コジレック的「兄弟戦争」新カードレビュー(後編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
初心者にオススメの統率者はコジレック!(挨拶)
今回の記事では前回紹介しきれなかったアーティファクト達と土地を
引き続きコジレックデッキ目線で紹介していこうと思う
カードの評価基準はこちら
前編はこちら(パワーストーン・トークンの解説もこちらに記載)
※この記事はある程度MtGに明るい人向けに書いています
読みづらい所などあるかもしれませんがご了承願います
《ファイレクシアへの門》
役割:C
戦場に出たとき各対戦相手にクリーチャー3体の生贄を強いる効果と
アップキープ開始時に墓地にあるクリーチャーを自分の場に出せる効果を持つアーティファクト
生贄効果はいわゆる「布告除去」というもので、あらゆる耐性を無視できる一方、生贄に捧げるクリーチャーの選択権が相手にあるという問題点がある
しかしこのカードは複数体生贄に捧げさせることでその弱点をある程度カバーしているのが特徴だ
相手がクリーチャーを大量に展開するタイプのデッキならば影響は小さいため、この能力が強力に働くかどうかは相手に依存するのが難点だろうか
特に9マナ溜まっている段階だと相手もそれなりのクリーチャーを並べていることも多いので、除去目的で使う場合はタイミングをよく考えたほうがいいだろう
リアニメイト効果の方も対象を選ばず強力で、出すクリーチャーに制限がなく出す時や出した後のデメリットがほぼ存在しないのが魅力的だ
相手に除去されてしまった自分の大型クリーチャーを蘇らせても良いのだが、相手の墓地からもクリーチャーをこちらの場に出せることを利用し
こちらが除去したクリーチャーなどを相手の墓地から奪える事も覚えておくといいだろう
《金屑石の製錬所》
アーティファクトが戦場から墓地・追放領域に送られるたびにパワーストーン・トークンを生成するアーティファクト
アーティファクト・クリーチャーが破壊されたり、相手のアーティファクト除去などを受けてもトークンを生成しマナ基盤を伸ばすことができる
カードプールの広い統率者戦では破壊よりも追放を意識する白使いも多く
厄介なやつはとにかく追放だ!と考える相手も少なくないため
追放での除去にも対応してくれるのは有り難い
このカード自体が破壊・追放されても効果を使えるので無駄が少なく
相手の超過《汚損破》などを食らっても次のターン立て直すためのマナを維持できるのは嬉しい
一方でこれ自体が何かをするわけでもなく、能動的に動く事が出来ないのは難点な上、アーティファクト以外の除去に対応していないため採用はデッキ内のアーティファクト割合を考えた上で検討したい
《光波の歩哨》
役割:C
多色からのプロテクションを持ち、相手が基本でない土地を置くたびに1点ライフを回復できるアーティファクト・クリーチャー
統率者戦では多色クリーチャー・多色呪文も多くプロテクションが活きる場面は多いが
一方で単色除去呪文が豊富なフォーマットでもあるため、1/2というスタッツでは少し心もとない
2つ目の効果も、特殊な土地を多数採用しがちな統率者戦では誘発しやすい能力なのだは
1度に回復するのが1点では雀の涙程度で土地を置かなくなる終盤になれば無用になる能力なのが難点
刺さる相手には強いが単色デッキなどの刺さらない相手も多いため
より汎用的なカードに席を譲ったほうが良いだろう
《停滞の棺》
役割:C
2マナ払い自身を追放することで
次の自分のターンまでプロテクション(すべて)を得るアーティファクト
プロテクション(すべて)というのはMtGでも右に並ぶもののない豪快かつ強固な耐性であり
自分を対象とするありとあらゆる効果から守ってくれる非常に強力な耐性だ
効果も「次のあなたのターンまで」と非常に長く
4人でターンを回す統率者戦において一度起動さえすればかなりの長期間自分のみを攻撃やダメージから守ってくれる
実際統率者戦では無限マナからの無限ダメージコンボなどで即死する場面も多く、そういったコンボから身を護れるのは強力
また相手が特殊勝利手段を持っていない場合ほぼ確実に次の自分のターンが帰ってくるため
あと1ターンだけ猶予が欲しい…!というときにも有効だ
1つ注意点としてプロテクションを得られるのはプレイヤーである自分自身のみであるため、自分の場にあるパーマネントは一切守られないことを覚えておこう
いざという時の防御手段としては強力無比な物なので枠に余裕があれば採用してもいいだろう
《鋼の模範》
役割:C唱えるときに2色以上のマナを使うと+1/+1カウンター2個を乗せた状態、つまり実質的に6/6として場に出るアーティファクト・クリーチャー
どうすんのこれ枠その2
生み出すマナも使うカードも無色がほとんどのコジレックデッキにおいてわざわざ色マナを生み出すメリットは少なく
何かしらの手段を用いて条件を達成したとしても、出てくるのは5マナ6/6のトランプル持ちとお世辞にも強力とは言えないクリーチャーなのは少し割に合わない
決して弱いカードではないのだが、コジレックデッキにおいてこのカードが果たせる役割は多くないのが現状だ
《石の脳》
役割:C
2マナ支払い自身を追放することで、宣言したカードを対戦相手1人の手札・デッキ・墓地から追放することができるアーティファクト
このカードを一言で表すなら「上級者向け」だろうその割に初心者にオススメ度は高いがあくまでカード自体の強さで評価しているので気にしないで欲しいこのカードの仕様上、能力を最大限活用するためにMtGの膨大な知識と
豊富な対戦経験が必要になるため
初心者・中級者がすぐに使えて強い!というカードではない
しかしカードの知識とこなした盤面に裏打ちされた経験があれば相手の要となるカードを狙い撃ちすることができるのだ
有名な即死コンボとして「ヘリオッド+バリスタ」「伍堂+多勢の兜」「デモコン+タッサ」などが存在するため
まずはそういったありがちなコンボから調べてみるのもいいだろう
ただし効果の仕様上ほぼ1回の使い切りかつ対象に取れるのは対戦相手1人、さらに既に場に出てしまっているカードには対処できないという点には注意したい
相手が再利用しようと墓地に送ったカードを宣言するだけでも相手の動きを大きく阻害できるため、使いこなせるまで場数をこなしてみるのも悪くないだろう
《岩石回収機》
役割:A・C
戦場に出たときにパワーストーン・トークンを1つ生成するアーティファクト・クリーチャー
序中盤のマナ加速としては4コストも支払ってパワーストーン1つ
本体には何も能力がなくスタッツも2/3とマナの割に低めのため、パワーストーンに壁がついてくると考えてもマナ加速目当てで4マナも使うには少し重く感じてしまうのが現状だ
同コスト帯には競合先も多く、採用には検討すべき点が多いクリーチャーと言えるだろう
《洞窟の番人、スー=チー》
役割:B・C
警戒と護法4に加え、死亡した時8マナを生み出せるアーティファクト・クリーチャー
8/8警戒に加え護法4も持っているので相手を殴りつつ壁としても役に立ってくれる
護法4はかなり強めの耐性ではあるが、相手に潤沢なマナがあったり
統率者戦でおなじみの《神の怒り》などを始めとする対象を取らない除去を使われてしまうとあっさり破壊されてしまう
しかし、このクリーチャーは死亡時に無色の8マナを生み出す能力を持っているため、何かしらの除去手段をとられても支払ったマナが帰ってくるのだでも月にしたり鹿にするのは勘弁な!
このマナはステップやフェイズを超えても失われないが
ターンを跨いて持ち越す事はできないため、相手ターンに除去された場合はそのターン中に使い切ってしまうか《地平石》で持ち越せるようにしておくと無駄にならない
また《埋没した廃墟》などで墓地から回収すれば生み出された8マナを使って再びこのカードを唱え直す事もできる
耐性持ちの高パワー高タフネスクリーチャーが気軽に使い回せるので、このカードを採用するならアーティファクト回収手段との併用をオススメしたい
総じて汎用性が高く、コジレックデッキでも十分に採用の余地がある優秀なクリーチャーと言っても過言ではないだろう
《物資投下》
役割:A・C
瞬速を持ち、場に出た時自分のクリーチャー1体に+2/+2修正を行い
4マナ支払い自信を生贄に捧げることで1枚引くアーティファクト
瞬速で場に出して戦闘の補助をした後は1ドローに変換してくれ、というデザインなのだろうが
クリーチャーの全体的なパワーが高く、戦闘においては基本的に有利を取りやすいコジレックデッキにおいて戦闘補助カードは需要があまりなく
ドロー効果も使い切りなのは少し扱いにくい印象を受ける
コストも軽めかつ、戦闘補助とドローソースを1枚でこなせるため汎用性は高く入れても使い道に困る場面は少ないと思われるが
若干器用貧乏な感じのカードなのは否めないだろう
《速歯車のドレイク》
役割:C
飛行と速攻を持ち、場に出た時に墓地のカードを1枚山札の一番下に戻せるアーティファクト・クリーチャー
戻るのは山札の一番下なので、統率者戦に置いてはデッキをシャッフルして運を天に任せるか、サーチカードなどを使わない限り再び使用できない
コレを利用して相手の墓地に置いて置きたいカードを山札に戻すことが可能なのだが、そのような墓地対策を行いたいのであれば《トーモッドの墓所》や《魂標ランタン》などもっと扱いやすく軽いカードが存在するため
このカードを採用する際は自分の墓地のカードもデッキに戻せることで差別化したい
《均整のマトリックス》
役割:C
パワーとタフネスが等しいクリーチャーが自分の場に出る時、1マナ支払うことで1枚引ドローできるアーティファクト
コジレックデッキでは統率者であるコジレックが12/12でパワーとタフネスが等しく、確実に効果を使うことが出来る一方でデッキ内のクリーチャーの割合が少なく、パワーとタフネスが等しいかどうかよりも能力のほうで採用するクリーチャーを決めるためこのカードの効果が誘発する機会がそう多くないのが難点だろう
コストが軽いのは利点だが、より安定してカードを引けるドローエンジンを投入したほうがコジレックデッキでは手札が確保しやすいと考えられる
カードの効果は悪くないが、デッキとの相性が強く出る1枚だと言える
《スランの魔力鎧》
役割:A
装備クリーチャーに護法2を付与し、さらにクリーチャーに同時に装備されている装備品やオーラ1つにつき+1/+1の修正を与える装備品
コジレックデッキにおいてはあまり装備品を採用しないためパワー増強の面ではあまり期待できず、今までの記事で述べた通り全体的なパワーが高めのクリーチャーを多く採用するので戦闘面でのサポートはあまり必要ない
では護法を付与する能力はどうかというと、こちらも耐性としては少し心もとなく感じてしまう
護法は追加でマナを払ってしまえば呪文や効果が通るので、2マナを容易するのが容易な中・終盤では容易に突破されてしまう耐性だ
クリーチャーを守る目的で装備品をデッキに入れるのであれば呪禁や被覆、破壊不能などを付与できるカードを入れたほうが良いだろう
このカードをコピーして複数装備したり、装備品を多数採用するデッキであれば採用する機会はあるため、効果が弱いのではなくデッキとの相性が悪いタイプのカードと言える
《スランの蜘蛛》
役割:C
登場時パワーストーン・トークンを生成し、7マナ支払うことでデッキの上から4枚見てアーティファクトを手札に加えられるアーティファクト・クリーチャー
本体のステータスは実質到達のみと心もとないが、アーティファクトを手札に持ってこれる能力はアーティファクトを多く採用しているコジレックデッキでは有り難い効果だ
ただし起動コストが7マナとかなり重たく、パワストーンによる補助があったとしても使えるのはかなり終盤になるだろう
しかし1ターンに1度の制限がないため大量のマナを払えるのであれば1ターンに複数回起動することも可能で
無限マナコンボが可能であればデッキの中のアーティファクトをすべて場に出すこともできる豪快なコンボも行えるので
このカードを採用するのであれば無限マナギミックをデッキに仕込み、対戦でも積極的に無限マナを狙っていきたい所だ
《爆発域》
役割:A・C
蓄積カウンターを置き、自身を生贄に捧げることで蓄積カウンターと同じマナ総量を持つ土地以外のパーマネントを全て破壊できる土地
乗せるカウンターの数を調節しやすく、相手が小型のクリーチャーを並べるタイプならカウンターの数をそれに合わせて起動すれば一掃できたり
相手の厄介なパーマネントのマナ総量に合わせて狙い撃ちするなど臨機応変な対応が可能だ
しかしこちらのパーマネントも破壊されてしまうため、盤面をよく見た上で一番効果的な数値になるようカウンターをうまく調整していこう
《解体爆破場》
役割:A・C
自身を生贄に捧げることで、相手の基本でない土地を墓地に送り
その後お互い基本土地を山札から場に出す土地
簡単にいえば相手の特殊な土地を基本土地に変えるカードだ
コジレックデッキには《荒地》という基本土地を複数枚採用するため出せる土地が無くなる心配は殆どしなくていいだろう
統率者戦では厄介な効果を持つ土地が多数使われるが、無色デッキではそれらの土地を除去する手段も多くないため貴重な土地破壊手段であるこのカードが役立つ場面は多いだろう
《進化する未開地》
詳細はこちらの記事に譲るが、デッキに入る基本土地が《荒地》1種類のコジレックデッキではあまり役に立たないカードだ
《タグシンの広間》
役割:A
マナを好きな色のマナに変換するマナフィルター能力と、パワーストーン・トークンを生成する能力を備えた土地
パワーストーンから生み出されたマナを用途が限られていないマナに変換したり、余ったマナをパワーストーンに変換するなど使い勝手がよく、単体で能力が完結している
アンタップインなのもすぐ効果が使える利点であり、コジレックデッキでは無色マナも気にならないと、とりあえずでデッキに入れても邪魔にならない土地と言えるだろう
《ミシュラの鋳造所》
役割:A・C
2マナでターン終了時までクリーチャーになり、1マナ払い自身をタップすれば味方の組立作業員1体を強化できる土地
クリーチャーになる能力はいざという時の打点確保や壁要員として使えるため邪魔になりにくい
強化能力のほうは組立作業員を採用しないコジレックデッキではあまり使う機会がないものの、クリーチャー化能力だけでも使う場面は多いと思われる
他の土地とバランスを取りつつ入れてみるといざという時役に立つかもしれない
《トカシアの採掘場》
役割:A・C
3マナ+自身タップで諜報1を行う土地
墓地をあまり利用しないコジレックデッキにおいて、カードが墓地に行く諜報よりも山札の下に送る占術の方を使いたい場面は多い
ただしキーカードを1ターンでも早く引き込み、手札の質を整えることを優先したいコジレックデッキにおいて山札操作手段を増やすことは決して悪い判断ではない
例えば場に《神秘の炉》を置いてある場合、山札の一番上を操作する手段を複数容易しておくことで事故防止に繋がったりする
他の土地よりも優先順位は高くないかもしれないが、相性のいいカードと一緒に入れておくと役立ってくれるだろう
土地の場合、持っている能力が邪魔になるなら使わなければ良い話である
おわりに
アーティファクトをコンセプトの一部に据えた今弾では多数のアーティファクトが収録され、コジレックデッキにとっては見逃せないカードもいくつか収録されている
今回はパックを剥くと稀にデザインをアレンジされた旧枠仕様アーティファクトが出てくることがあり
コジレックデッキでも使いやすい優秀なアーティファクト達が再録されているのでぜひこの機会に今まで手が出せなかったカード達を狙ってみるのもいいだろう
相性の良い新ギミック「試作」を持つアーティファクトが全て有色カードになっているなど有色アーティファクトも多数存在し、思ったほど無色カードが少なかったせいかコジレックデッキの大幅な強化には至らなかったものの
優秀な新顔もいくつか顔を見せており、今後を期待させてくれるパックとなった
個人的には今後無色の試作持ちクリーチャーが出てくることを祈りつつ、今回のレビューを締めくくりたい
それでは次回「ドミナリアリマスター」レビューでお会いしよう
───「へたくそ。」
2022/11/06「初心者にオススメの統率者はコジレック!」botの中の人
画像引用元:WotC公式サイト「兄弟戦争」カードイメージギャラリー
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