よけいなひとこと
母のものはよく行方不明になる。
買い物のあとのお財布。
携帯電話はしょっちゅう捜索願を出される。
今朝もそうだった。
スマホがないから探してほしいと言われた。
そして母の用事は、いつも僕のタスクに割り込んでくる。
なにかをしている時に、必ず割り込んでくるのだ。
基本的になにもしていない人っていない。
みな、なにかをしている。
仕事の時もある。
ゲームの時もある。
休息の時もある。
ボーッとしている最中だってある。
それぞれの時間は、それぞれの人生にとって大切な時間なのだ。
例え他人からは無意味に見えてもね。
そんな時にスマホ探しを頼まれて。
素直に受ければいいことを。
「探すのも手間がいるのよ」
と言って、はじめる。
この余計な一言を言いたくなる心理は何なんだろう?
と思うのである。
言わなくてもいいし、言ったところで何も解決しない。
むしろそれで険悪になる可能性も秘めた“余計な一言”を、僕はなぜ言いたくなるのか。
言わすに黙ってやれる強さと賢さを身につけたいものだ。