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【キョウシュウジャー企画】レンジャーとわたし ~ピンクの場合~

こんにちは、お久しぶりです。コメディアスです。

今回、京都の劇団である「安住の地」とともに『仮免戦隊キョウシュウジャー』という作品をつくりました。もうすでにご覧いただけましたでしょうか?まだの方は、ぜひ下のリンクからご覧ください。

見ましたか?
さてこの作品では、6人の俳優に「戦隊ヒーローの卵とその教官」という役を演じてもらいました。そんな彼らに「戦隊ヒーローとの思い出」を語っていただく本企画。
初回はピンクを演じた大橋秀喜からです。

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「レンジャーと自分」(ピンク・大橋秀喜)

「ガオ!まだだ!ガオ!熱く!百獣戦隊ガオレンジャー!」と歌詞を見ずに歌えるほど、1995年生まれの自分はどっぷりと「平成スーパー戦隊シリーズ」に熱中していた。98年生まれの弟と一緒に、番組のストーリーを追いかけた。弟は度肝を抜くほどの戦隊マニアで、地元商業施設の「ヒーローショー」に家族で行ったり、戦隊シリーズ25周年記念で販売された「歴代レッド25人分」のフィギュアセットも買ったりした。兄としては正直ドン引きした。でもそれに影響された自分も、初代PlayStationのソフト「百獣戦隊ガオレンジャー」を夢中でプレイしたりした。
振り返ると、戦隊シリーズのゲームやヒーローショー、フィギュアやテーマ曲の思い出だけを覚えたまま、時が過ぎ25歳になっていた。
そんな20代の自分たちコメディアスと安住の地は、いわば「レンジャー適齢期」を迎え、このたびなんとVRChatとZOOMの力で戦隊ヒーローのロボットに乗ることができた。この夏、「ゼロ密演劇」として挑戦する新作「仮免戦隊キョウシュウジャー」を見れば、自分と同じように「レンジャーを見て感じたワクワク」に、再会できるかも。

他の皆さんに引き続き、「レンジャーと自分」をテーマにしてレンジャーとの思い出をまとめた。

(1)ガオレンジャーのPlayStationゲームに熱中しすぎた小学生時代


2001年から02年までは「百獣戦隊ガオレンジャー」が放映され、当時小学1年生の自分もとても大好きな番組だった。ガオレンジャーは「環境汚染や生態系異常によって発生した『邪気』が具現化した鬼の一族(オルグ)と戦う」という、ちょっと尖ったテーマ。すごく面白かったけれど、自分が覚えているのは初代PlayStationで「ガオレンジャー」のソフトを友人と遊んだこと。自分だけソフトを持っていたので、近所のみんなが自分の家に来て大騒ぎしながらプレイした(でも1人しかプレイできなかった)。「ガオレッド」を操作し、レッドを倒そうと寄ってくるオルゲット(敵の戦闘員)を延々と倒し続けたり、ロボを操縦して巨大化した敵(なぜ毎回終盤で巨大化するのか)を倒したりした。そう言えば「ヤバイバ」という名前の敵キャラもいた。ただ、戦隊レンジャーは毎年新作が放送されるので、2003年くらいになってようやく「僕たちはいつまでガオレンジャーに執着しているんだ!!! もう2年前の話じゃないか!!?」と気づき、それから憑き物が落ちたようにやらなくなってしまった。
しかしそれほど、ガオレンジャーには夢中になってやりたくなるほどストーリーの面白さがあった。
(今も自宅にゲームのソフトケースだけあります)

大橋記事


(2)岩手の商業施設で「ヒーローショー」やるためにわざわざ来てくれたレンジャー

熱心なファンの弟が行きたがるので、家族で「ヒーローショー」のイベントによく連れていかされた。ああいう類のショーは、「ヒーローがステージに登場するまで延々と」オープニング曲が流れているので、会場のベンチに座ってガオレンジャーOP曲の「ガオ!ガオ!ガオ~~~!!!!」を暗記するまで聞くことになった。1曲が3分半ほどの短さなので、30分くらい待つともう10~20回くらい流れる訳で、あまりの「ガオ!ガオ!ガオ!」のパワープッシュぶりに流石に「ガオ!はもういいから早く出てきてよ!!!!!」と思ったし「せめてエンディング曲もうまく挟んだらいいんじゃないか!!!!?」とも思ってしまった。しかし、ステージに登場すれば白熱した戦いを繰り広げていて、それまでの不満も忘れるほど夢中で応援した。
ヒーローたちは商業施設でのショービジネスだけでなく、地元のレンタルビデオ屋さんにも足を運んでくれた。日々、都心部で強靭な敵を倒すだけでなく、わざわざ岩手の地、しかも小さなレンタルビデオ屋さんにまで足を運んで、喜ばせてくれる。東北新幹線で来たのかな、空路かな、いやロボットかな。そんなふうに、当時のレンジャーは、地域の子供たちにも夢を持たせてくれた存在だった。

(3)「戦隊25周年記念フィギュアセット」でレッド25人を分解しながら学んだ

我が家には、最初のゴレンジャー(1975)の放送から「25周年記念」で2000年ごろに販売された、「25年間のレッド全員分のフィギュアセット」があった。これは弟が駄々をこねて購入したもの。このフィギュアを通じて過去作にも興味を持ち始め、カクレンジャー(1994)などの過去作のレンタルビデオなども借りて見ていた。
この手の戦隊モノのフィギュアは確か上半身と下半身を分解できるので、好奇心旺盛な大橋兄弟は、上半身と下半身をシャッフルして「オリジナルのハイブリッドレッド」を作って遊んだ。上半身は赤レンジャー、下半身はゴーレッド、という奇妙なハイブリッドレッドをたくさん誕生させた。レッドたちは他人の下半身を無理やり接合させられていたので、とても戸惑っていたと思う。足の爪先が体の裏側を向いているレンジャーも作って遊んだ。
ただそれほど、たくさんの種類があり、脈々と続く歴史や精神を実感したことで、より一層レンジャーが好きになったんだと思う。

大橋記事2

(4)戦隊OP曲のヤバい歌詞とサウンドは今聴いてもヤバかった

「レンジャーと自分」というテーマなので、今まで影響をうけた戦隊ヒーローのOP4曲を振り返ってみた。独特の言語センスが炸裂しているし、サウンドもクセになる味わいだと思っている。
まずは忍者戦隊カクレンジャー(1994)。イントロの「平成初期アニメ感」に引き込まれてしまう。サビでは「あ・れ・は なんなんじゃ なんじゃなんじゃ にんにんじゃ にんじゃにんじゃ かくれんじゃ にんじゃにんじゃ」「だ・か・ら なんなんじゃ なんじゃなんじゃ にんにんじゃ にんじゃにんじゃ かくれんじゃ にんじゃにんじゃ」という、なんとも言えない独特のリズム感がツボ。
今後、もし仕事で意味わからないことを上司に言われたら「♪だ・か・ら なんなんじゃ なんじゃなんじゃ〜♪」って思わず言い返したくなる。

次に、星獣戦隊ギンガマン(1998)。オーケストラのサウンドがめちゃくちゃ壮大。まず冒頭で「走れ!地球せましと駆け巡れ~」という超ダイナミックな表現が出てくるのが感動した。地球なんて狭いぞ!と言いながら走る規模感ってどんだけなんだろう。大型貨物船?ただこの曲は7割が「ガンガンギギーン ギンガマン」という「ほぼガ行」で占められたパワフルな歌詞なので、そっちのインパクトが強すぎる。

さらには百獣戦隊ガオレンジャー(2001)も気になる。「ガオー!突っ走れ!ガオー!ぶち当たれ!ガオ!うなれ!ガオ!燃えろ!ガオ!ガオ! ガ―――ッ!!」という「ガオ」が続く野性味あふれる歌詞だけもすごい。そんな中、「苛酷な戦いを 越えるたび強くなれるぜ 勇気が 猛り立つ 奇跡の力に届く」という力強い表現の歌詞は、現在聴いても元気付けられるな、やっぱりガオレンジャーすごいな、と思った。

最後にハマったのは、忍風戦隊ハリケンジャー(2002)。冒頭の「シュシュっと参上、シュシュっと忍者じゃん 巻き起こせ勇気のハリケーン」という歌詞でぐっと引き込まれる。「巻き起こせ勇気のハリケーン」という表現はどうやったら思いつくのかな。「くじけそうになる気持ちを今 笑顔に変えたら 新しい日々を駆けていくのさ 前だけ見つめて」という歌詞にも、ちょっと元気づけられていた気がする。

このように、音楽だけでも夢中になる要素がたっぷりあることが、レンジャー作品の特徴であり魅力だと思う。

(5)おわりに

スーパー戦隊は、敵に立ち向かう勇気や仲間と協力する姿勢を教えてくれた。そして、ゲームやヒーローショー、フィギュア、さらにはオープニング曲などを通じて、子どもたちを夢中にさせるコンテンツだった。そのレンジャーたちが仲間と力を合わせ、大きなロボを自在に動かす時、そこには「より一層高まるワクワク感」があった。
今回の作品「キョウシュウジャー」でも、当時を思い出しながらその「ワクワク」を感じる人が、もしいたらうれしいなと思う。

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