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ラヂオの時間

孤独なとき、誰かの声を無性に聞きたくなるとき、僕はよくラジオを聴きます。

小学生の頃から、親の運転する車に乗ると必ずと言っていいほどラジオが流れていて、僕もいずれ聴くことになるのかなぁと、当時はそんなことを考えていました。自ら進んで聴くようになったのは、中学3年生になり、高校受験の勉強を本格的に始めた夏頃のことだったと思います。夏休み、午前の勉強のお供にTOKYOFMの「住吉美紀のブルーオーシャン」を聴いていたのが始まりでした。その後、同局の「スカイロケットカンパニー」を聴くようになり、「スクールオブロック」を聴くようになり、そのどれもが面白くて、自分の知らない世界を見せてくれるラジオに対し、中学生ながらに感動していたことを覚えています。ちなみに、音楽をよく聴くようになったのも、ラジオに影響されたおかげです。

あれから随分と経った現在でも、僕は日々ラジオを聴いています。いま聴いているのはもっぱらAMの深夜ラジオばかりですが、聴くととても元気をもらえます。だいたいくだらない話しか流れて来ないのですが、僕はそのくだらなさに救われているのだと思います。

人は意味もなく孤独を感じてしまう生き物だと思いますが、僕にとって、ラジオという媒体は孤独に効く処方箋です。ステレオ(今はスマホで聴くことが多いですが)の向こう側には誰かがいて、しょうもない話を垂れ流している。その事実に何度も救われています。また、面白いハガキを送る職人さんたちの存在も、とてもありがたいです。世の中にはこんなに面白い人たちがいるんだと知り、そういう人たちに出会ってみたいと思わせてくれます。思えば、「職人さん」ってテレビやユーチューブにはない、ラジオに特有の文化ですよね。別にテレビやユーチューブを非難するつもりはないのですが、なんの名誉のためでもなく、「ただ面白いから」という理由でハガキやメールを送る人たちは、そういう媒体にはあまりいない気がします。そのような、一見意味のなさそうなことに全力を注ぐ人たちの存在は、僕にとっての救いです。

夏休みがもうすぐ終わってしまい、憂鬱な日々がまた来るのかと嘆いている方も多いと思いますが、なんとなく悲しいな、落ち込んでしまったな、というときは、ぜひラジオを聴くことをおすすめします。ラジオには、偶然の出会いがあります。それはパーソナリティとの出会いかもしれないし、流れてくる音楽との出会いかもしれないし、ユーモアに溢れるメールたちとの出会いかもしれません。

昨今はユーチューブ然り、ネットフリックス然り、自分でコンテンツを選べる時代ですが、それによって、偶然の出会いがだんだんとなくなってしまっているような気がします。しかし、自分で選んだものだけでは、興味や視界が狭まってしまいます。その点で言えば、偶然の出会いは、心の境界を広げてくれますし、ラジオにはそれが溢れています。それに、ラジオを聴いて何か惹かれるものに出会えたとして、「面白いな。明日調べてみよう。」と思うだけでも、明日を生きる1つの理由になりませんか?

なんて、らしくないことを書いてしまいましたが、最終的に言いたいことは、みんなもラジオを聴こうね、ということです。半分真面目に書いていますが、もう半分は布教したいだけです。僕の友人にも数人ラジオを聴いている人がいますが、それでも、ラジオを聴いている人はなかなか見つかりません。だから、ラジオの話で盛り上がったら大抵仲良くなれます。ラジオを聴いてる人に悪い人はいません(たぶん)。だから、みなさんも暇があったらラジオを聴いてみてくださいね。

おわり

《余談》

最近はもっぱら、オールナイトニッポンばかり聴いています。お気に入りはクリーピーナッツと三四郎、オードリーのオールナイトニッポンあたりでしょうか…
もうちょっとおしゃれシティボーイを気取りたいときは、「星野源とか菅田将暉のオールナイトニッポン聴いてるよ!」と言います。二人とも面白いですが、内容はれっきとした深夜ラジオです。これでおしゃれシティボーイを気取っていいのかどうかについては賛否両論ありますが、ラジオを知らない人にはある程度通用します。

一人で過ごす時間が長いなか、誰かの声を聴けるとすごく安心します。そういう意味でもラジオはいいですよ。はい。またまた「おわり」のあとが長くなってしまいました。これでは「おわり」の意味がなくなってしまうので、この辺にしておきます。それでは!

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