冷たい想像、赤いランプ
ひと月ほど前、家の近くの交差点で事故があった。車とバイクがぶつかり、救急車が来て警察が現場検証するような事故だった。
僕はランニング帰りにその場を通った。最近は週に何度か、仕事終わりに帰宅してからご飯を食べる前に走っていて、その日も夜道を家に向かって帰っていたのだ。救急車と警察車両の赤いテールランプに照らされたいつもの道は、妙に現実味がなかった。
交差点の傍らには青いバイクが横たわり、前面のガラスは粉々になっていた。救急車はちょうど発車するところで、警察と現場に居合わせた