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心理系大学院予備校選び⑥(穴場編)

 よほど予備校選びで痛い思いをしたのか、ここまで予備校選びだけについて、5稿も書いてきた。最後にほとんど知られていないが、どの予備校よりも安いがその割に効果の上がる“オンラインサロン”をご紹介する。

院試受験生の“隠れ家”「さいころじかる」

 私がこのオンラインサロンを知ったのは、メルマガだった。日本編入学院に入って受験勉強を始め3ヶ月ほど経ち、心理学が少しずつ理解できてきた一方で、試験対策がまったく示されないことに不安を感じていた。そんなとき「心理系大学院 過去問」と検索して見つけたのが「筆記試験!?どんな問題が出るの?をまとめてみた」だった。
 「おぉ!なんだ、これは。こんなことうちの予備校じゃ教えてくれないぞ」と思った私は、早速メルマガ(【こんにゃろう通信】知識ゼロから臨床心理士をめざすブログ)に申し込んだ。すると、メルマガ申込み特典として「合格を勝ち取るための戦略方法などを盛り込んだE-book」という結構なページ数のノウハウ資料を無料で入手できた。

論述過去問の宝庫であるメルマガ

 圧巻だったのはこのメルマガ。心理系大学院の論述過去問の問題と解説が結構なボリュームで書かれている。

私は毎号“GoodNotes”に切り抜いて活用していた

 私は毎週届くメルマガをすべてデータ化して、独自の「過去問論述問題集」を作った。私が集めただけでも60問以上あった(後に主宰の豊田さんに聞いたところ、これまでで200問以上あるらしい)。

 これに感動した私は、ここが実施している有料のオンラインサロン「さいころじかる」に入会することにした。有料メンバーのメリットは、「Study 心理学 online」というメンバーサイトとFacebookの非公開グループにログインできること。それぞれで先ほどの論述過去問アーカイブや過去問図書館、心理学動画など盛り沢山の情報が提供されている(詳細は割愛)。

手厚い過去問添削

 またメンバーの特典として大きかったのは、論述の無料添削だ(メンバーがまだ少ない今だけらしいが)。自分が希望する過去問(心理学でも英語でも可)を月2本まで無料で添削してくれる。この添削が細かい。私が書いたものをベースに、良い訴求点や修正したり加筆した方がいい点を、Wordの校閲機能を使って丁寧にフィードバックしてもらえた。

1週間以内で添削され返却される

 私の志望校は論述が必須のところが多かったが、予備校でこうした添削をしてくれなかったので、大変助かった。私は毎月無料分2本をフルに活用させてもらい、試験直前期には追加(有料)でもお願いした。

 また月に2回2時間程度、ZOOMを使った少人数の「オンライン勉強会」があり、そこでは毎回テーマを変え、臨床心理学を中心とした論述問題の事前課題とその考え方などを解説してくれた。そこでは様々な質問や相談もできるし、他のメンバーとの交流もできる。メンバーはみな社会人だったので、安心感があった。私は皆勤賞で参加して、さんざん相談に乗ってもらった。

さぞかしメンバー会費が高いのでは…

 驚くべきはそのメンバー会費。これだけのメンバー特典があって、なんと月¥5,000。1年間メンバーであっても¥6万だ。私が某予備校に払った費用はその10倍以上である。

 さらに心理系大学院の大きな関門である研究計画書についての『受かる研究計画書完成講座』(別途¥47 ,000)というのもある。大学でも卒論を書いておらず、論文すら読んだことがなかった私が、研究室訪問で教授から「よく書けている」と言われるレベルの研究計画書が書けたのは、すべてこの講座のお陰である。

ワンオペが一番のリスクファクター

 ここまでは良いところばかりで、さいころじかるのステルスマーケティングのようになっているので、不足と感じる部分も記したい。

・主宰の豊田さんのワンオペ
 良くも悪くも、主宰の豊田さんがひとりで切り盛りしているので、彼女の体調や仕事(スクールカウンセラー)の忙しさがリスクファクターになる可能性がある。
・基礎的な部分はケアされない
 オンライン動画で基本的な部分は学べるが、心理学初学者がそれだけで心理学・臨床心理学・統計などをすべて担保することはできない。事実、豊田さんが「最頻出用語」「最重要」という言葉を使う用語や知識が私の頭に入ってなかったことが多く、自分の勉強進捗に不安を感じることが何度かあった。他の予備校や自学により、ある程度基礎部分を作る必要はある。
・情報アップデート
 過去問や添削については申し分ないが、最新の大学院受験状況や大学院ごとの特徴、受験者数推移、試験科目などの情報系については弱い。
・受験に向けたスケジューリング
 随時メンバーになれるので、メンバーの状況はバラバラである。なので、オンライン勉強会のテーマ合わせが難しそうだった。
・勉強法や参考書情報
 これらについての情報提供は多少あるが、受験生のレベルや受験校に応じた推薦をしてくれるわけではない。

 以上、事業として展開しているわけではないので、細かい不足面があるのはやむを得ない。逆に、大手予備校にない部分を補完してくれる寺子屋的存在なので、他稿で紹介した予備校の中のよい部分を単科で組合わせて基礎を作り、実践の部分はここで磨き上げる、というのが一番コストパフォーマンスがよい予備校活用だと思う。

【注】上記の情報は2023年1月時点での個人的評価なので、事実と異なる場合はご容赦ください。また最新状況は直接
お問い合わせの上ご確認ください。

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