『母なる証明』 そして人生はつづく、過ちを犯しては、忘れながら。
【あらすじ】
息子の冤罪を晴らすために母ちゃんが頑張る
始まった瞬間、アヴァンタイトルの時点で、今から目撃する映画は間違いなく傑作だと確信できる作品というのがあって、それと遭遇するときの快感は映画に触れることをやめられない理由の一つでもあるけれど、ポン・ジュノのフィルモグラフィはこれに該当する。
例えば『殺人の追憶』のアヴァンは子どもの目線から始まり、稲穂が揺れる牧歌的な日常の中に強烈な残酷が静止している、という風景が淡々と切り取られていく。光と闇、子どもと死体、主人公の