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【感想】ロミオとジュリエット(B日程)
三井住友VISAカード ミュージカル
『ロミオとジュリエット』
Roméo & Juliette
Le spectacle musical de GÉRARD PRESGURVIC
D’après l’œuvre de WILLIAM SHAKESPEARE
原作/ウィリアム・シェイクスピア 作/ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出/小池 修一郎 演出/稲葉 太地
3月の配信で、愛ちゃんの死がTwitterトレンド入りした日ぶりに、観劇してきました。
星組さんを観劇するのは、眩耀の谷振りです。
礼真琴さんの圧倒的な技量に、青年の無垢なる煌めきで、愛らしいのにゆめゆめしさばかりでなく、リアルな人間が確かに存在している、と思わせました。
それでは、ネタバレ有りの感想を綴りたいと思います。油断すると直ぐに愛ちゃんの死について書いてしまう衝動を抑えつつ…
ストーリーは、かの有名なシェイクスピアのロミオとジュリエット
幼少の頃、父の書斎にあった松岡和子翻訳の文庫を手に取って、読み慣れない文体に驚愕したのが遥か昔のこと。
その後、レオナルドディカプリオとクレアディーンズの映画版に夢中になったっけ。
オリビアハッセーのもリアタイでは無いけど、父が映画好きな影響で一緒に観たな。
命の火をまさに燃やすが如く、出会ってから僅かで散ってしまった若い二人…
自分が、子供の頃に観た時は、恋も知らぬのに、悲恋に胸を焦がし切なさでいっぱいになっていたけど
酸いも甘いも経験した、いい歳した人間が観ると何とも色んな観点で見れることに気づくものでした。
キャピュレットと、モンターギュの両家対立に関しても、民族だけではなく所属している組織が対立しているだけで、深い理由もなく憎しみ合うという愚かさを思いました。
キャストの感想を
ロミオの礼真琴さん、実力者で踊りも演技も歌唱も完璧でした。
伸びやかで声量があるので、気持ちがまっすぐに入ってきます。
10代の若者にしか見えない瑞々しさ、危うげな無垢さも良かったな。
愛ちゃんの死
優勝
です。普段、あまり相性で呼称をしないように努めてるけど、言いたい、愛ちゃんと。
死のお役は若手の路線が務める印象があったのだけれど、専科を経て二番手になった実力者が演じると、こんなに場を攫っていくのか…と唸りました。
言葉も、歌もないけど、動きや表情を作り込んで、その表現力に目が離せない。
怖いだけではなく、美しいのですよね。石段に腰掛けているだけで一枚の絵画のよう。
薬売りに化けて、使者をソフトに誘導し、マントを剥ぐ一連の流れも美しかった。
そうなんです、この感想量…もう殆どが彼女に視線を奪われてしまいました。
これでも抑えてる笑
表現者、愛月ひかる様のこれからが楽しみで仕方ない。
ジュリエットの舞空瞳さん
可愛いかった…何度となく、ときめいた。アイドルにいてもおかしくない圧倒的な可愛らしさと10等身スタイル。宝塚を選んでくれてありがとう!と思いました。
お転婆で、思い込んだら一直線、乳母にも強気で、現代的な女の子という役作りもいい。
バルコニーから、部屋に戻る瞬間に見せた笑顔にわたしが恋に落ちました。
瀬央ゆりあさんの、ティボルト
色気が溢れすぎて、洪水。
わたしは彼女の声が好きです。ジュリエットの事を愛しているけれど、パリスやロミオに阻まれて想いを遂げることが叶わない。
抑圧された感情は他者への暴力に転化してしまう。なんとも悲しい。魅力的なティボルトでした。
ベンヴォーリオの綺城ひか理さん、ロイヤルな雰囲気でオラついてるモンターギュのなかで光ってる。歌も感情が乗って素晴らしかったです。
マーキューシオの天華えまさん、名は体を表すまさに華がある人。
やんちゃで、悪戯好きで精神的に幼いのだけれどロミオに溢れる愛がある人。
死に際の美しさが光っていた。
パリスの極美さん、ロイヤルな王子様。乾杯したら悲鳴をあげて逃げられるとか、許し難い無礼を働かれても、微笑みは穏やかで優しい。そこが印象的でした。
乳母の有沙瞳さん、どうかしたら道化のような役を愛に溢れた美しい人に昇華されていました。
歌が上手い…
美しさが封印されてない。優しい人なんだろなと感じます。コミカルなんだけど、全てに娘を想う母心を感じて涙を誘いました。
キャピュレット、モンターギュの両親も
夢妃さんの歌が配信ではアレ?と思ったけど、上手かった。
天寿さんは色気が凄くて、危険だった。こんな美しい夫のこと好きにならないとか意味分からんな!と思いながら観てました笑
英真さんの神父も慈悲深い
前にツイでも言ったけど、わたしが神父でこの状況を招いたとしたら
両家の問題云々じゃなくて、自責で生きていられないだろうなと。
運命の悪戯というのは、やはりあると思うけど。これは辛すぎる。
それでも、ラストの二人のダンスや抱き合ってみせる笑顔に救われるのよね。
悲劇なんだけど、神の国で、二人は幸せになったんだと理解できて安堵に似た感情で泣けました。
いつもながら考察もなく、ミーハーな感想に終始しましたが、最後に、ロミジュリB日程おかわりしたい!
おわり