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越境EC市場の基礎と戦略:海外販売の開始手順と展開方法 Part 3

越境ECビジネスをこれから展開する事業者に向けて、海外市場で自社商品を販売する手順や注意点を徹底解説します。自社型EC・モール型ECで越境対応をするそれぞれのメリット・デメリットや、越境EC成功の秘訣を知りたい方もぜひ参考にしてください。

海外の消費者に自社商品を販売する越境ECを展開するにあたって、具体的な出店方法や注意点などを詳しく知りたい方が多いのではないでしょうか。
越境ECを始める際、自社で越境対応したECサイトを構築する、または越境対応したECモールに出店するという選択肢があり、出店方法によるメリット・デメリットを十分に理解しておかなければなりません。
この記事では、越境ECで自社商品を販売するまでの詳しい手順や注意点、越境ビジネスを成功させる秘訣まで徹底解説します。

この記事でわかること

  • 越境ECで自社商品を販売する流れ

  • 自社型EC・モール型ECで越境対応するメリット・デメリット

  • 越境ECで成功する秘訣10選

こんな方におすすめ

  • 海外で商品を販売したいが越境ECの知識が全くない

  • 自社で越境対応するか海外ECモールに出店するかで悩んでいる

  • 越境ECのメリットだけではなくリスクまで把握しておきたい

  1. 日本企業に向けた越境EC支援サービス
    ①AnyShop(エニーショップ)
    ②Shopify(ショッピファイ)
    ③Live Commerce(ライブコマース)
    ④FutureShop (フューチャーショップ)
    ⑤Multilingualcart(マルチリンガルカート)

  2. 越境ECビジネスで良く利用される海外ECモール
    ①Lazada【東南アジア全域】
    ②Shopee【シンガポール】
    ③Tiki【ベトナム】
    ④Bukalapak【インドネシア】
    ⑤天猫国際(T-MALL GLOBAL)【中国】
    ⑥Amazon【アメリカ】
    ⑦G-market【韓国】
    ⑧PChome【台湾】
    ⑨HKTVmall【香港】

1. 日本企業に向けた越境EC支援サービス

越境ECビジネスに関する知識が浅い場合、多言語化対応や物流管理、顧客対応などをサポートする越境EC支援サービスを利用することをおすすめします。
ここからは、代表的な越境EC支援サービスを詳しくご紹介します。

①AnyShop(エニーショップ)


「AnyShop」は、世界13ヵ国の地域に拠点を置き、商品開発・生産・EC・物流・マーケティングなどを包括的にサポートする「AnyMind Group」が提供するECプラットフォームです。
各国・地域に拠点を置く現地メンバーが、現地の商習慣に合わせた販売戦略の策定から言語対応、フルフィルメントのローカライズまでサポートしています。
越境対応した自社のECサイトを手軽に構築できるECプラットフォームであり、既存のECサイトやプラットフォームから乗り換えもスムーズに実現します。
特に東南アジアの越境ECビジネスに強みを持っており、豊富な支援実績とノウハウに基づいた戦略立案・施策実施・効果測定などの幅広いサポートを受けられます。

②Shopify(ショッピファイ)

参考元:https://www.shopify.com/jp


「Shopify」は全世界175カ国、100万店舗以上のストアに利用されている世界最大のECプラットフォームであり、合計21言語とさまざまな国の通貨に対応した越境ECサイトを構築できます。
100種類以上のデザインテンプレートを利用し、カスタマイズ性に優れたECサイトを少ない工数で構築することが可能です。
小規模なECサイトの構築に適したECプラットフォームであり、数多くのECサイトの越境対応をサポートした実績があります。

③Live Commerce(ライブコマース)

参考元:https://www.live-commerce.com/


「Live Commerce」は、全世界30ヵ国で販売実績のある多言語対応のECプラットフォームです。
​​海外向けのアフィリエイト広告の運用サポートを提供しており、GoogleショッピングやFacebookダイナミック広告と連動した販売戦略を立てられます。
中国語・韓国語・英語などの多言語に対応したカート機能が充実しており、決済方法の種類も多いことがEC事業者に評価されているポイントです。

④FutureShop (フューチャーショップ)

参考元:https://www.future-shop.jp/


FutureShopは、国内で2,500店舗の支援実績を誇るECプラットフォームです。
EMS(国際スピード郵便)による海外配送に対応しているため、配送先の国と商品の重量を自動計算することが可能です。
通貨は合計12種類に対応しており、リアルタイムに反映された為替レートで決済することができます。
日本語・中国語・ドイツ語・イタリア語・フランス語などの多言語に対応でき、ユーザビリティに優れた画面レイアウトや管理機能、フレキシブルなカスタマイズ性で使いやすさを追求しています。

⑤Multilingualcart(マルチリンガルカート)

参考元:https://www.multilingualcart.com/


「Multilingualcart」は、日本語・英語・中国語・韓国語など16種類の言語と32種類の通貨に対応した越境ECサイトを構築できるECプラットフォームです。
翻訳機能が充実しており、商品情報や注文画面、メールなどのあらゆるページを高精度で翻訳できます。さらには人工的な翻訳機能を利用して世界中の顧客と円滑な外国語コミュニケーションを図ることが可能です。
多言語のカスタマーサポートも充実しており、顧客からの問い合わせに迅速に対応し、満足度の向上に繋げることができます。

2. 越境ECビジネスで良く利用される海外ECモール

ここからは、日本企業に良く利用されている海外ECモールの特徴と概要を詳しくご紹介します。

①Lazada【東南アジア全域】

参考元:https://www.lazada.co.th/


「Lazada」は、タイ・フィリピン・ベトナム・マレーシア・シンガポール・インドネシアの合計6ヵ国を対象とした東南アジア向けECモールです。
中国のアリババグループが2016年に経営権を獲得したECモールであり、現在は1ヵ国3,000店舗以上の出店と1日本の訪問者数500万人を誇るほど急成長を遂げています。
2030年までに3億人ユーザーを目指しており、東南アジアの広範囲にわたって商品を販売したいEC事業者におすすめされます。

②Shopee【シンガポール】

参考元:https://shopee.jp/


シンガポールの越境ECモール「Shopee」は、2015年に誕生してから1年で流通総額18億円を突破しており、現在も成長を続けています。
カスタマーサポートを出店主が行うシステムのため、購入者とのコミュニケーションを図りやすく、顧客エンゲージメントを高めることが可能です。
また、販売手数料とリスティング手数料が無料となっており、コストを抑えながら越境ECビジネスをスタートできます。

③Tiki【ベトナム】

参考元:https://tiki.vn/


「Tiki」は、ベトナム版Amazonと呼ばれるほど国民に知名度が高く、多種多様な商品を販売しているECモールです。
ベトナムのECモールでは、Shopeeに次いでユーザー数が多いと言われており、月間のトラフィック数は3370万以上で高いシェアを誇っています。
ハノイ市・ホーチミン市を対象に、合計15kg以下の商品を2時間以内に配送するサービス「TikiNOW」が特徴的で、顧客の高い満足度と信頼を得ています。

④Bukalapak【インドネシア】

参考元:https://www.bukalapak.com/


2010年設立の「Bukalapak」は、2019年までに月間7,000万人ものユーザーを獲得したインドネシア最大級のECモールです。
2021年にはジャカルタへ上場し、インドネシア最大規模のIPOとなり、現在も成長し続けています。
主に電化製品・モバイル機器・自動車などを取り扱っており、多様な支払い方法に対応することで世界中の消費者が利用しやすい仕様になっています。

⑤天猫国際(T-MALL GLOBAL)【中国】

参考元:https://www.tmall.hk/


「天猫国際」は、アリババグループが運営する中国最大規模のECモールです。
海外法人向けのECモールである天猫国際では、出店基準が高めに設定されており、偽物や非正規品を排除することで消費者に対する信頼性を高めています。
日本の企業が販売する商品は、食品・飲料・酒類などが多く、他にもアパレル・生活家電・貴金属・時計・化粧品など幅広い商材で越境ECビジネスを展開することができます。

⑥Amazon【アメリカ】

参考元:https://www.amazon.com/


Amazonはアメリカ最大のECモールであり、国内で約5割の圧倒的なシェア率を誇ります。
店舗を出店するのではなく、商品のみを出品するマーケットプレイス型のECモールであり、膨大な数のユーザーに対して自社商品を訴求できるメリットがあります。
「フルフィルメント by Amazon」を利用すれば、海外配送の設定も簡単に行うことができるため、物流管理にかける手間とコストを減らすことができます。

⑦G-market【韓国】

参考元:http://global.gmarket.co.kr/Home/Main


月間訪問者数2,200万人を誇る韓国最大のECモール「G-market」は、韓国に限らず、さまざまな国の事業者や消費者に利用されています。
ファッション・コスメ・健康食品や、Wi-Fiレンタルやアクティビティの予約などにも対応しており、幅広い商材を扱っているECモールです。
モールへの出店審査は厳しく、英語・韓国語・中国語の3カ国の何れかの言語に対応する必要があるため、必要に応じて越境EC支援サービスを利用しましょう。

⑧PChome【台湾】

参考元:https://24h.pchome.com.tw/


PChomeは、台湾国内で最も人気のあるECモールの1つです。2020年の時点で会員数1,500万人以上、月間訪問者数3,000万人以上を誇ります。
ファッション・コスメ・家電・食品などの幅広いカテゴリーの商品を扱っており、販売手数料が5%以下と比較的低く、手数料を安く抑えられます。
PChome独自のキャンペーンや企画が定期的に開催されているため、知名度のない日本企業の商品でも効果的にアピールできるチャンスがあります。

⑨HKTVmall【香港】

参考元:https://www.hktvmall.com/


「HKTVmall」は、香港の人口の半分以上が利用するほど国民に愛着のある香港最大級のECモールです。
生活用品全般や食品、家電、おもちゃなどのカテゴリーを扱っており、注文状況を24時間リアルタイムに追跡することができる顧客サポートを提供しています。
主に中国語・英語・日本語などをサポートしているため、日本企業でも海外顧客にも対応しやすいECモールです。


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