コジレック的「モダンホライゾン3」新規・再録カードレビュー(前編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
初心者にオススメの統率者はコジレック!(興奮)
先日、MtG最新弾「モダンホライゾン3」の全収録カードが公開された
今回の目玉は何と言ってもエルドラージがフィーチャーされていることだろう全世界1億人以上存在すると言われるコジレック使いが注目の今弾だが
今回も統率者をコジレックに据える前提で新カード達をレビューしていこう
また、今回もモチベ維持記事の長大化を防ぐために記事を分割させて頂く
※この記事はある程度MtGに明るい方向けに書いています
分からない用語などがありましたらMtGwikiなどを参考にしていただけると幸いです
カードの評価基準はこちらの記事を参照して下さい
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対戦やコジレック関連の雑談など統率者戦に関する雑談の場です
《崩壊した現実、コジレック》
役割:初心者にオススメの統率者
初心者にオススメの統率者はコジレック!!!!!
今回は3体存在するエルドラージ・タイタンが新しい姿で収録されており、コジレックがまさかの装いも新たに登場
唱えた時プレイヤー2人の手札を2枚強制的に予示させ、予示させた分だけドロー出来る能力と
このカード以外の無色クリーチャーに+3/+2の修正を与える能力を持つ
予示するカードは対象となったプレイヤーが選ぶため相手のキーカードを狙って落とすことは難しいだろう
自分を対象とすれば予示するカードを選べるため、ドロー効果と合わせると実質的な手札交換としても作用し、先に予示しておいてマナに余裕がある時に表向きにする…といったプレイングも可能だ
しかし「クリーチャーであれば表向きに出来る」という予示の仕様上クリーチャー以外を予示した場合、そのカードは表向きにできなくなるし、クリーチャーを予示しても「場に出た時」や「唱えた時」の能力を使えない事を覚えておこう
とはいえこれは相手にも同じことが言えるため、相手の手札によっては実質的に手札が2枚使用不可能になるのと同じになるだろう
こちらは《虚空の選別者》や《終末を招くもの》など予示しても問題ないいクリーチャーを選びたい所だ
また自分を対象にせず、多人数で戦う統率者戦のルールを利用して対象のプレイヤーを自分以外の2人にすることも可能だ
対戦相手2人の手札を2枚削りつ自分は4枚ドロー、とアドバンテージ差を大きく開くことが出来るが当然恨みも買う
また地味ながらもパワー・タフネス修正効果の修正値が高く、自身の効果で予示したクリーチャーが5/4の中型クリーチャーと化したり、《走り回る侵略》などで大量に並べた落とし子・トークンが3/3とそれなりのサイズになって集団で殴りかかってくるなど馬鹿にできない
今までのコジレック達とは違って場に出た後はあまり仕事をしないものの
相手の戦力を削ぎ自分の盤面を固める、という派手さと堅実さを兼ね備えたカードに仕上がっている
統率者としても優秀なので、コジレックデッキでは是非とも採用したい1枚だ
《再誕世界、エムラクール》
役割:エルドラージ
飛行とプロテクション(呪文やこのターンに唱えられたパーマネント)を持ち、唱えた時にプレイヤー1人のコントロールするクリーチャーをすべて奪う能力を持つクリーチャー
全ての能力が強力かつ派手、というエムラクールらしいカードに仕上がっており
まず唱えた時のコントロール奪取というエムラクールの性質を再現した能力だが
性質上ほとんどの耐性を無視でき、エムラクールを除去してもコントロールが元に戻らないのでプレイヤー1人に限定した全体除去として見ることが可能だ
速攻は付与しないためコントロールを奪ったクリーチャーですぐに総攻撃…とはいかないものの、がら空きになった盤面に付け入る隙は充分にあるだろう
プロテクションの範囲は「呪文」「このターンに唱えられたパーマネント」とかなり幅広く、基本的な単体除去はほぼ通じないうえ《払拭の光》などの能力で除去してくるタイプのカードでも除去ができなくなっている鹿や猿にされないし、なんなら月への封印もできない
ただしプロテクション指定の都合上ブロックされにくくなる能力ではないため、攻撃を通すためのプロテクションではなくあくまでも呪文への耐性として見るのが良いだろう
滅殺は持たないものの、防御が手薄な所に12/12の飛行が殴って来るだけでも相当のプレッシャーを与えられるため非常に頼りになるダメージソースとなってくれるだろう
戦場を離れた時に自分のコントロールするクリーチャーが全て生贄に捧げられてしまうのは唯一デメリットとしても働いてしまう効果だが
唱えたときの効果で奪った相手のクリーチャーも生贄になるため、これらの能力にありがちな奪ったクリーチャーを相手に返す必要がないのは良い点だろう
とはいえこちらが地道にコツコツ並べたエルドラージ達も墓地に行ってしまうため、なるべく発動させないように立ち回ろう
プロテクションで単体除去への耐性はあるものの、全体除去の類には無力のためそこは他のカードで何かしらの耐性を付与したい所
そして最後のマッドネスだがコストが実質半分になるのは非常に強力、たった6マナで上述したトンデモ能力を全て発揮出来るのだから相手からしたらたまったものではないだろう
しかしマッドネスは「手札から捨てる時に追放し、マッドネスで定義されているコストを支払って唱えるかそのまま墓地に置く」という能力であり、相手がこのカードを捨てさせてくれるとも考えにくい
マッドネスを活用したいなら《ジェイラム秘本》などで能動的にこのカードを捨てるプレイングも視野に入れておきたい
このカードを握っており、6マナ浮いていて手札を捨てる機会がある…という3つの条件が揃わないと活用できないため、基本的には「使えたらラッキー」くらいで捉えておくのが良いだろう
総じてエムラクールの名に恥じない、1枚でゲームを決められるほどの強力なエルドラージと言ってもよいだろう
《穢すもの、ウラモグ》
役割:エルドラージ
唱えた時にライブラリーの半分を追放する能力、追放領域にある最も大きいマナ総量と同じ数+1/+1カウンターが置かれた状態で場に出て、置かれている+1/+1カウンターの数に等しい滅殺を持つクリーチャー
パーマネント2つを生贄に捧げることを強いる護法も持つ
除去の申し子ウラモグが新しい効果を引っ提げて新登場だ
まず唱えた時の効果だが、対戦相手一人のライブラリーを半分追放するというかなり豪快な能力になっている数えるの面倒くさそう
枚数指定ではなく「半分」なので何度使っても相手を山札切れにさせることは出来ないが、それでも大量のカードを追放できるのは強力で、基本的にどのカードも1種類1枚しか入れられない統率者のデッキ構築ルールでは追放=実質使用不可能に相当するため強力
更に後述するカウンターを乗せる能力のサポートにもなる効果になっている
護法は「パーマネントを2つ生贄に捧げる」という指定となっており、呪文や能力の対象にしたい場合相手は自身のコントロールするパーマネントを2つ生贄に捧げない限りその呪文や能力を打ち消されてしまう
とはいえパーマネントなら何でも良いので適当な土地やトークンを生贄に捧げることで対処されてしまう、除去耐性としてはあまり期待しすぎないほうが良いか
+1/+1カウンターを乗せて場に出る効果もカウンターの数が安定せず使い勝手が良いとは言えないものの、唱えたときの効果で重いカードを追放できていれば大量にカウンターを乗せられる
追放された手段を問わないため出来事や予顕などで追放されたカードのコストも参照できる、よほど変なデッキと戦わない限り最低でも3~5個程度はカウンターを乗せられるだろう
自分の大型エルドラージが追放された後に出せば10個近いのカウンターを乗せることも可能で、破壊不能を持っている他のウラモグを追放で処理したと思ったらパワー・タフネス17や18のコレが飛んでくるなんて事もありうる、相手はたまったものではない
トランプルなどのダメージを通しやすくする効果はないのでサイズの大きさを戦闘で活かすのであれば装備品によるサポートなどを行いたい
そしてこのウラモグの本命となる自分に乗っている+1/+1カウンターの数と同じ数値の滅殺を持つ効果
前述の通り数値は不定で安定しないものの、攻撃するたびに相手のパーマネントを大量に生贄に捧げさせることが出来る強力なものだ
例えば滅殺6あった場合、防御側はパーマネントを6つ生贄に捧げる必要があるため、相手は大きく盤面を削られることになる
滅殺10ともなれば戦場はほぼ壊滅、防ぎきっても立て直しはほぼ不可能に近いだろう
滅殺は誘発能力のため《うろつく玉座》などで倍化することも可能
今までのウラモグ2種とは違い破壊不能を持たず、唱えた時にパーマネントを除去することも出来ないため使い勝手は悪くなっているが、高いパワーと滅殺で相手に大きなプレッシャーをかけられるより攻撃的なウラモグと言える
1枚で戦局を大きく左右できるパワーを秘めたカードだろう
《まばゆい肉掻き》
役割:エルドラージ・A・C
無色の呪文を唱えるたびにエルドラージ・落とし子を生成し、無色のクリーチャーが出るたびに各対戦相手に1点のダメージを与えるエルドラージ
どちらの能力も無色デッキをサポートしつつ勝ちに繋げられる能力であり、コジレックデッキと噛み合う物となっている
トークンを生成する能力は無色呪文を唱えるたびに使えるマナが1増えるのと同義になるため、コジレックの早期着地を目指すコジレックデッキではありがたいマナ加速能力だ
軽量のマナ・アーティファクトと併用するとより効果的で《魔力の墓所》を使えばマナを使わないどころか3マナも増える
軽いマナ・アーティファクトを唱え、出したアーティファクトと生み出した落とし子からマナを出してさらにマナ・アーティファクトを展開することも可能、序盤のマナ加速に大いに役立ってくれる
無色クリーチャーが出るたびに1点ダメージを与える能力は点数こそ低いものの、コンスタントかつ無制限にダメージを与え続けられる点で有用
上述の落し子生成効果と相まって序盤に立てることができれば相手のライフをじわじわと削っていく
終盤には相手のライフは大きく減っているだろう、大型のエルドラージを使えばトドメもさしやすくなるはずだ
またこれを利用して無限即死コンボも可能になる、一例を挙げておこう
このカード及び《アシュノッドの供儀台》などのサクリ台がある時、無限マナ下であれば
統率者を生贄に捧げてマナを生成、統率領域へ
マナを使ってコジレックを唱える、落とし子生成、1点ダメージ
統率者が出たのでさらに1点ダメージ
と無限ダメージを与えて勝利することが可能になる
統率者が《真実の解体者、コジレック》の場合唱えたときの4ドローで自滅してしまうが、それ以外のコジレックであれば問題なく可能なコンボだ
あくまで一例であり他の勝ちパターンも存在するため、是非相性のいいカードを探してみて欲しい
無色カードしか使えない無色統率者では無限マナを生成できても勝ち筋を拾いにくかったが、汎用的に使いつつ詰めの手段としても使えるこのカードはコジレックデッキの新たなキーカードとして大いに役立ってくれるだろう
ただし2/2というスタッツはかなり心もとなく耐性もないため
相手の呪文1枚で容易に除去されてしまう可能性が高いため油断は禁物だ、装備品などで守ってあげよう
盤面に維持できれば維持できるほど利益をもたらしてくれるため、コジレックの初動と詰め札を兼ね備えた痒いところに手の届くカードと言えるだろう
今後はこのカードをいかに使いこなすかが勝敗を左右するかもしれない、将来性を感じさせる1枚だ
《エルドラージの荒廃者》
役割:エルドラージ・C
滅殺1とサイクリングを持ち、エルドラージを生贄に捧げることで墓地から手札に戻せるエルドラージ
序盤はサイクリングで捨てておき、マナが貯まれば場のエルドラージを使ってまた手札に戻る…と単体で効果はある程度完結しているものの、使いまわし前提ということで6/6の滅殺1と控えめな効果だ
コジレックデッキではエルドラージをあまり横並びさせないため墓地回収効果も使いにくい
上述した《まばゆい肉掻き》などの小型エルドラージ供給手段があればある程度使い勝手は改善するものの、素直に大型エルドラージへと繋いだほうが強いだろう
好きなタイミングで使用できるので追放されそうなエルドラージを墓地に逃がして後で回収する…といった使い方もできなくもないが
それならばサクリ台を用意するほうが繰り返し使え、かつコンボにも絡めることが出来るため基本的にはそちらが優先されるだろう
《コジレックの命令》
役割:A・C初心者にオススメの命令はコジレック!
唱える際にXマナとしてマナを好きなだけ支払うことができ、支払ったXマナの数に応じて
払ったXに等しい数の落し子トークン生成
払ったXに等しい数の占術を行い、1ドロー
払ったXの数値以下のマナ総量を持つクリーチャー1体の追放
墓地にあるカードを払ったXの数分追放
以上4つのモードから2つを選択できるインスタント呪文
同じモードは選択できないものの、汎用性の高い効果を好きな組み合わせで使えるのは小回りがきいて便利
まず落し子のモードはマナを生むため、次のターンに備えて余ったマナをトークンという形で持ち越すことが出来る
インスタントなのでいざという時に即席の壁生成手段として使うのも良いだろう
占術のモードはXが大きければ大きいほど山札のカードを見ることが出来るため、直後のドローと合わせて欲しいカードを手札に加えることが可能だ
無限マナ下では実質的なサーチカードとして機能するためコンボパーツなど詰めの手段を持ってくるのに最適だろう
クリーチャー追放のモードはクリーチャーであれば何でもよく、マナを捻出しやすいコジレックデッキでは大型の除去もしやすいだろう
無色のクリーチャーも除去できるため《全ては塵》などの有色除去を生き残れるクリーチャーも処理することが可能だ
墓地追放は他3つのモードに比べてあまりアドバンテージを得られないものの、相手の墓地利用を防げられる事と使うタイミングを選ばないため2つ目の効果に迷ったら選んでみるのも悪くないだろう
何よりエルドラージ呪文であるため《ウギンの目》の軽減対象になることがこのカードの何よりの強み
Xの値は実際に払ったマナではなく唱える時に宣言した数を参照するため、《ウギンの目》の影響下で「X=5」でこの呪文を唱える場合
コジレックの命令をX=5で唱えることを宣言し、落し子生成と占術のモードを選択
X=5のため、コストは(5)(◇)になる
ウギンの目で(2)軽減されるので、(3)(◇)を支払う
Xは5なので落し子を5体生成したあと、占術5を行って1ドロー
といった流れで処理を行う
これで普通に唱えるよりも実質2マナ分増やしつつ山札を2枚多く見ることが出来るわけだ
無色デッキに欲しかった効果を1枚にまとめてくれるためデッキの枠圧縮になり、限られた用途のカードを入れなくても良くなるのが複数モードを持つ呪文のメリットだ
今まで無色単で使えるモード呪文は無かったハズなので、今回追加されたのは嬉しい限りである打ち消されたら泣こう
《創造の破壊者》
役割:エルドラージ・C
各色からの呪禁と滅殺2を持ち、唱えた時に無色のパーマネント1つにつき1点のライフを回復するエルドラージ
コジレックデッキはなるべく早くコジレックを着地させることが目的のデッキとはいえ、どうしても他のデッキに比べて初動が遅く
クリーチャーもあまり横並びさせないため「とりあえず殴っておくか」の攻撃先として選択されやすい
さらに《魔力の墓所》や《魔力の櫃》などのダメージを受けるマナ・ソースを用いたりするためかなりライフが減りやすいデッキになっている
いくら初期ライフ40の統率者戦とはいえ、コジレックを出したとしてもその頃には残りライフ僅かの虫の息…といった状況も珍しくない
巻き返しや対応が間に合わずにそのまま真っ先に敗北してしまうのを防ぐため、中・終盤での延命手段としてこのカードは活躍してくれるだろう
土地も無色のパーマネント扱いなので順当に土地を置いて出すなら8点のライフ回復になるが、コジレックデッキでは軽量のアーティファクトを序盤に展開することが多いため10点以上回復するのも簡単だろう
各色からの呪禁を持つため呪文や能力による単体除去はほぼ効かず、8という殴り返されるとほぼクリーチャーを失うパワーを持っているため受け要員としては優秀
4という重さの割に低めのタフネスも軽量の火力呪文では除去出来ないギリギリの数値なので、呪禁と相まって守りの要として役立ってくれるだろう
滅殺2も持っているため生き残ることができれば終盤で攻撃に参加して相手の盤面を削りに行けるのも心強い
中盤を支える今までのコジレックデッキに無かった存在となる1枚になるだろう
惜しむらくは統率者戦なので1枚しか入れられないという点だろうか…
《永遠のこだま》
役割:エルドラージ・C
無色の呪文やパーマネントの誘発能力を追加で誘発させ、無色の呪文をコピーするエンチャント
6マナという重さを差し引いても余りあるリターンを与えてくれる大問題児エンチャント
まず呪文やパーマネントの誘発型能力を無条件で倍化する能力だが、これはエルドラージと非常に相性が良いものとなっている
例えばこのエンチャントがある状態で前述の《穢すもの、ウラモグ》を場に出すと
唱えた時の能力が2回誘発するため、対戦相手1人のライブラリーが四分の一になるか、対戦相手2人のライブラリーが半分になる
護法が2回誘発するため、パーマネントを4つ生贄に捧げないとウラモグを対象とした呪文や能力が打ち消される
滅殺が2回誘発するため、相手が生贄に捧げないといけないパーマネントの数が倍になる
滅殺3で出たとしても実質的な滅殺の数値は6となり《引き裂かれし永劫、エムラクール》に匹敵する数値になる
となかなかのやりたい放題な性能へと変化するのだ
《崩壊した現実、コジレック》の強制予示効果も2回誘発するため相手の手札を合計8枚削りながら脅威の8枚ドローが可能
《虚空喰らい、ズロドック》を立てた状態で7マナ以上の無色呪文を唱えれば実質的に頂点壊滅獣「続唱、続唱、続唱、続唱」を持つことになり
無色であればエルドラージでなくてもコピーされるので、例えば《街並みの地ならし屋》の除去効果は唱えたときも攻撃時も2回誘発する
クリーチャーでなくても良いので《見捨てられた碑》のマナ増加能力が1マナ増加から2マナ増加に増え、無色呪文を唱えるたびに4点回復
…とありとあらゆるカードを強化してくれる
このエンチャントの強さに拍車をかけるのは無色の呪文をコピーする効果であり
《エルドラージ覚醒》を唱えた暁には「パーマネントを2つ破壊しつつ8枚ドローし追加の2ターンを得る打ち消されない呪文」というほぼ勝負を決するレベルの化け物ソーサリーが誕生する
エルドラージを唱えると「呪文自体」と「唱えた時の能力」がコピーされるためより強力、《荒廃の双子》を唱えた時には10/10のクリーチャーが4体登場する事になる荒廃の四つ子
他にも《魔力の墓所》をコピーして0マナで無色4マナの加速、《ワームとぐろエンジン》が死亡すると四体に分裂して襲いかかってくる、《ファイレクシアへの門》を出すと各対戦相手のクリーチャーが6体生贄にされ、各アップキープごとに全ての墓地からクリーチャーを最大4体選んでファイレクシアンとして場に出せる…
などなど、ここでは書きつくせないほど相性の良いカードは多い
6マナと少し重めだが、エルドラージ呪文なので《ウギンの目》があると4マナで出せると至れり尽くせりである
しかし当然、欠点も存在する
まずアーティファクトではなくエンチャントなので無色デッキではほとんどサーチ手段が無く(《次元の門》など僅かに存在はする)、《次元橋》などで直接場に出すことは可能なものの、それらを使うのであれば他の勝ちに繋がるカードをサーチしたり場に出した方が良い
また「デメリットになる誘発能力」もコピーされてしまうのが難点で
前述した《魔力の櫃》のダメージ効果も2回誘発してしまう
特にコジレックデッキの貴重なドローエンジンである《1つの指輪》のライフを失う効果が2回誘発するようになるため、効果を数回使っただけで1ターンごとに大量のライフが失われてしまう事になる
それらのカードと併用する場合はライフが尽きる前に早期決着をつけるつもりで行動しよう
とはいえ、これらの難点やデメリットを差し引いても余りある利益を齎してくれるエンチャントだ
総じて入れない理由の見当たらない、極めて強力なカードと言えるだろう
《無霊破》
役割:C
多色の呪文を打ち消すか、多色のパーマネントを破壊出来るインスタント呪文
対抗色の呪文を打ち消す「◯霊破」シリーズの無色版であり、「無色の反対は多色」というイメージで作られたのだろうか?
基本的に統率者戦では色を混ぜることで欠点を補い強いデッキにする…というのが基本的なデッキ構築論になるので多色のカードは使われやすく、それらをたった1マナで対処できるのは強力
すでに出てしまったクリーチャーやエンチャントに対しても破壊のモードで対処できる…と使い所を選ばない1枚
単色及び無色の呪文やパーマネントには無力なので万能というわけにはいかないものの、3人対戦相手がいて多色カードが使われない事は殆ど無いと思われるため
「とりあえず」で入れて損のない1枚と言えるだろう
《終わりを告げるもの》
役割:エルドラージ・A・C
マナ総量7以上の呪文を(1)軽減する能力と無色クリーチャーに+1/+1の修正を与えるエルドラージ
多相やトークンを除けば無色最軽量となる2マナのエルドラージだ
パワー修正は微々たるものなので、本命となるのはやはりコスト軽減のほうだろう
コジレック、ウラモグ、エムラクールのタイタン3体は当然の大型のエルドラージやクリーチャー以外の呪文も軽減されるため
1ターンでも早くコジレックを始めとしたエルドラージを着地させたいコジレックデッキに無くてはならない存在になるだろ0う
また、終盤に引いてしまった場合は2マナという軽さが逆にメリットとして働くのも魅力だ
MtGにおける汎用的な打消し呪文は《対抗呪文》に倣って2マナであることが多く、コジレックデッキの天敵である打消し呪文を《大いなる歪み、コジレック》の能力で打ち消す際のコストとして使用できるのだ
カードプールの広い統率者戦では打ち消し以外にも優秀な2マナ呪文が使用さるので、採用するカードのマナ総量が重要なコジレックデッキでは2マナというコストはそれだけで魅力的なのである
《運命を貪るもの》
役割:エルドラージ・C
ゲーム開始時に公開することで、最初のアップキープ時に山札を4枚見て1枚を山札の上に置くことができるエルドラージ
唱えた時にパーマネントを追放する能力も持つ
最初の手札にあればゲーム開始時、いわゆる「0ターン目」のタイミングで使用出来る能力で
実質的に最初のドローを山札の上4枚から選ぶことが出来るという強力な効果だ
コジレックデッキはスロースタートだが、それ故に初動でいかにマナ基盤を整えるかが重要になるデッキなので
序盤に引きたいカードを引き込めるようになるこのカードはそんな序盤を支えてくれるものになるだろう
見る枚数は4枚とさほど多くないものの《太陽の指輪》などの強力な軽量アーティファクトを手札に加えられればかなり有利に戦局を進められるだろう
一方で山札の上に置かなかったカードは追放されてしまうので「無限コンボのパーツが2枚とも見えてしまった」「強いカードばかり見えた」「コジレックが2枚見えた」などの悲劇も起こりうるので、デッキはよくシャッフルしておこう
そして唱えたときの効果は有色限定ながらパーマネントの追放と強力、破壊不能を無視できるので厄介な相手のカードを処理しやすい一方で無色のパーマネントには無力なのが難点
コジレックデッキの天敵イクゾー!デッデッデデデデ《大いなる創造者、カーン》などのメタ系パーマネントには無色のカードも多く、それらに触れないのは少し残念な所
着地した後は6/6のバニラになるので戦闘面ではあまり貢献できないという欠点もあるが
総合的に見て初手に引いても中・終盤に引いても活躍の場があるため、コジレックデッキを強力にサポートしてくれるカードと言えるだろう
後編へ続く
画像引用元:WotC公式サイト「モダンホライゾン3」カードイメージギャラリー
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