「情報発信によって、お客さんとの関係をつくる」コロナ禍での商店街の挑戦 【コミュニティづくりの現場から#6】
こんにちは、NEWPEACEのプロダクト開発チームです。
前回に引き続き6回目となる「コミュニティづくりの現場から」シリーズ。今回は大阪府寝屋川市にある、寝屋川市商店連合会会長の堂安さんにお話を伺いました。
前回のnoteをまだ読んでいない方は、ぜひ前回の記事からご覧いただければと思います!
【コミュニティづくりの現場から】とは?
NEWPEACEのプロダクト開発チームでは、プロダクト開発の一環で
・店舗のコミュニティ化に取り組む店舗オーナーの方
・商店街活性や地方創生の文脈で、地域コミュニティの構築の最前線で活躍する方
・先進的なコミュニティ運営に携わるコミュニティマネージャーの方
など、様々な形で「コミュニティづくり」の現場で活躍する方々にインタビューを重ねてきました。
【コミュニティづくりの現場から】は、そうしたコミュニティづくりの現場で活躍する方の工夫や知見を、noteの記事にまとめてお伝えしていくシリーズです。
コミュニティづくりやコミュニティ運営に携わる方の参考になれば幸いです!
今回お話を聞いた人
堂安謙二さん
寝屋川市商店連合会会長、香里中央商店会会長
1956年、大阪市福島区生まれ。大学卒業後2年、時計チェーン店勤務。宝石・貴金属店「ジュエリーユタカ」40年勤続、店主。
人生も商売も、人との繋がり。一期一会を大切に、積極的な関わりで邁進してまいります。
コロナ禍での商店街活性の鍵は「情報発信」
寝屋川市周辺に集まる540ものお店が参加する寝屋川市商店連合会。その会長を務めるのが、堂安さんです。長年商店街運営に携わる堂安さんにとって、2020年は例年以上に難しい年だったのだそうです。原因はもちろん、新型コロナウイルスの世界的な流行です。
世間では外出自粛が叫ばれ、人の行き来は減少し、商店街も大きな打撃を受けました。未曾有の事態の中、堂安さんが積極的に取り組んだのが、商店街のお店の情報発信でした。
コロナによって奪われた、お店同士のつながり
情報発信の一環として堂安さんが取り組んだプロジェクトの一つが、寝屋川市商店連合会のHPの作成です。
堂安さん「コロナ禍で客足が減っているのはもちろん問題ですが、どちらかというとお店同士の交流が減っていることの方が問題だと感じました。HPを作って、そこに商店街全体の活動を集約、可視化することで、お店同士の横のつながりを作っていきたかったんです。」
新型コロナウイルスの影響で、例年行われていた商店街のオフラインイベントの多くは中止に追い込まれました。商店街にたくさんのお客さんを呼び込み、商店街を盛り上げるために行われていたイベントは、実はお店同士の交流の場にもなっていたのです。
商店連合会のHP作成はまさに、これまでオフラインに存在していた商店街の情報を、オンライン化する取り組みだと言えるのかもしれません。
作成されたHPはこちら
SNSを活用した、お店主体の情報発信
HP作成と合わせて堂安さんが取り組んだのが、FacebookなどのSNSを活用した、お店主体の情報発信です。
先ほどのHP作成は、商店連合会が主導した取り組みでした。商店街全体の情報を集約することに加えて、それぞれの店舗が積極的に情報発信することも大切だと語ります。
堂安さん「HPによる情報発信に加えて、SNSを活用した情報発信も積極的に取り入れなければと感じていました。お店同士が活動を発信し合うことで、他のお店の取り組みを知ってやる気が出たり、他のお店の活動からアイデアを得て、お店の取り組みが充実していくのではと考えています。」
堂安さんのお話を聞いていて、以前ヒアリングさせていただいた店街アドバイザーの堀さんのお話を思い出しました。堀さんも、商店街の活性化に関わる中で、まさに「お店同士の横のつながり」の重要性について触れられています。
堀さん「お店同士が顔見知りになっていくことは、とても重要だと思います。同じ商店街の他のお店のことを知っているだけで、『同じ立場の人がいる』『頼れる人がいる』と思えるようになります。そんな状態は作っていきたいですね。」
※『【コミュニティづくりの現場から#4】商店街アドバイザーに聞く、商店街活性において大切なこと -商店街アドバイザー 堀さん-』より
この一致は決して偶然ではないでしょう。
商店街などの「地域のコミュニティ」を活性化するために、その地域のお店同士が最初につながることの重要性を、改めて感じました。
情報発信がもたらす、オンラインとオフラインの好循環
「お店同士の横のつながり」という文脈で、情報発信の重要性をお伺いしました。しかし、お話を聞いていくうちに、予期しなかった好循環が生まれていることがわかりました。
オンラインでの情報発信を強化したことで、オフラインでお客さんとより深いコミュニケーションが取れるようになったのです。
堂安さんは、Facebookでの情報発信を通して、特にそのことを感じたそうです。
堂安さん「SNSで情報を発信し始めてから、SNS上でお店のことを知って連絡してくれるお客様や、隣町からわざわざ自転車でやってきてくれるお客様もいました。なにより、有効だったのは、Facebook上でお客さんの情報を前もって調べておくことができることです。趣味やお仕事、最近の投稿に事前に目を通しておくことで、実際に来店してくださった時に話題に出すことができ、より密な関係を築くことができます。」
確かに、実際にお店に行って、自分の趣味の話や最近の出来事の話で盛り上がったら、そのお店を好きになっちゃいますよね。情報が正しく共有されていることは、店主はもちろん、お客さんにとっても良い体験に繋がるのだな、と思いました。
様々なツールを活用しながら情報発信に取り組むことで、お店同士の横のつながりはもちろん、お客さんともさらに密な関係を築くことができるのです。
まさに、多対多の関係性。寝屋川商店街には、「コミュニティ」がふたたび立ち上がっていました。
おわりに
今回は、寝屋川市商店連合会会長の堂安さんのお話をまとめてみました!
長年商店街運営に携わられている堂安さんならではの知見はもちろん、これまでヒアリングをしてきた方との共通点も見出すことができ、とても勉強になるヒアリングでした!
今後もヒアリングや日々のリサーチから得られた学びなどまとめてお伝えしていきます。
※「ヒアリング協力できます」という方がいらっしゃいましたら、下記までお気軽にご連絡ください!
info@comcom.app
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
書き手 : Kazumi Higashino
編集 : Naoya Higuchi (Twitter : @n_hgc36)
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