サトシとともに歩んだ25年
先月、25歳の誕生日を迎えた。
わたしが幼少のころ思い描いていた25歳はもっと大人だった。
母が25歳でわたしを出産していることもあり、わたしもそのころには結婚をして子供を産んでいるんだろうと漠然と考えていた。
少なくとも、今でもポケモンを好きと言っているなんて思いもしなかった。
出会い
昔から、おジャ魔女どれみやプリキュアではなく、ポケモンが好きだった。
きっかけはゲームセンターに置いてあるような大きいピカチュウのゲーム。ピカチュウの乗り物…?ゲーム…?
なんと説明したらいいかわからないのだが、最後に飴がもらえた気がする。
もはや内容も覚えていないが、もしやったことがある人がいたら同志。
そこから、レンタルビデオ店でポケモンのビデオを借りてもらって見始めたのが最初。
そう、最初はリアルタイムで見ていたわけではなかった。
というのも、わたしは1998年1月生まれ、アニメが始まったのは1997年4月。
見られるわけがないのだ。
でも、同学年で一緒に成長してきた感はある(サトシはずっと10歳だけど…)。
それからは、ポケモンポケモンポケモンの毎日だった。
祖父はポケモンの名前を覚えて、仕事帰りにおもちゃ屋さんで、持っていないモンコレを買ってきてくれた。
祖母はそのモンコレで一緒に遊んでくれたし、借りてきたビデオも一緒に見てくれた。
母は、ポケモンジェットを見せるためだけに空港まで連れて行ってくれたし、誕生日にはゲームソフトを買ってくれた。
他にも、見ていたアニメや、やっていたゲームはあったが、こんなに情熱を注いだのはポケモンが初めてだった。
卒業
そんな風に過ごしていたが、わたしがサトシと同い年になったころ、わたしはポケモンを卒業した。
なんだか、ポケモンが好きということが急に恥ずかしくなってしまったのだ。
クラスではもう芸能人が好きって言っている子がいたりとか、わたし自身が他に好きなものができたとかいろいろあったが、子供が成長していくうえで当たり前のことでもある。
妹が11歳差ということもあり、卒業してからもポケモンに触れることはあったが、昔ほど心がときめくことはなくなってしまった。
それでも、ポケモンはわたしにとって特別で、普段割とためらいなく断捨離するわたしも、なぜかポケモンは捨てられないグッズも多かった。
再会
昔ほどのときめきはなくなってしまったが、ポケモンは変わらずずっと好きだった。
でも、それはあくまでキャラクターとして好きなのであり、アニメももう見ていなかったし、ゲームもダイヤモンド・パールで止まっていた。
でも実は、映画だけ2017年くらいからまた見に行っていた(20周年のやつ、エモすぎて見に行ってしまった)。
でもこれも、一緒に見に行く人がいたから見に行ったのであって、一人で行くほどの熱ではなかったと思う。
そんなわたしに、再びポケモン熱を湧きあがらせる出来事が起こる。
「新型コロナウイルス」。
2020年4月に初めて緊急事態宣言が出されたとき、わたしは新社会人になったばかりだった。
だが、この緊急事態宣言により、研修は週に1回、1日2時間のみという、学生時代のバイトより働いていない、というか、人生で一番外に出ない時期だった。
最初は正直嬉しかった。
「社会人になってもこんなに休めるなんて!しかもお給料は普通に1ヶ月分もらえるし」と、不謹慎だけどそう思っていた。
そう思ったのもつかの間、すぐにこの生活にも飽きてしまった。
外に出られない、家族以外の人と会わない生活がこんなに退屈だなんて思わなかった。
そして、わたしは暇つぶしのグッズとして、Nintendo Switchを買うことにした。
この時期、Switch自体が品薄になっていたり、あってもかなり高くなってしまっていたのだが、メルカリで良心的な値段で売り出している人がいて、そこから購入した。
ソフトはみんな買っていた「あつまれ どうぶつの森」、そしてもちろん、「ポケットモンスター」。
当時、シリーズの中ではソード・シールドが一番新しく、わたしはシールドを購入した。
結果、ドはまりしてしまった。
久々にやったらめちゃくちゃ面白い。
この面白さを10年も忘れていたなんて、なんてもったいないことをしたのだろう。
10年を埋めるように、ポケモン漬けの毎日だった。
「アニメは今から見始めても途中からになってしまうし」と思って、手を出していなかったのだが、この前サトシがチャンピオンになった話を聞いて、見ておけばよかったと、本当に後悔した。
1月から始まった「めざせポケモンマスター」はばっちり見ている。
もうメインビジュアルがエモい。
これは見ないわけにはいかないと、毎週楽しみにしている。
サトシとピカチュウたちの物語はもうすぐ終わる。
でも、わたしたちの知らないところで、きっとずっと旅を続けていくのだろう。
わたしも、これから先、ポケモンとのかかわり方は変わるかもしれない。
それでも、やっぱりずっと心のどこかにあり続けるのだと思う。
サトシ、ピカチュウ、ありがとう。
ポケモン、ありがとう。
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