よりも、広告自体が面白いコンテンツになるような広告が求められています。
ユーザーの抵抗感が少ない動画を作成し、広告感を減らす企業努力が重要です。
5.TikTok Shopの事例紹介
最後に、実際にTikTok Shopを活用した事例を3つ紹介します。
5-1.事例①:Skin1004
引用元:https://www.tiktok.com/business/ko/inspiration/skin1004?
韓国の美容ブランド『スキンエンジェル』は、東南アジアへの進出を目標に、動画ショッピング広告とライブショッピング広告を通じて売上を大幅に増加させました。
ライブショッピング広告では、企業の広報担当者がライブ配信中に商品の魅力を紹介。その結果、総売上高はトータルで8.58倍増加したと発表しています。
5-2.事例②:PVN Shoes
引用元:https://www.tiktok.com/business/en/inspiration/pvn-shoes?
インドネシアのシューズブランド『PVN Shoes』は、TikTok Shopの動画ショッピング広告を使い、売上高を8.8倍にしています。
同社は、TikTok内のさまざまな入札戦略をテストすることで、1つの動画で個別に商品を紹介するよりも、複数の製品を紹介する方が効率的であることを発見します。
また、定期的にTikTok Shopの閲覧を誘導する限定セールを開催することで、多くのユーザーへ商品を届けることに成功しました。
5-3.事例③:Hebe Mall
引用元:https://www.tiktok.com/business/en-US/inspiration/hebe-mall?
ベトナムの健康用品小売業者『Hebe Mall』は、TikTokの動画ショッピング広告のターゲティングを改良し、ROASを343%向上させました。
同社は魅力的な動画コンテンツを制作することに注力し、ターゲット視聴者のニーズに適合するライフスタイルビデオを作成しました。
その動画にTikTok Shopの商品ページを設置することで、ユーザーがシームレスにクリックでき、直接商品を購入できるようにしています。
6.まとめ
TikTok Shopの基本概要や機能、始め方や注意点、海外の事例をまとめて紹介していきました。
若年層だけではなくビジネスパーソンにも高い人気を誇るTikTokは、現在モール型ECにも力を入れており、TikTok Shopをローンチしました。
TikTok内で商品の購入や販売ができるTikTok Shopは、現在日本では機能が搭載されていませんが、少なからず導入する動きはあります。
時代に合わせて新しいIT技術を導入することで、企業の成長は促進できます。実際に海外では、TikTok Shopで売上を伸ばした企業が多くあります。
日本でTikTok Shopがローンチされた際には、ぜひ本記事を参考に使い方や機能をチェックしてみてください。