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チョコちゃん〜最後の時


チョコちゃんが、とうとう逝ってしまった。
本当に眠る様に、静かに最後の時を迎えた。

おはようございます。
Comfortable Days よーこさんです。

チョコちゃんは、
娘が10歳の時、うちに来た。
チョコレートタン色の血統書付きの
ミニチュアダックスフンドだ。

「ファービーみたいにしないから」という
娘の言葉に、たやすくだまされての購入。

仔犬の時は、とにかく可愛かった。

でも、チョコちゃんは、
人間だったら、発達障害だといえるのでは
と思えるほど、
コミュニケーション能力に欠けた子だった。

お手も、待ても、ボール取っといでも、
何も覚えず、
おしっこを決まった場所ですることもなく、
ご飯を食べる時は、うーと唸り、
動物好きの夫の母にもなつかなかった。

子ども達は、途中からは、
あまりお世話してくれず、
ママがすることになるという
お決まりのパターンで、結構大変で、
大きなストレスである部分もあった。

でも、私にとっては、はじめて飼った犬なので、すごく可愛くて、大切な存在だった。

チョコちゃんが家に来た頃は、
親子4人で普通に暮らしていて、
可愛い我が子達と可愛い仔犬が
楽しそうに過ごしているのを
見ることができる幸せな時間だったと思う。


娘は、最後に「もう、会えないかもね」と
チョコにお別れを言って、
アメリカへと旅立って行った。

チョコは、
目が白内障になって、あまり見えなくなり、
耳も聞こえなくなってきた頃から、
世界が、ふんわりしてきたみたいで、
逆に幸せに過ごせるようになったのでは?
と、夫と話していた。

寝てる時間が段々と長くなり、
手足の筋力が衰えて来た。
それでも、2週間前までは、
ご飯はガリガリをガブガブ食べていた。

突然ガリガリを食べなくなったので、
ソフトタイプのご飯に変えた。
3日間食べた。
それも食べなくなり、チャムに変えた。
3日間食べた。
チャムも食べなくなった。
もらっていたチュールを1日なめた。
2日目には、もうチュールもなめず、
水も飲まなくなり、
お布団の上に寝ているだけになった。

そうして、3日間、
寝ているのか、もう死んでいるのかも
わからない状態になった。
微かに息をしていて、
微かに心臓は動いていた。

でも、勤労感謝の日、
その心臓が、
いつ止まったのかもわからない内に
全く苦しむことなく、
まるで命のろうそくがふわりと消える様に、
眠ったまま、最後の時を迎えた。

夫が帰って来た頃、
息子がお別れをしに来た頃には、
チョコの身体は、少しずつ冷たくなり、
少しずつ硬くなっていた。

私たちは、この2週間程で、
少しずつ覚悟を持っていっていった。
段々と
そして急速に衰えていくチョコの姿を
見ることによって。

16年4ヶ月は、長生きだし、
病気だったり、苦しんでいるわけでもなく、
老衰といえる、天寿を全うしていく姿に、
静かにお別れを予感していた。

夫は「よーこは、もっと激しく泣くかと思ってた。」と言った。
私は、静かに泣いたのだ。
夫にtellした時、
息子にtellした時、
娘にtellした時、
夫の母にtellした時。

大切な家族がいなくなったことへの悲しさはあっても、感情を振り乱す様な激しさは、なかった。

勤労感謝の日の翌日は、日曜日。
チョコちゃんを埋葬することにした。
夫の実家のお墓の横のスペースに
夫の家の歴代のペット達が眠っている。
チョコもそこに仲間入りさせてもらうことになった。

丸く枠のある犬用のお布団にチョコを寝せ、
周りにお花を飾った。
大輪のユリの花も入れたので、
華やかになった。

お布団ごとジャストサイズのダンボールに入れ、周りに残ったチョコのご飯をいれた。
ガリガリやソフトタイプやチャム、
そして、
チョコのご飯入れの中にいくつも残っていた
オヤツも入れた。

このオヤツを見た瞬間に、
沢山の涙が溢れて、
私は、わんわんと泣いたのだ。

生きているうち、
食べれるうちに、
なんでもっとあげなかったんだろう・・

近頃は、もう寝ていることも多くて、
私たちは、チョコがいるのかいないのか
わからない様な毎日を送っていた。

もっとオヤツあげればよかった。
もっと遊んであげればよかった。
もっと
もっと・・

わんわん泣いて、
顔はぐちゃぐちゃになって、
なんでこんなに泣いたんだろう
って、考えた。

悲しさや寂しさではなかった。
もっと出来るうちにしておけば良かった
という後悔の思いが、
沢山の涙になったのだと思う。

夫は
「最近はもう食べられんくなってたもんね。」と言ってくれた。
そうなんた。
そうなんだけどね。

本当は、オヤツだって沢山あげてきた。
いっぱい遊んだし、
散歩も行った。
ご飯もお水もあげたし、
オツムになってからのお世話もした。

本当は、
ちゃんといっぱいいっぱいしてきたの。
でもね、
やっぱし、足りなかったんじゃないかと
思ってしまう。

ちょっとだけ手を抜いたこととか、
チョコのことストレスだと思ってたこととか
マイナスのことが頭をよぎって、
頑張ったこと、
ちゃんとやったことを
帳消しにしてしまおうとする。

わんわん泣いた後、
冷静に考えると、ちゃんとわかる。
でも、感情の波って、すごい。
うわーんと、押し寄せてくる。

最後の時を思う。
ある時、突然訪れるその時。

大切な人との最後の時を
暖かく幸せな思いに包まれて迎えられる様、
日々を過ごしていかなければと思う。

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