その笑顔から感じた優しさは夢のようで
[新政 R-type 日本酒メモ]⛅️
日本酒バーで「新政 新政 R-type」を飲んだ。
相変わらず特徴的な酒だ。
愛飲していると公言できるほど、多くの銘柄を味わって来た訳ではないが、目にすると必ず飲みたくなる。
注文するのは、その日の懐事情による。
フロア丸ごと本棚で埋め尽くされた商業施設、その一角に佇む角打ちで、プリントされた新政を見掛ける事もあるし、ふらっと立ち寄る酒屋で見かけたり、今回の様に行きつけの日本酒バーで見掛けたりする。
数少ない選択肢での出会い。
今の倍くらいには選択肢を増やしたいものだ。
今回飲んだ「新政」独特な紹介をさせていただく。(久々の投稿でかしこまっている。)
ーーーーー
彼女は突然現れた。
いつも通り、週末の飲み歩きを行い。飲み過ぎた僕は、いつもの行動範囲より遠くに来ていた。
道が分からないから、今にも漏れそうだった。今まで飲んでいた店に戻ろうにも、道が分からない。スマホで探さないといけない、周囲に意識を割き事故に遭わないよう注意しなければならない。
歩くたびに、注意するべき事が増え、そろそろ危ないと思っていた頃に彼女は現れた。
八頭身はあろう、長くしなやかで美しい四肢。
細い指先から広がる純白の肌は、同じ日系人とは思えないただならぬ雰囲気を醸し出していた。
僕は彼女に見惚れ、また彼女も笑みを浮かべ、僕から目を離さなかった。
美しい。視線がブレる事なく、僕の目を一点に見つめている。
僕は指先一つ動かす事ができず、彼女を見つめ続ける。
二度瞬きをすると、彼女がふうっと近づいてきた。
嘘だろ!?
素早い瞬きの中、距離は半分程に縮まった。
胸の高まりと共に目を見開き、視点の先を強く定める。
何をする気なんだ?
「ちょっ、」
唇がみるみる内に近づいて来て重なる。その感触はなく、目の前から消えた彼女を探すため、後ろを振り返るも純白の人影はなく、強烈な光と共に車の走行音だけが駆け抜けた。
ーーー
そんな味。
ふうっと、甘さや香りが消えて行く感覚が面白く、その様に幽霊を連想したので、この話を描いてみました。
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