コジレック的「兄弟戦争」新カードレビュー(前編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
初心者にオススメの統率者はコジレック!(挨拶)
先日MtG最新弾「兄弟戦争」の全カードがスポイラーされた
名前の通りドミナリアで過去に行われたウルザとミシュラの兄弟による大規模な戦争を描いたセットで
予想されていた通り大量のアーティファクトが登場した今弾だが
今回も初心者にオススメの統率者こと「コジレック」のデッキ目線で
新カードたちをレビューしようと思う
※今回もある程度MtGに明るい人を対象に記事を書いています
読みづらいところなどありましたらご容赦願います
カードの評価基準はこちらの記事を参照のこと
《パワーストーン》について
カードのレビューに入る前に、今回頻出する「パワーストーン・トークン」について先に解説しておこう
効果は前回「団結のドミナリア」レビューにおける《生けるレガシー、カーン》の欄で説明したが
今弾では多数のパワーストーントークンを生成するカードが収録されているため、改めて説明させていただく
このトークンは《宝物トークン》のように能力が定義されているトークンの1つで
「アーティファクトでない呪文を唱えるためには使えない」という条件を持つ無色の1マナを生成するトークンだ
今までのトークンとは異なり使い道が限られている代わりに何度でも使えるのが特徴で、アーティファクトを多様するデッキでは貴重なマナ基盤として活躍するだろう
ではアーティファクトをあまり使わないデッキでは無用の長物になるのか?というとそれは違う
パワーストーンから生み出されるマナは「アーティファクト以外の呪文を唱える」こと以外の用途を限定されていないため
パーマネントの起動型能力を使うためのコストとして使用することができるのだ
簡単な例として、パワーストーンから無色の1マナを生み出し、それを《虹色のレンズ》の起動能力を使用するためのコストとして使い好きな色のマナを生成する
すると「アーティファクトでない呪文を唱えるためには使えないマナ」が「好きな用途に使用できる好きな色のマナ」に化けるのだ
土地やクリーチャーの能力を使うためにも使用できるため、意外と活用法は多いのである
コジレックデッキにおいては大量のアーティファクトを使うためデメリットもあまり気にならないだろう
上記のテクニックを使えばエルドラージを唱えるためのマナにも変換できるのも覚えておきたい
前置きが長くなってしまったが、早速新カード達を見ていこうと思う
アーティファクトがテーマなだけあり多くの無色カードが収録されているため、今回は前後編に分けてお送りする予定だ
《沿岸の防壁》
役割:C初っ端からどうすんのこれ枠である島をコントロールしている場合3/3になる壁
2マナ払いタップすれば諜報1を行うこともできる
ここでの「島」とは基本土地タイプを表すもので
基本的にはタップすると青マナを生み出す土地を指す
そう、固有色が青のためコジレックデッキでは使えない土地なのだ
一応無色土地の中にも《不安定な地平線》のように基本土地タイプを追加するものが存在しない訳では無いが
「防衛持ちで殴れないクリーチャーのパワー2」のためにわざわざコジレックデッキで採用する意味の薄い土地を入れるのも考えものである
現状のカードプールでは使い所を見出すのが難しい1枚と言えるだろう
《飛空士の翼》
役割:B
装備クリーチャーのパワーを1上昇させ、飛行を付与する装備品
高パワーを持つエルドラージ軍団に飛行を付与すればブロックされにくくなり、ダメージを通しやすくなるのは大きなメリットではあるが
パワーの修正値も低く付与する能力も飛行だけ、というのが少し心もとない
全体的なコストの軽さで差別化を狙いたいが、同じ消費マナで速攻も付与できる《速羽根のサンダル》などが存在するのが難点で
「これを入れるくらいなら他の装備品のほうが…」といった印象が拭えない1枚と言えるだろう
それはそれとして天を衝く巨体のエルドラージが小さな羽を付けただけで飛べるようになるのはドミナリア驚異のメカニズムと言わざるをえない
《アルガイヴの報復者》
役割:C
1マナ支払い、-1/-1修正を受けることで飛行、警戒、接死、速攻のうち好きな能力を得られるアーティファクト・クリーチャー
好きな能力を得られるのは小回りが効き、一見すると使いやすいクリーチャーに見えるものの
やはり6という重めのコストと能力を使うたびに-1/-1修正されてしまう点がネックだろう
コストの面はマナを捻出しやすいコジレックデッキではあまり気にならないものの、基本のパワー・タフネスが5とコストの割に若干低めなのが気になる
とりあえず2マナ支払って飛行と警戒でダメージを…と思った途端《稲妻》などが飛んでくる状況もありうる
装備品など何かしらのサポートで大幅にパワー・タフネスを増加させることができればリスクを軽減でき、高いスタッツを持ちながら場面に応じた能力付与で臨機応変に対応できるクリーチャーに変わるのだが
コジレックデッキで採用されるクリーチャーは元々のパワー・タフネスが高いものが多いため、パワー・タフネスを増加させるカードをあまり入れないことが多い
カードのポテンシャル自体は悪くないのだが、コジレックデッキとの相性はあまり良くないため採用するかどうかはよく考えたほうがいいだろう
《街並みの地ならし屋》
役割:C
唱えた時と攻撃時に土地以外のパーマネントを1つ破壊できるアーティファクト・クリーチャー
その代わり破壊したパーマネントのコントローラーにパワーストーン・トークンを与えてしまうデメリットを持つ
冒頭で述べた通りパワーストーン・トークンは使い勝手がよく、相手に与えてしまうのは少し気が引けてしまうものの
それを差し引いてもコンスタンスに好きなパーマネントを破壊できるのは強力だ
パーマネント破壊能力が「唱えた時」であるため呪文自体を打ち消されても能力が使え、最低限の仕事をこなせるのも大きい
統率者戦では放置しておくと厄介なクリーチャー・アーティファクト・エンチャント・プレインズウォーカーが多数存在するためそれらを潰していけるのはかなり有り難いだろう
8マナ8/8とスタッツも良好で戦闘にも強く、維持することができれば戦局を有利に進めることができる
当然相手にとっては優先的に除去したいカードとなるだろう、アーティファクトかつクリーチャーであるため統率者戦において除去する手段は豊富に存在するため相手にとって対処はあまり難しくない
コジレックで打ち消したり呪禁や破壊不能を付与するなど、相手の除去から守りたいところだが、そう都合よく防御札を引き込める場面も多くないだろう
しかし、このカードは除去されたとしても「蘇生(8)」を持っている
墓地に存在する時、8マナを支払うことで速攻を付与しつつ戦場に戻すことができるのだ
蘇生は「戦場に戻す」能力であるため唱えた時の能力は誘発しないが、かわりに速攻を持っているためそのターン中に攻撃すればまた破壊能力を使用することができる
タイムラグはあるものの、手札を使わずに相手のパーマネントを破壊できるというのは相手にとって大きな脅威たりうるだろう
一方蘇生で戦場に戻したクリーチャーは戦場を離れると追放されてしまうので、使い所はよく見極めたい
《エネルギー屈折体》
役割:A
2マナ支払うことで好きな色のマナを1点生み出せるアーティファクト
2マナと軽く、場に出たときに1枚引けるので手札が減らないのは有り難いがいかんせん起動コストが重すぎる
今弾にはパワーストーンを生み出すカードが多数収録されているため、それらのカードで生み出したパワーストーンからマナを出し
それを有色の自由に使えるマナに変換する用途で収録されていると思われる
カードプールの限られるドラフトやリミテッド、スタンダードでなら採用の余地があるかもしれないが
統率者戦ではより優先するべきマナ・アーティファクトが存在する上
コジレックデッキでも有色のマナを生み出したい場面は少ないため
あまり使い道がないカードと言えるだろう
《ゴブリンの焼夷弾》
役割:C
7マナ支払い自身をタップ+生贄に捧げることで好きなパーマネントを破壊できるアーティファクト
起動に7マナかかるのが難点だが、マナ供給減の多いコジレックデッキでは比較的容易に捻出できるだろう
使い切りの《隕石ゴーレム》と考えると悪くない1枚だ
隕石ゴーレムと異なり土地も対象に取れるため相手の厄介な土地を破壊することも可能だ
さらに瞬速を持っているためインスタント・タイミングで唱えることができ
いざという時は8マナ支払うことであらかじめ場に置いておかなくても除去を行うことが可能だ
本体が1マナとごく軽いコストで置いておけるのも利点で、余ったマナでこれを置いておき
いざというときに起動能力を使って相手のカードを除去する使い方も可能だ
何より無色のコジレックデッキでも使える貴重なパーマネント除去手段であるため
積極的に採用しておきたいカードだ
《浮遊する像》
役割:C
クリーチャー以外の呪文を唱えるたびに+1/+1カウンターを置き
2マナ支払うことでターン終了時までクリーチャーになれるアーティファクト
普段はアーティファクトとしてカウンターを貯めつつ、必要なときは2マナと軽いコストで大型クリーチャーになれるのは中々悪くない
飛行を持っているので比較的ブロックされにくく、また壁として活用するときもブロックしやすいのがメリットだ
コジレックデッキではクリーチャーの割合があまり多くないため「クリーチャーでない呪文」を唱える機会は多い
序盤に置くことができれば普通に戦っているうちに終盤でも通用するレベルの大型クリーチャーに化けるだろう
ただし終盤に引いてもあまり活躍しづらいため、投入は慎重に検討したい
《ウルザの空戦挺、リベレーター号》
役割:C
無色及びアーティファクト呪文に瞬速を与えるアーティファクト・クリーチャー
本体は1/2と貧弱なものの、このクリーチャーのパワーより大きいマナコストを持つ呪文を唱えた時+1/+1カウンターを置くことができるため
コンスタンスに呪文を唱え続ければそれなりのサイズまで成長させることができるだろう
このカード自体も瞬速を持っているため、終盤でも最低限壁になる程度の能力は有しているが
使うのであればなるべく序中盤に置いておきたいカードだ
デッキのカード全てが無色かつコストの大きいコジレックデッキとは相性が良いが
考えなしに入れても活躍できるカードでない事は留意しておきたい
《鉱山の作業員》《魔力炉の作業員》《塔の作業員》
役割:上からC C A
それぞれライフを得る、PT修正を受ける、マナを生み出す能力を持ち
3種類揃っていればそれぞれの能力が強化されるアーティファクト・クリーチャー達
どの効果もあまり強力ではなくステータスも平均的で、更にデッキが100枚もあり各カードを1枚ずつしか入れられない統率者戦においては3種類揃えるのが至難の業、となかなか運用しづらいカード達
運良く揃えられたとしても得られる恩恵は薄く、貴重なデッキ枠を3つも潰してまで採用する理由は薄いだろう
過去に存在したウルザランド(3種類揃えると大量のマナを生み出す3種類の土地)を意識したカード達であろうが
本家に比べてあまり強力な効果は持っていないようだまあ全部コモンだし
《修復された飛行機械》
役割:C
シンプルに飛行と蘇生を持つアーティファクト・クリーチャー
飛行というブロックされにくい効果と蘇生という奇襲性の高い効果が合わさることでいざという時のダメ押しとしての役割が期待できる
相手のクリーチャーをブロックして自分は墓地に行き、頃合いを見て攻める…などの使い方も可能なのだが
いかんせんステータスがあまり高くなく、素直にもっと汎用的なカードを入れたほうが役立つ場面も多いだろう
おわりに
アーティファクトを強く意識しただけあって、コジレックデッキでも活躍できるカードが多数収録されているのが嬉しい限りだ惜しむらくは《マイトストーンとウィークストーン》という優秀なカードが収録されているにも関わらず前例がなかったため勘違いしていたが、どうやらモードを持つ両面カードではなく合体カードという扱いになるため、固有色は無色扱いになるようだ
両面カードは裏面も合わせて固有色を判断するというルール上、このカードの固有色は青白になってしまう事だろうか…
そのため問題なくコジレックデッキに投入可能な事が判明した裁定出る前に憶測で書くからこうなる読者の皆様には深くお詫びを申し上げると共に、改めてカードのレビューを付け加えさせていただく
《マイトストーンとウィークストーン》
役割:C
場に出た時2ドローもしくはクリーチャー1体の-5/-5修正を選べ、出た後はパワーストーン2つ分として働くアーティファクト
工夫が必要とはいえ1枚で2マナ出るアーティファクトは貴重で、マナを生み出すためにアーティファクトを多様するコジレックデッキにおいては実質的にマナ加速と同じように扱ってもいいだろう
さらに場に出たときの効果も強力で、足りなくなりがちな手札の補充か相手の厄介なクリーチャーの除去を状況に応じて使い分けることが可能だ
手札の減りがちなコジレックデッキにとって単純なドロー効果は強力で、引き込んだアーティファクトをこのカードから出たマナで唱える事も可能だ
2つ目の効果も強力で、-5/-5という修正値は大きく大半の小型クリーチャーはもとより中型クリーチャーの除去まで視野に入る数値だ
タフネスのマイナス修正により墓地に送るため破壊不能などを無視して墓地に送れる一方、呪禁などには無力なので気をつけておこう
5マナと若干重めのアーティファクトになるが、ストーリーでも重要な立ち位置にあるだけあって汎用性の高い強力なカードだと言えるだろう
次回、コジレック的「兄弟戦争」新カードレビュー(後編)に続く
2022/11/05 初心者にオススメの統率者はコジレック!botの中の人
2022/11/10 新情報追加につき追記
画像引用元:WotC公式サイト「兄弟戦争」カードイメージギャラリー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?