経済波及効果は20兆円規模。台湾セミコンダクター(TSMC)の日本進出。それに伴い躍進が望める日本銘柄。
NVIDIAが設計した半導体や
AppleのiPhoneやiPadのCPU製造を担っている
台湾セミコンダクター(TSMC)が
22年、日本への製造工場建設に着手し
今年24年に完成、製造ラインの構築が完了する。
2024年内の量産開始を目指す同工場では、経済波及効果が20兆円規模にも上る見込みだという。
TSMCが日本の熊本に上陸した背景の主要因は中国にある。
半導体製造技術に出遅れ、米国から半導体技術流用阻止の
規制をかけられている中国が
台湾へ仕掛ける何かしらの攻撃、妨害への防御策の一つ。
中国による攻撃、妨害とは
技術の盗用や
直接的な攻撃による半導体産業の機能不全などが挙げられる。
中国と台湾の関係性という
地政学的なリスクの懸念と回避先として
安全な日本を選んだ。
また
台湾が中国からの侵攻に対する防衛策の一つとして
シリコンシールド(半導体の盾)が挙げられる。
中国に台湾の半導体産業の重要性を再認識させる事で
台湾の半導体製造の妨害を防ぐ事が狙いだ。
軍事技術としても必需である半導体の最新技術が
中国に流出する事を最も懸念しているのはアメリカである。
この様な半導体情勢の観点から
製造拠点を安全性と
後述の半導体製造に有利な
日本へ新たに移した事は堅実な判断だろう。
TSMCに追従して
日本各地に半導体製造工場が
競う様な形で工場設立を目指している。
日本政府もまた
半導体産業の強化を重視している。
経産省は21年に「半導体・デジタル産業戦略」を立ち上げてから
3年足らずで同戦略に関連する予算を約4兆円確保。
手厚い支援、助成が追い風となり
今後、日本での半導体製造は熾烈を極める事になるだろう。
そこで
半導体の受託製造の市場で世界1位
半導体設計における世界シェアの60%を担う
TMSCの躍進と日本進出に関連して
収益が伸びそうな日本企業の株式銘柄を
紹介したい。
私もこの企業の中から
購入を検討中。
各企業を概要を本記事で簡潔に説明しようと思う。
ぜひ、銘柄選定に役立ててほしい。
上記の企業の業績を
時価総額順に並べ替えてデータで比較するとこの様な数字が出る。
買いたい銘柄や推したい銘柄に関しては
noteの規約上言及を避けるが
私がこの企業群の決算で挙がった数値に対して
着目している項目は以下の通り。
・売上と営業cf「銀行の預貯金」との比率
売上や純利益が預金としてしっかりストックされているかの確認
売上と純利が高いにも関わらず営業CFが少ない場合は
ある程度の粉飾の懸念があるため要注意。
営業cfマージン(営業cf÷売上高×100)が15%を切る様なら
その理由を調べた方が良い。
後に粉飾がわかった場合の投資家からの信頼は大きく下がり
株価の長期に渡る下落要因ともなる。
・従業員数と売上、及び純利益の比率
(少ない労力によるコストカットと生産性の高さ)
業務を外注委託している場合はその分営業利益から差し引かれる。
同業他社との長い競争において
資金繰りは企業の体力の調整であり、重要である。
仮に売上が凄まじくても経費負担が大きく純利益が低い場合
それは後々コストカットができるものなのか
一時的なものなのかを理解しておく事も必要である。
・投下資本利益率や自己資本利率「ROE」
投資資金を上手く扱えているかの判断指標。
一社だけでは比較はできない。
同種の他企業との比較においてはかなり重要である。
・外国人保有比率
日本企業がダウやS&Pなどの指数の騰落によって受ける株価の変動は
主に米国等の機関投資家や企業の影響による所が大きい。
自国の景気次第で日本へ投資している外国人による購入と売却は
日経平均へ好悪影響を与える。
世界の一日の株式市場の始まりは日本企業。
そして日本市場が始まる3時間前が米株市場の終わりであり
ダウ等の指数の終値が日本企業や日経平均に対する先行指標ともなる。
・数年の株価の変動率
投資家達の評価
株価が急上昇や急下落した過去のチャートでは
何があったかを調べる事で
その企業の活動における履歴一端を知る事ができる。
簡潔な企業解説
東洋合成工業 (4970):EUVレジストやArFレジスト向けの感光性材料や高純度溶剤の出荷が伸びており、先端分野への投資が評価されている。
メック (4971):ICパッケージの銅表面処理でスタンダードな地位を築いている。
芝浦メカトロニクス (6590):液晶や有機ELの製造装置メーカーであり、半導体製造装置への注力が目立つ。
大阪有機化学 (4187):アクリル酸エステルの製造販売が主力で、ArFフォトレジスト用モノマーの世界シェアが60%以上を占めている。
日本電子 (6951):電子顕微鏡で世界首位。EUV露光装置用半導体マスクの需要拡大に対応して拡販している。新工場の増強により生産能力が倍増する見込み。
JCU (4975):メッキ薬品大手。ビアフィリングで約70%の世界シェアを持ち、半導体パッケージ市場の拡大により収益性の向上が期待される。
扶桑化学 (4368):超高純度コロイダルシリカで世界トップシェア。最先端半導体の微細化ステージが進行する中で売上高が拡大する見通し。
ローツェ (6323):半導体関連装置の大気用ウエハ搬送装置が利益率が高く、TSMCの日本進出に伴い売上高が高まる公算が大きい。
ADEKA (4401):化学品・食品事業を二本柱とする。DRAMのHigh-k材料(高誘電材料)が高収益製品で、半導体・ディスプレイ材料の貢献度が今期以降急速に高まる見通し。
これらの企業は、半導体産業の成長と技術革新によって
今後も収益の向上が期待できる。
また、上記の通り
政府の支援により国内での半導体生産拠点の確保が進んでおり
これらの企業が国策銘柄となる可能性も含んでいる。
今日の所は以上。
また会おう諸君。
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