コジレック的「指輪物語:中つ国の伝承」収録カードレビュー(後編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
初心者にオススメの統率者はコジレック!(挨拶)
※この記事はある程度MtGに明るい方向けに書いています
分からない用語などがありましたらMtGwikiなどを参考にしていただけると幸いです
カードの評価基準はこちらの記事を参照して下さい
この記事は後編となっております、レビュー前編はこちら
《一つの指輪》
役割:C
・破壊不能
・唱えた時次の自分のターンまでプロテクション(すべて)を得る
・タップしてカウンターを乗せることでカウンター1つに付き1枚ドロー
という強力な3つの効果を持つアーティファクト
指輪物語を代表するアイテムであり、手にすれば大きな力を得られる反面、指輪を所持し続けると所持者を蝕んでいくという性質が再現されている
プロテクション(すべて)はそのターン中他のあらゆる効果からダメージを受けず対象にも選ばれなくする、という効果であり非常に協力
クリーチャーからの攻撃やダメージを与える呪文などプレイヤーを指定して何かしらの行為を行う全てから身を守ることができる
一方で自分の場にいるパーマネントは守ることが出来ないため、それらに対して呪文を打たれても防ぐことはできないので注意しよう
ドロー効果も強力で、マナを支払う必要もなく使うたびにドローする枚数が増えていくという手札が不足しがちなコジレックデッキと噛み合うものになっているが
調子に乗って能力を使いすぎると毎ターン大量のライフが失われていくことになるため注意したい
単純に毎ターン使っていったとしても3~4ターン目には初期ライフの4分の1以上が削られる計算になるためライフ回復手段をほぼ持たないコジレックデッキでは濫用は避けたい所である
ある程度ドローしたら《生命維持コード》などで毎ターンバウンスし続け自分にプロテクションをかけ続けるなど一工夫すれば運用しやすいだろう
物語の軸となったアイテムのカード化だけに、このカードを使う側にもそれなりの覚悟が求められる1枚となっている
使いこなす自信があれば採用してみるとよいだろう
《オルサンクのパランティール》
役割:C
終了ステップ毎に相手プレイヤーを1人選んでカウンターを1つ起き
選ばれた相手は「相手に1枚引かせる」か「相手にこのカードに置かれたカウンター分切削させ、墓地に落ちたカードのマナ総量の合計に等しいライフを失う」かを選ばせる
MtGには「相手に選ばせる効果は弱い」という不文律があり嘘真?知りませんね…相手にとって影響の少ない方を選ばれるため、結果的に旨味が少なくなってしまうという意味である
例えばこのカードの場合相手がライフを失いたくないのであればドローの方を選び、ライフに余裕があれば切削の方を選ぶといった具合である
マナコストの重いコジレックデッキではライフを大きく減らせる上、山札が出るデメリットも真実を解体する方のコジレックや無限に廻る方のウラモグなどの墓地回収効果で山札を回復することができるため
蓄積カウンターが大量に溜まった状態を維持できれば相手のライフを大きく削り続けることができるものの、増殖などを駆使したとしてもまともに運用できるようになるまで時間がかかりすぎるのがネックだろうか
飛び抜けて強くはないもののコジレックデッキとの相性は悪くないので
デッキの隠し味として投入してみるのも悪くないだろう
《ガラドリエルの玻璃瓶》
役割:A C
手札が0枚のときに引くカードが2枚になる効果とライフ5点以下のときに回復するライフが倍になる効果を持つアーティファクト
いわば窮地に挽回しやすくなるアーティファクトであるが、コジレックデッキにおいて両者の効果が適用できる状況は少ない
確かに序盤は手札が枯渇しやすいものの、手札に中型のクリーチャーやエルドラージを抱えている場面が多く手札が完全に尽きる状況は少ない
またライフを回復するカードもコジレックデッキではあまり採用されず、統率者戦においてライフが5点以下になる状況も少ないためこのカードの効果が有効に働く場面はあまりないだろう
そうなるとマナ・アーティファクトとしての競合先が多くなるため、残念ながらデッキに積極的に投入したいカードではないと言わざるを得ない1枚だ
ただし、あくまでコジレックデッキとの相性が良くないだけであってこのカード自体はデッキ次第で十分に採用の余地があるカードだということは留意してほしい
《ホビット庄のかかし》
役割:Cどうすんのこれ枠
防衛を持ち、マナフィルターとしても機能するかかし
単色であるコジレックデッキではマナの色を変える能力もあまり役に立たず
ステータスも貧弱で防衛を持っているので攻撃もできない、と微妙な1枚
コジレックデッキでは採用する余地はないが、カカシのタイプを持っているマナフィルターのため《刈り取りの王》使いには垂涎ものだろう
《きらめく短剣、つらぬき丸》
役割:B
装備クリーチャーに+1/+1修正と速攻を付与し、各戦闘開始時に装備クリーチャーをアンタップする装備品
装備クリーチャーがゴブリンやオークと戦闘を行うのであれば先制攻撃まで付与してくれる
原語版では突き刺すといった意味の「スティング」という名前の剣なのだが、日本語訳されるにあたり「つらぬき丸」というダサい個性的な訳語が充てられてしまった
(補足しておくと〇〇丸という名前は日本における剣の命名法則としてはメジャーなものであり「小烏丸」「数珠丸」「膝丸」など著名な日本刀に〇〇丸の名がつくことはよくある事のため、誤訳というわけでは無い)
少し脱線してしまったが効果は優秀で、装備クリーチャーに擬似的な警戒を付与できるだけでなく相手の能力によるタップを受けても戦闘開始時になればアンタップして相手を攻撃・迎撃できるようになる
+1/+1と修正値は微々たるものだが、コジレックデッキで採用されるクリーチャーは全体的なパワーが高めなので気にならない
3つ目の効果はめったに有効化されないだろうが、オークやゴブリンにも優秀なクリーチャーは多くそれらとの戦闘で大きく有利を取れるのは有り難い
とは言ってもオークデッキならともかく統率者戦におけるゴブリンデッキは《上流階級のゴブリン、マクサス》や《群衆の親分、クレンコ》など数に物を言わせるデッキが多く1体をゴブリンキラーにしても対策としては不十分なところが悩ましい所だ
はっきり言ってしまえばそこまで強い装備品ではないものの、優秀な能力を持っていることは間違いないため
自分のコジレックに主人公気分を味合わせたいときは採用してもいいだろう
《エレヒの石》
役割:C
対戦相手のクリーチャーが死亡代わりに追放する能力と
生贄に捧げることで相手1人の墓地を全て追放し1枚引く能力を持つアーティファクト
相手の墓地利用を抑止するアーティファクトは多数あれど相手のみに効果を及ぼすものは珍しく、こちらの動きを阻害せずに相手だけを妨害できるのはかなり強力な効果だ
統率者戦では(例外はあれど)どんなに強いカードも1枚しか採用できないため「強力なカードを何度も使いたい」というプレイヤーは少なくない
そのため相手が墓地を利用しないデッキであってもこのアーティファクトを置いておくだけで小さくない影響を与えられるのだ
追放するのはクリーチャーだけかつ山札や手札から直接墓地に送られるクリーチャーは追放されないため完全に墓地利用デッキを封殺できるわけではないものの、軽いコストで相手にプレッシャーを与えられるこのカードは優秀だと言っていいだろう
…ただし、このアーティファクトを置いたが最後一部プレイヤーからの総攻撃を受ける覚悟はしておいたほうがいいかもしれない
《魔法使の打ち上げ花火》
役割:C
Xマナを支払い生贄に捧げることで支払ったマナを望む色のマナに変換するアーティファクト
場から墓地に置かれた時に1ドローできる効果も付いている
いわゆるマナ・フィルターであり、土地やアーティファクトから生み出した適当なマナを好きな色に変換できるため多色デッキでは重宝する能力だ
変換できるマナ数の融通が効き、おまけでドローも付いてくる《大瀑布》と考えたほうが良いだろうか
コジレックデッキでは色の種類を気にする必要はないためこの能力が有効活用できる場面は限られてくる
一応パワーストーンから生み出されたマナをクリーチャーなどを唱えられるマナに変換できるが、それを行いたいのであれば使い切りタイプのコレではなく別のカードを採用したほうがいいだろう
タップインのため即座に効果を使うことも出来ずXを0にして1マナ手札交換カードとして見なすことも難しいため、残念ながらコジレックデッキではこのカードが活躍する場面はあまり無いだろう
《城塞の大広間》
役割:A C
マナを好きな色の組み合わせに変換できる能力を持つ土地
変換したマナは伝説の呪文を唱えるためにしか使用できなくなるので、伝説以外の呪文も多いコジレックデッキでは活用機会はあまりないだろう
《魂の洞窟》などのように副次的効果が付与されるわけでもないのでわざわざこの土地を使う意義も薄い
ただしアンタップインかつ無色マナを生み出せるため投入しても邪魔になる土地ではないため、イラストが気に入ったのであれば枠次第で投入しても何ら問題はないだろう
《灰色港》
役割:A C
場に出た時占術1を行い、無色マナに加えて墓地にいる伝説クリーチャーの固有色と同じ色のマナを生み出せる土地
過去のレビューでも触れた通りコジレックデッキに入れられる伝説クリーチャーは全て無色なため、それらのカードが墓地に置かれてもこの土地の後者の能力で無色マナを生み出すことはできない(無色という色があるわけではない)
ただしこの土地は無色マナを出せるので問題はないだろう、デメリットにはならない
さらにこの土地には「アンタップインされて占術もできる土地」というところに強みがある
そう、2枚目の《ザルファーの虚空》としての運用が可能なのだ
確かに占術は即効性がなく直接アドバンテージにつながる能力ではないが、土地を置いただけで行えるとなると話は別だ
コジレックデッキに留まらず統率者戦において手札の質は無視できない重要な要素なので「今引きたくないカードを次のターンに引かない」という状況を生み出せるのは悪くない
土地のプレイはメインフェイズであればいつでも可能なので中~終盤で何かしらのドロー能力を使う前にこの土地を置き「ちょっと山札の上を覗いておこう」といったプレイングも可能だ
2つ目の能力はインクの染みと割り切ってしまえば使い勝手の良いカードと言えるだろう
おわりに
当方は「指輪物語」の知識に乏しく「あのアイテムがカード化!」といった盛り上がり方が出来なかったのが少し残念ではあるが
それを抜きにしてもコジレックデッキにとって有益な無色カードがいくつも収録されているため、魅力的なパックとなった今弾
大量ドローを得意とするコジレックを牽制する《オークの弓兵》を始めとし有色のカードにも強力なものが多数収録されているため
皆様も自分の統率者デッキに合ったカードを探してみてほしい
それでは次回「統率者マスターズ」収録カードレビューでお会いしよう
2022/06/11「初心者にオススメの統率者はコジレック!」botの中の人
画像引用元:WotC公式サイト「指輪物語:中つ国の伝承」カードイメージギャラリー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?