コジレック的「ドミナリア・リマスター」再録カードレビュー(後編)
初心者にオススメの統率者はコジレック!
はじめに
この記事は後編です、前編はこちらからご覧ください
カードの評価基準はこちら
※ある程度MtGに明るい人を対象に記事を書いています
分からない用語などがありましたらwikiなどで調べていただければ幸いです
《羽ばたき飛行機械》
役割:C
飛行0/2のアーティファクト・クリーチャー
なんといっても魅力的なのが0コストな所
アーティファクトとして見ても、金属術(アーティファクトを3つコントロールしているなら有効化される能力)を始めとしたアーティファクトを並べるタイプのデッキにおいて場のアーティファクト数を底上げするのに使え
軽量クリーチャーとしてとして見ても装備品やエンチャントなどで強化してこうげきするもよし、忍術(ブロックされていないクリーチャーと入れ替わる能力)のタネにするもよしと幅広い活躍が可能だ
しかしコジレックデッキでアーティファクトの数を増やしたい場合は他のマナ・アーティファクトを使用すればよく
クリーチャーとして見ても軽さと飛行を有効活用しにくいのが現状だ
0マナで飛行を出すよりも1マナでマナ基盤となるアーティファクトを出したほうが良いので、採用はよく考えるべきだろう
上述の通り決して弱いカードではないのだが…
《スランのゴーレム》
役割:C
オーラがついている限り+2/+2の修正及び飛行、先制攻撃、トランプルを得るアーティファクト・クリーチャー
得られる能力はどれも強力で、有効化する条件もオーラをつけるだけでよいという中々優秀な能力を持っている
というわけでこのカードをコジレックデッキで使用する場合、どのようなオーラをつければ良いかを調べてみよう
カード検索サイトでコジレックデッキでも使用できる無色のオーラを探し、以下にリストアップしてみた
…以上であるつまるところコイツも「どうすんのこれ枠」である
《トーモッドの墓所》
役割:C
自身を生贄に捧げることでプレイヤー1人の墓地を追放するアーティファクト
墓地を追放することで墓地のカードを再利用されることを防ぐ「墓地対策」用のカードである
状況によっては一発で相手1人を「詰み」の状態に持っていけるポテンシャルを秘めているにも関わらず、効果の起動に全くマナを消費しないという破格の性能を持っているため有色無色を問わず様々なデッキで採用されている優秀なカードだ
アーティファクトやエルドラージを唱えるためにマナを使いたいコジレックデッキにおいてもマナを消費しないという点で相性が良く、墓地対策が活きる場面は少なくない採用しても邪魔ににくいのが特徴だ
一方で0というマナコストはMtG全体を見渡しても少ないため、腐る場面で手札に保持しておき《大いなる歪み》のコストにする、といった使い方をし辛い点は留意しておきたい
《トリスケリオン》
役割:C
+1/+1カウンターが3つ置かれた状態で場に出で、カウンターを取り除くと1点のダメージを好きな対象に飛ばせるアーティファクト・クリーチャー
無色かつ何らかの手段でカウンターを補充出来れば無限にダメージが飛ばせるため、統率者戦においては無限ダメージコンボのお供として使用される
統率者にも指定できる《不浄なる者、ミケウス》や《太陽冠のヘリオッド》と組み合わせたお手軽コンボは有名だろう
一方で単体での性能を見た場合6マナという重さで4/4というステータスとなり、ダメージも3回しか飛ばせなくなってしまう
《カーンの拠点》などによる増殖などでカウンターを増やしてやればダメージをコンスタントに与えられるクリーチャーとして使用できなくもないが
ドローやサーチ手段の乏しいコジレックデッキにおいてそう都合よく2枚が揃う機会は多くないだろう
あるいは使い切りの小型除去用兼壁として割り切ってしまうのもアリか
総じてコジレックデッキとの相性はあまり良くない1枚だ
秘めたポテンシャルは高く、今でも十分評価されているカードではあるのだが…
《生命維持コード》
役割:C
各プレイヤーのアップキープ開始時にそれぞれ「2点のライフを支払う」か「自分がコントロールしているパーマネントを1つ手札に戻す」選択を強いるアーティファクト
MtGでは「相手に選択させる効果は弱い」という不文律がある
詳しい解説はWikiの「山分けカード」のページに譲るが
つまり相手にとって最もデメリットが小さい方を選ばれてしまうため、あまり強く働かないのだ
このカードも例に漏れず、ライフが40点もある統率者戦で2点のライフは支払いやすいためこちらの選択肢が選ばれやすいだろう
そのため除去として使うには少々心もとないが、ここで「このカードのバウンス効果は自分も使用できる」という点が重要になってくる
一度場に出したエルドラージを手札に戻すことで「唱えた時」の効果を再び使用することができるのだ
例として《コジレックの職工》と《荒廃の双子》を紹介しよう
コジレックの職工は唱えたときに墓地にあるクリーチャーを戦場に戻せるため、毎ターン唱えることで墓地に落ちてしまった大型のエルドラージを蘇らせ続けることができるのだ
《荒廃の双子》は唱えた時に大型のトークンが生成されるため、クリーチャーが手札に戻ってしまうことで防御が手薄になるデメリットを軽減することができる
このように毎ターン強力なエルドラージの効果を使えるのは強く、安定したマナ基盤さえあれば戦況をじわじわと有利な方向に持っていくことすら可能にしてしまうのだ
一方でこれは相手にも言えてしまい、相手のクリーチャーの「場に出た時」効果も使い回されてしまうため
そういうクリーチャーが盤面にいる時は場に出さないようにしよう
これが既に盤面にある状態で相手がそのコンボを狙ってきた場合は、次のターンこのカード自身を手札に戻すことて阻止できることを覚えておこう
《神の怒り》を始めとした全体除去呪文は4コスト帯であることが多いため、《大いなる歪み》で打ち消せるよう手札に4コストのカードを持っておくのは重要だ
総じてトリッキーな立ち回りが要求されるカードであるため、統率者戦で「勝利を目指すこと」ではなく「皆で楽しむこと」を目的とするのであれば採用しておくと面白いかもしれない
《ウルザの青写真》
役割:C
タップするだけで1ドローできるアーティファクト
ドローソースとしては非常に優秀で、マナを消費せずに手札が1枚増えるのはMtG全体を見ても中々見ない強力な効果である
ただしこのカードがあまり他のデッキで採用されないのはその重いコストに加えてエコーまで持っているためだろう
唱えるのに6マナかかり、さらに次のターンのアップキープにもう1度6マナを支払わなければ墓地に行ってしまうのだ
安定したドローソースを得るために12マナもかかってしまうのはマナを生み出しやすいデッキでも重く、コジレックデッキでもエルドラージを1体出すのに必要な分かそれ以上のマナを注ぎ込まなければならない
アーティファクトを多数採用しておりある程度マナを確保しやすいコジレックデッキでも2ターンほど動きが止まってしまうのはかなり大きいデメリットだ
盤面が膠着している時など、特に唱えるべきカードがない状態で隙を見て唱えるなど使う場合はよく状況を見極めた上で行いたい
「エコーのコストを支払わない」という選択も可能なためマナを使いたくない時は次のターンにアンタップしてすぐ効果を使用し生贄に捧げることで6マナ2ドローのカードとして扱うことも可能だ
コストパフォーマンスは悪いが状況によってはこのようなプレイングも必要な時もあるので覚えておいて損はないだろう
《ウルザの保育器》
役割:A(実質的に) C
クリーチャー・タイプ1つを選び、そのタイプを持つクリーチャーのコストを(2)少なくするアーティファクト
エルドラージを早期着地させることに特化したコジレックデッキにおいて2マナも軽減してくれるカードはありがたい存在だ
相手も影響を受けてしまうのが難点だが、選んだクリーチャー・タイプのコストしか軽減しないためこちらのクリーチャーをエルドラージで固めておけば良い
統率者戦ではエルドラージを採用したデッキは少なく、基本的には自分だけメリットを享受できるので他のコスト軽減カードに比べて使いやすいのも特徴だ
一方で《約束された終末、エムラクール》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》など汎用的な効果を持つエルドラージは土地を伸ばしやすいデッキで採用されていることもあるのでそれらの召喚も助けてしまうことは注意しよう
《ガラクタの壁》
役割:C
タフネスが7もあるが、ブロックした後手札に戻ってしまう壁
2マナでタフネス7は破格のスペックで、基本的には使い切りの壁として使用することになるだろう
本体のコストも軽いため何度も使いまわし相手クリーチャーの攻撃を受け止め続ける…といった運用が可能でエルドラージを出すまでの繋ぎとしてこちらのダメージを最小限に抑えるのであれば悪くはない
ただし良くも悪くも文字通り「壁」としてしか役に立たないためコジレックデッキにおいては他の汎用的なカードのほうが優先的に採用されがちだろう
自分で攻撃する分には手札に戻らないので《策略の龍、アルカデス》を統率者に据えたデッキなどで活用してあげよう
《暗黒の深部》
役割:C
氷カウンターが10個乗った状態で場に出て、3マナ支払う事でカウンターを1つ取り除くことができる土地
カウンターが乗っていない時に生贄に捧げることで以下のトークンを場に出すことができる
簡単に言えば、分割可能の30マナを支払うことで強力なトークンになる土地と考えれば良い
ただしマナ加速に特化したコジレックデッキといえど30マナはそう用意できる数値ではなく
余ったマナをちまちまつぎ込んでもトークンが出るまでかなりターンを跨ぐことになるだろう
何かしらのコンボで無限のマナを用意できるまで待つのもいいだろう
カウンターが乗るのは場に出る時のみなので《演劇の舞台》でコピーすればすぐにトークンを場に出せるのは覚えておこう
注意点としてこの土地はマナを生み出せないため、序盤に引いてしまった場合ただでさえ動きの遅いコジレックデッキの初動が更に遅れることになる
マリガンの際には他にも十分土地を用意するなど注意すべきだろう
《宝石鉱山》
役割:A
カウンターが3つ置かれた状態で場に出て、タップ+カウンターを1つ取り除くと好きな色のマナを1点生成できる土地
多色デッキでなら声がかかるかもしれないが、コジレックデッキなどの単色デッキでは3回使っただけで墓地に行ってしまう土地の居場所はないだろう
カード自体はアンタップインできるなど弱くないもの、デッキとの相性があまり良くないパターンだ
《イス卿の迷路》
役割:C
タップすることで実質的に攻撃クリーチャー1体の攻撃を無効化できる土地
一撃に全てを賭けるタイプのデッキを相手にする時にはこれで攻撃を止め続けられるので強力なのだが、横並びしたクリーチャーの数で圧倒するタイプのデッキには無力なのが難点
また土地でありながらマナ能力を持たないため、上記の暗黒の深部と同じく序盤に引いてしまうとテンポを損なってしまうことは頭に入れておこう
《ミシュラの工廠》
役割:A C
以前レビューした《ミシュラの鋳造所》とほぼ同じ効果のため、評価はこちらを参照してほしい
《堆石堤》
役割:C
2マナ支払い自身を生贄に捧げると基本土地を山札から直接場に出せる土地
使える基本土地が《荒地》だけのコジレックデッキにおいてこのような効果はデッキ圧縮以外の用途を考えにくい
自力でマナを生み出す分まだ使えるが、他の有用な土地を入れたほうがいいだろう
おわりに
今回も豪華再録カードが目白押しとなった
コジレックデッキを組む上でも必須級のカードもいくつか収録されているなど、統率者戦において嬉しい弾となっている
一方で0マナ打ち消し呪文である《意志の力》やデッキから特定のカードを選んで一番上に置く「教示者サイクル」などを始めとする強力カードが再録されるなど、強化されたのはコジレックデッキだけでないことも事実だ
ぜひこの機会に「デッキに入れてみたかったけど手が出なくて…」といった強力カードをぜひ手に入れてほしい
それでは次回「ファイレクシア:完全なる統一」レビューでお会いしよう
────"All Will Be One"
2022/12/15「初心者にオススメの統率者はコジレック!」botの中の人
画像引用元:WotC公式サイト「ドミナリア・リマスター」カードギャラリーhttps://magic.wizards.com/ja/news/card-image-gallery/dominaria-remastered
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