コジレック的「エルドラージ解放」新規カードレビュー(新規編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
初心者にオススメの統率者はコジレック!(挨拶)
統率者戦向け再録パックにしてマスターズ新規「統率者マスターズ」の発売が迫り収録カードのプレビューが行われている中
パックと同時発売となる構築済デッキ4種類の収録カードが公開された
事前の予想に反し定価11000円と普段の構築済み統率者デッキと比較して3倍以上の値段がつけられてしまったものの
収録内容もその値段に見合った豪華なものとなっているただしそのせいで初心者にオススメし辛くなった
この記事ではそんな統率者デッキのうち無色デッキである「エルドラージ解放」に収録されているカードの中から
新録カード10種全部とピックアップした再録カードをレビューしていこう
また記事の長大化を防ぐのとモチベ維持のため、今回のカードレビューは「新録カードレビュー編」と「再録カードピックアップ編」の2つに分けさせていただく
※この記事はある程度MtGに明るい方向けに書いています
分からない用語などがありましたらMtGwikiなどを参考にしていただけると幸いです
カードの評価基準はこちらの記事を参照して下さい
《虚空喰らい、ズロドック》
役割:C
手札から唱えたマナ総量7以上の無色呪文に「続唱、続唱」を与えるエルドラージ
注釈文にもある通り、続唱とは山札を上から追放して続唱を持つ呪文以下のマナ総量を持つ呪文をタダで唱えられる能力である
単純に考えれば1枚のカードが2枚分になる強力なキーワード能力で、それをお手軽に2つも付与できるのは非常に心強い
続唱が2つ付与されていれば2回続唱を行えるため、やや運頼りな面はあるものの1枚のカードが3枚に増えるに等しい
そのかわり条件は「無色+マナ総量は7以上+手札から唱えた呪文のみ」と厳しいものの
続唱はその特性上コストが高ければ高いほど重いカードを踏み倒しやすくなるためあまり気にならない
ズロドック自身は6マナのためズロドックを出した次のターンに続唱を狙いに行けるのもマナが綺麗に繋がる
統率者に据えた場合パワーが7と3回殴れば統率者ダメージが21点となる、相手を丁度敗北させられる数値となっているのも良い
しかし強力な効果を持つ反面タフネスが4とコストに反してかなり低めな点は留意しておきたい
盤面に維持することが重要なカードでありながら4点のダメージ1発で沈む貧弱さはやはり気になる所だ
赤入りの統率者なら2マナ前後で処理されてしまう脆さである、これはいただけない
ズロドックが居るか居ないかで稼げるアドバンテージにグっと差が出てしまうので、できるだけ守ってやりたい
対策として呪禁や破壊不能を付与するのが良いが、装備品などでタフネスを上げてやるだけでも生存率はぐっと上がるだろう
続唱を付与できるのは手札から唱えた呪文に限られるためコジレックなどの他の無色カードを統率者にしている場合
ズロドックがいる状態で統率者を唱えたとしても続唱が付与されない(統率者が統率領域から唱えるため)のも覚えておこう
序盤はマナ・アーティファクトでマナを伸ばし
↓
中盤でズロドックを唱え
↓
終盤で続唱+続唱を付与した大型呪文を連打し盤面を制圧
と動きが分かりやすいため
真に初心者にオススメすべき無色統率者が出てきてしまった感は否めないが
ドロー能力や滅殺打ち消しの有無などコジレックにしかないメリットもあるため
今後も当記事では初心者にオススメの統率者をコジレックとさせていただく
初心者にオススメの統率者は◯◯◯ッ◯!
…ところで君、虚空の選別者君だよね?
《幽霊火の修練者、オマルティス》
役割:C
支払ったマナの半分に等しい数の+1+/1カウンターが乗った状態で場に出る上
無色クリーチャーの上に+1/+1カウンターが乗った時にその数と同じカウンターを自身にも乗せる効果を持ち
自身が死亡した時に乗っていた+1/+1カウンターの数に等しい数予示を行うクリーチャー
予示とはクリーチャーを裏向きにし能力のない2/2のクリーチャー扱いとして場に出す効果であり
適切なマナコストを支払えばいつでも表向きにできるため奇襲性の高いものとなっている
カウンターを貯め死亡時に予示をばらまく、というコンセプトだが予示のルール上コストを支払って表向きにできるのはクリーチャーに限定されるため
クリーチャー以外が予示されてしまった場合ただの2/2バニラクリーチャーとして扱われてしまうのが難点だ
クリーチャーをあまり採用せずクリーチャーも重めのカードが多いコジレックデッキではうまく噛み合わないが
効果自体は癖があるものの強力なため彼単体を統率者に据えたデッキであれば活躍できるだろう
《難解なアルカイック》
役割:C
警戒を持ち、1マナ+自身のタップでマナ能力でない無色カードからの起動型もしくは誘発型の能力をコピーするクリーチャー
《ブライトハースの指輪》と《ストリオン共鳴体》を合わせて少し調整したようなカードで、使い所は多い
《真実の解体者、コジレック》のドロー効果は誘発型なので、それを複製すれば8枚と驚異的な枚数のドローが可能になる
その他にも唱えたときにパーマネントを除去できる《ウラモグ》2種など「唱えた時」に誘発する能力は基本的に誘発型能力に分類されるため、このカードでコピーすることが可能だ《荒廃の双子》を《荒廃の三つ子》にできるぞ!
起動型能力もマナ能力でなければよいので《玄武岩のモノリス》のアンタップ能力をコピーし4マナを6マナに変換することも可能だ(もう片方の能力はマナ能力に分類されるためコピーできない)
汎用性が高く1度だけ使うのであれば《ブライトハース》や《ストリオン》よりもコストが1マナ軽いため
相性のいいカードが多く採用されているのであればコジレックデッキでも活躍できる1枚だろう
《巨人の災厄》
役割:C
唱えるときに手札にある無色のクリーチャーを公開し、公開したカード以下のマナ総量を持つクリーチャーとプレインズウォーカーをすべて追放するソーサリー
手札に重めの無色カードを抱えている必要があるものの無色デッキ待望の全体除去カード
相手の場に《原初の飢え、ガルタ》などの重いクリーチャーが存在していたり、手札にクリーチャーカードが居なかったりする状況も少なくないため
いつでも使えて一定の成果を上げてくれるカードというわけではないが
今までコジレックデッキで触りにくかったプレインズウォーカーまで除去できるのは大きい利点だ
自陣まで一掃してしまうため重すぎるカードを公開してしまうとかえって不利になってしまう可能性もあるが、そこはコジレックのドロー能力からくる豊潤な手札で適切なマナ総量を持つカードを見極めるようにしよう
状況を見極めて相手のクリーチャーのみを一掃できたときの感動はひとしおだ、ぜひとも使いこなしてみたい1枚と言えるだろう
《現実の冒涜》
役割:C
各対戦相手がコントロールしていて偶数であるパーマネントを追放し、無色マナを3点以上支払って唱えていた場合墓地にある奇数のパーマネントを場に戻せる呪文
エルドラージを開発するにあたりWotCは当初「奇数」というコンセプトを検討していたらしく、このカードもそれをイメージしたものとなっている
(このコンセプトは《虚空の選別者》の効果などに名残が見られる)
一度に複数の除去が行えるのは強力なのだが、追放したい相手のカードが全部偶数だった…という場面はあまりないだろう
触りたいカードに触れないときも多く、除去として頼るには少し不安定な性能をしている
注釈文にもある通り0は偶数として扱うため、除去先に困った時は相手の能力持ち土地を追放してしまうだけでもかなり有利になるはずだ
一転して一徹能力は強力、奇数かつパーマネントであれば無条件で場に戻せるため
墓地に送られてしまったアーティファクトや大型のクリーチャーを戦場に戻し再利用できる一方
場合によっては戻したいカードが無い…という状況もありうるだろう
また現時点では奇数のエルドラージも少なく、強力なエルドラージであっても偶数コストの場合もある
さらに直接場に戻すので「唱えた時」の効果が使えない…など難点も多いため雑に唱えてもあまり旨味がないカードになっている
使う時は状況を見極め単なる除去or蘇生札として割り切るなど使い手の腕が試される1枚となっている
《忠誠の剥ぎ取り》
役割:エルドラージ
唱えた時クリーチャー1体を指定しターン終了時までコントロールを得た後アンタップさせ
基本PTを10/10にした上でトランプルと滅殺2と速攻を与えるクリーチャー
自身もトランプルと滅殺2を持つ
簡単に言うならば「お前もエルドラージになるんだよ!」といった行為が可能なクリーチャーであり
1ターンの間任意のクリーチャー1体を擬似的にエルドラージ化するという強力なものとなっている
当然相手のクリーチャーを奪うのが主な使い方になるだろう
能力は上書きではなく付与するタイプなので飛行や馬術、シャドーなどのブロックされにくくなる能力を持っているクリーチャーを対象にすれば相手に大ダメージを与えることが可能だ
また変則的な使い方になるが自分のクリーチャーを対象にすることで滅殺を重複させたりトランプル付与による突破力を上げたりすることも可能だ
貧弱な置物がいきなり超大型クリーチャーに変貌して襲いかかってくるのは驚異だろう
特に奪いたいor奪えるクリーチャーが無い時に有効なので覚えておこう
欲を言えば何かしらの「自身のクリーチャーを生贄にする」能力を持つカードと併用して奪ったクリーチャーを返さずにそのまま墓地送りにしたいが
そこまで欲張らなくとも十分強力な効果であることは間違いないため
単純にコントロール奪取しつつ殴れるカードとして見ていいだろう
《跳ね回るシケイダ》
役割:C
瞬速を持ち無色呪文に瞬速を与える効果と、無色呪文を唱えるたびにそのマナ総量文のPT修正を受けトランプルも得るクリーチャー
このクリーチャーを出した後にマナ総量が大きい呪文を唱えることでパワーが大幅に上昇するのが特徴だ
唱えた場所を問わないので《ズロドック》を統率者に据えた場合大型呪文+続唱2回で唱えた呪文分のパワーも加算されるため運次第では莫大なパワーを得られることになる
トランプルも付与されるため「せっかく高パワーを得たのに相手のクリーチャー1体で止められてしまった」という状況も防げると痒いところに手が届く能力だ
「最初から高パワーのクリーチャーを出したほうが良いのでは?」という考え方もあるだろうが
その場合は瞬速による奇襲性の高さも加味した上でデッキに採用するかを考えよう
無限マナからの無限コンボなどハマった時の爆発力は高いため、枠次第では投入する余地はあるだろう
《ダークスティールのモノリス》
役割:C
1ターンに1度、手札にある無色の呪文1枚のコストを0にしてしまうアーティファクト
コストを0にしてはいるが唱えているため「唱えた時」に誘発する能力は問題なく使える
これほどまでに強力な効果を持っているにもかかわらず、加えて破壊不能まで持っているため除去されにくいのもメリットだ
8マナという重いマナコストも次に唱える呪文をタダにしてしまえれば呪文次第で十分お釣りが来るだろう
8マナ以上の呪文であればむしろお得に唱えることも可能だ
統率者のコストが0にならないのは少し残念だが、それが出来てしまうと流石に即禁止レベルのパワーカードになってしまうんのでやむなし
コジレックデッキではまず腐らない、優秀なアーティファクトと言えるだろう
《ウギンの支配》
役割:C
無色クリーチャー呪文を唱えるたびに予示を行い、合計パワー6以上で攻撃した時裏向きのクリーチャー1体をタダで表向きにできるエンチャント
大型クリーチャーを予示で出しておき、裏返すことでタダで場に出せる…といったコンセプトなのだろうが
コジレックデッキではクリーチャーをあまり多く採用しないためまず予示でクリーチャーが出てくる確率が低い
後者の裏返し能力もパワーが高いエルドラージ達で攻撃すれば達成しやすいが、あくまで表向きにするだけであって唱えたりしているわけではないため「唱えた時」の能力が誘発しなかったり
タイミングが攻撃時のためエルドラージを予示できても滅殺が機能しないなどコジレックデッキとはいまいち噛み合わない印象を受けてしまう
MtGには裏向きをテーマにしたカードも多くあるため、それらのサポートとして採用するのが良いだろう
《エルドラージ覚醒》
役割:C
無色デッキの奥義とも言える超強力呪文
パーマネントを破壊し、4枚引き、エクストラターンまで得られると至れり尽くせりの効果に加え打ち消されない効果まで持っている
エルドラージが初登場したパック「エルドラージ覚醒」の名を冠するだけあって
・ウラモグをイメージしたパーマネント破壊
・コジレックをイメージしたドロー効果
・エムラクールをイメージしたターン追加効果
と三大タイタンをイメージした3つの能力を行使できる
どれも単純故に強力ではあるが、やはり気になるのは12マナという膨大なコストだろう
唱える際の制限は特に無いため、無限にマナを生み出せるようにしておくか上述の《ダークスティールのモノリス》で踏み倒すなど欠点を補う工夫が必要になるだろう
汎用的かつ非常に強力な効果が詰め込まれているため、マナに余裕があればこの呪文をコピーしてしまうのも有用だろう
《石成エンジン》やこのデッキに収録されている《鏡の池》などを使えば無色デッキでも呪文のコピーは容易だ
マナを大量に消費するため浪漫の域を出ないが決まれば打ち消されないため通りやすく、8枚ドローと追加2ターンで一気に勝負を決めに行けるため
余裕があれば狙ってみるのも悪くないだろう
おわりに+雑記
待望の無色構築済統率者デッキというだけあって新規カード達はかなり有用なものが揃い踏みとなっており
初心者をはじめとして中級者・上級者にとっても魅力的なものに仕上がっている
次回は「エルドラージ解放」で再録されたカードの内、個人的に強力だと思うものをいくつかピックアップしていこうと思う
それでは次回「再録編」でお会いしよう
2023/07/22「初心者にオススメの統率者はコジレック」botの中の人
雑記
昨今の騒動の余波によりツイッターでの活動が難しくなってきたため、暫定的ではありますがディスコードサーバーを建てさせていただきました
ダイスbotなども入れていますので対戦・雑談等ご自由にお使いください
画像引用元:WotC公式サイト「統率者マスターズ統率者」カードイメージギャラリー
https://magic.wizards.com/ja/news/card-image-gallery/commander-masters-commander
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?