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ほぼ漫画業界コラム157 【海賊版対策】

朝起きたら円安がとんでもないことになっていて、うわーっと思いました。我々日本人が世界的に貧乏になったってことなので、全くめでたくないことです。でも、資産持ちの方々はガチガチにドル建て資産を持っているので痛くも痒くもないそうです。お金が増えて増えてしょうがないそうです。商売するより、資産を寝かせておいた方がいいと。ちくしょー! 僕らみたいな小さな会社はキャッシュを回すために円を持っているしかありません。しかもキャッシュを残すために、今年もガッツリ約三分の一の税金を払います。金融所得は20%なのに実業は三分の一。つくづく、この世は資本家に有利な仕組みで作られているなぁと思います。数ヶ月後には超物価高も始まるし、なんだか不穏な空気になってきました。その前に、社員の給与を上げなきゃね。作家の原稿料もね。僕ら小さな会社ですが、しっかり払ってるつもりです。大手出版社に負けない原稿料が自慢です。給与も頑張って払ってるつもりです。でもそれを続けるためには、もっと頑張らないと。稼がないと!

そんな風に思っている時にイヤーな情報が入ってきました。僕たちが作っている某ヒット作品の売り上げが急落したのです。理由はなんと海賊版サイト。某海賊版サイトで配信された翌月から、売り上げがなんと46%減。やられました。勘弁してくださいよ。うちらみたいな小さいところをいじめないでくださいよ。僕らも作画の先生も収入が46%減になるわけなんで本当に勘弁して欲しいです。なんで真っ当に商売しているだけなのに、こんなにあちこちからムシられなきゃならないんだ…

海賊版対策。出版社連合などが対策を頑張ってくれていると思います。だけど、全く減っていない。増えている。ずーっと前から言われてるのに結局、違法サイトは増えるばかりです。潰しても潰してもタケノコのように現れる。結局見えないところではみんなモラルなんかないから、タダで読めるならばみんな使う。漫画村のころより遥かに酷くなっているわけです。AIのおかげで違法サイト構築はますます簡単になるでしょう。

最近思うのですが、末端をいくら訴えても効果はないんじゃないでしょうか?「違法ダウンロードは犯罪です! 2年以下の懲役200万円以下の罰金です!」なんて謳ってますが、実際に逮捕されたり、お金を払ったりしてる人を見たことありません。実行力がない法律は無意味です。

そもそもなぜGoogleで作品名と無料と検索するだけで、海賊版サイトが表示されるのか。これは米国のプラットフォーマー達の責任じゃないんですかね。彼らに対策してもらえないのでしょうか。彼らにも僕らはデジタル課税ともいうべきお金をサブスクで毎月払っています。

だけど、僕ら日本の一市民や一企業がいくら声を上げても彼らは無視するでしょう。だったら国に言ってもらうしかありません。首相、GoogleやXと交渉して対策してもらえませんかね。首相でも無視されますか、そうですか。


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