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社会人の心理院院試勉強法①(英語編)

 難関校に合格したわけでもなく、余裕で合格したわけでもないので、正直、私がお伝えする勉強法がお役に立つかは甚だ疑問だ。なので、私などに聞かず、他のnoteにある国立校に合格された方や、予備校の先生達に聞いてみるのが一番だと思う。
 私自身は院試の勉強を始めてみて、何をどのようにどの程度までやればいいのか、わからなかった。予備校の先生に聞いても「そこまでできれば苦労しないし!」という高いレベルのことやざっくりしたことしか教えてもらえなかった。例えば、英単語は心理院単を全部頭に入れておけばOK、とか、統計は「よくわかる心理統計」がわかるようになれば大丈夫、とか、心理用語は300語くらい覚えればよい(300語の中味はいったい何?)とか。
 
 あと、そもそも考えてみて欲しい。ストレートマスターなる学部卒から直で院試を受ける連中は、ついこの前まで大学受験という勉強漬けの毎日を送っていて、そのまま大学で4年間も英語やら心理学、統計を学んできている。言ってみれば基礎体力がある現役バリバリ体育会運動部だ。
 それに対して、数十年にわたり上司・納期・会議という日常しかなかった我々社会人にとって、英語はまだしも初学の心理学やら統計を受験レベルに持って行くというのは、長年運動していなかった中高年がいきなりフルマラソンを走るようなものだ。だから学部卒の院生が「英語は1900を10周、臨床心理学はよくわかるシリーズを5周もすれば大丈夫!」という言葉にだまされてはいけない。こっちは現役じゃないんだ。

 だから先生やチューターなどに相談する時には、ただ「英語は何を勉強したらいいですか」のようなざっくりした質問はしないほうがいい。例えば「社会人で勉強できる時間は1日あたり○時間くらい。試験日まであと半年。志望校はこことここ。過去問では心理系長文全訳と要約問題。単語はターゲット1900をやり出したところ。今後予備校のテキスト以外に何をしたらいいか」のように、自分の目標と現状を明示して、受験日までにおおよそどんな進め方をすればいいかを質問した方が、アドバイスする側も具体的にしやすいはずだ。

 そういった意味で状況によって必要な勉強方法は変わる。ここでは、あくまでそんな程度の私がやってみて結果として有効だったと思うこと、やってみて失敗だと思ってこと、こうしておけばもっとよかった、ということを書いてみたい。

得意と“思い込んでいた”英語

 英語は得意なほうだった。学生時代は英語は得意科目、と言っていたし、卒業後も英会話を勉強したり昔TOEICで800点近く取ったりしてたので、好きな科目。予備校の授業を受けていてもそれほど大変ではないし、心理英語も読んでて面白かった。だから英語は問題ないよね、と思いこんでいた。

 ただこうした「妄想」が危険。昔はできた=今もできる、ではなのだ。一番いけなかったのは、予備校で配付された英文を「ただ」事前にダラダラと訳して授業に臨んでいたことだ。確かに授業ではそれでなんとなくできた気がしていたし、新たに単語もたくさん覚えた気がしていた。
 2校目の受験校でそのボロが出た。単語こそ難しくない長文問題で、「**について、筆者はどのように言っているか」「この文を**字以内で要約せよ」といった問題に手こずり、英語で失敗するという経験をした。得意科目での失敗は、野球で言えば、自分が一番自信のある球を痛打されたピッチャーのような感じだ。そのことは他の科目にも影響し、あえなく筆記で不合格となった。

 失敗の要因は、限られた時間内で辞書をほぼ使わずに趣旨を理解する練習をしてなかったことだ。私はその失敗でようやく「自分はたいして英語は得意ではない」ということに気づいた。それを機に、第一志望校までの受験日まで、毎日英語の勉強時間を作り、必死こいてやるようにした。もっと早く気づけよ!

 ちなみに「辞書持ち込み可」という学校は多いが、辞書は当てにしてはいけない。というより辞書を引いてる時間はほぼない。どうしてもこの単語がわからないと影響がある、というものだけにすべき。私は英和と和英の辞書を新たに購入して、早く引く練習までしていたが、試験日にはただの重い荷物でしかなかった。あと中高年受験者には、辞書の文字の大きさも悩ましいのだ(20代には想像できないだろう)。

使った参考書+アプリ

 さて、予備校の授業の予習以外で日々+試験前にやったことは以下の通り。実際の試験では、単語よりも構文の解釈で迷うことの方が多かった気がするので、ただ訳すのではなく、文法的な学びももっとしておいたほうがいいと感じた。

 ・英単語: 心理院単 
 
プロロゴス山崎さんの定番英語参考書その1。通常の辞書には載ってない心理(医学)用語はこれでほぼカバーできる。また「significant=有意」のような心理英語独特の訳し方もこれでわかる。
  スマホアプリ: 
  1)
WordHolic 
 
単語帳の電子版。心理院単の単語をすべてcsvで打ち起こし、それをこのアプリにインポートした。昼ご飯を食べながら特に間違える単語を何度も見返したり、ランダムに表示さ れるテストをしたりしていた。
   【参考】こういうのも見つけた心理院単単語カード
      2)
ターゲットの友「ターゲット1400」
 
定番英単語集のスマホ版。難関校や辞書持ち込み不可の大学院であれば、ターゲット1900のほうがよい。私は新しい単語というより、基本的なのにあいまいな単語を押さえるために1400にした。
 ・和訳:
心理英語
 
プロロゴス山崎さんの定番英語参考書その2。買ったはいいがパラパラ見ているだけだったが、試験前の1か月は毎日1−2問を時間設定して全訳した(辞書は最低限)。時間がなくて2周はできなかったが、難しかった問題や苦手な構文がある問題だけでも見返せばよかった。
                    :
ヒルガード英語版16th
 
これを買う買わないで受験生の話題になる英語の心理学参考書。私は東洋英和で毎年これから出題されるので購入して、コピーして電車の中等で部分的に読んでいた。日本語版は¥2万くらいするので予備校等にあるのをみるのが関の山だと思う。私はメルカリで古いボロボロの14版の英語版と日本語版を安く入手できた。日本語版はカラーで見やすく、特に基礎心理系の参考書としては秀逸だと思う。
 河合塾KALSでは心理英語のテキストに採用されているので、購入する必要はないかもしれないが、それ以外の方は、日常の英語の勉強にはうってつけの内容と難易度だと思う。
 ・英訳:
ドラゴンイングリッシュ基本英文100
 
私の志望校では和文英訳が例年出題されるので、その対策として。この参考書のよさは、一見ややこしい日本語を、易しい英語に言い換えるやり方をわかりやすく解説してくれている点。しかも薄いので読む気になる。
 ・過去問: 
 試験日までカウントダウン時は、模擬試験的に1日に1年分を試験時間で解くようにした。当然模範解答はないので、答え合わせはもっぱらDeepLに頼った。ただこれからの時代はChatGPTに聞けば一発かもしれない(無料のうちは)。
 私の志望校はすべて英文まで入手できたが、過去問によっては英文の部分が著作権対応で記載されていない。問題の下部に掲載がある「出典元」をたどって原文を読むのも一つ。ただ同じ英文がでるわけではないので、似たようなレベルの他校の問題を解くので十分だと思う。

【余談】ちょっと笑ってしまった過去問

A4×3頁の英文に「できるところまで全訳」ってどうよw

心理学等については別稿で。
 
    

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