ウマ娘『被論破によるアップデート』―ミホノブルボン
ミホノブルボンはライスシャワーと二人で『レースに勝つにはどうするべきか』を話し合っていた。ライスシャワーは困ったように首を傾げた後、「勝ちたい!って強く思うことじゃないかなぁ……」と答えるが、しかしミホノブルボンの考えはその正反対で、少しでも雑念を減らすという方向にある。だから「違いますよライス。勝利に余計な感情は不要です。理屈と論拠をだけを持って、ただトレーニングに集中すべきです」と真剣な顔で言い放った。そして行われるのは「…そ、それは普段から何も思わないってこと?」「はい。トレーニングに関する思考以外は出来る限り排除すべきです」という問答である。自分が間違えているとは微塵も考えなかった。
ところがライスシャワーに「でもブルボンさん、トレーナーさんのこと大好きだよね?それは良いの?」と聞かれ形勢逆転。何も言い返せなくなったミホノブルボンは「……。確かに最近の私は、マスターのことばかり考えていますね」と頬を赤く染め、静かに空を見上げるのだった。
「トレーナーさんの為に勝ちたいって思う?」
「……思います」
「それから記録は伸びたの?」
「……凄く伸びました」
「つまり?」
「……。この恋心はレースに有益と判断。……大切に、します」