10月の良かったこと

〇憧れの洋服を買いました

 ずっと憧れていたけど、着れないだろうな~(私の身体は男性のそれであるから)と思っていた服を思い切って試着してみたところ、なんかまあ他の人はなんていうか知らないけど私的にはギリありだったので買っちゃいました。それがこちら。

 写真は今回私がお買い物させていただいたお店「ハウス@ミキリハッシン」のインスタグラムから引用しました。店名が良いな!正直めちゃくちゃ入りづらいけど店員さんがとても良い人でした。しつこくなく、かといって何も言わないというわけでもない、おそらくこちらのパーソナリティに合わせて接客してくれているんだろうなという、そういう印象を受けました。
 買ったのはこれのクルーネックのやつです。それ以外のディテール・色は写真と全く同じ。めっちゃかわいくないですか?!ボディは全てプリーツ加工、身体のラインの拾い方の妙、そして極めつけかつ最もキャッチ―なのは胸に付いたこの何の意味もない布!これが歩いたり風が吹いたりするとヒラヒラするんですね!布はたくさん付いてた方が楽しいもんな。あー買ってよかった。ずっと着たかったんだよ、これが。これね、結構アイドルが衣裳で使ってたり、芸能人がテレビで着てたりすんのよね。その度に奴らに嫉妬してたかんね。
 たぶん学生の時より7, 8キロ痩せたのが良かったのかもしれない。あと3キロくらい落としたいけど、いけんのか?!
 しかもこれ、普通に家の洗濯機で洗えんのよ。おそらくこれもデザイナーの横澤さんの思想が反映されたものなんでしょうね。日常に根差す服。横澤さんは皆さんにこれ着て近所のコンビニとかに行って欲しいそうですよ、とミキリハッシンの店員さんはおっしゃっていました。


〇衝動的ランチビュッフェ

 学生の時より明らかに食事の量は減っているんだけど、なぜか急に食べ放題とかに行きたい欲求が沸き上がることが最近はあって、近所に丁度いい感じのビュッフェとかないのかな~とグーグルマップと睨み合いの喧嘩をしていたところ、家から15分くらい歩いたところに(丁度いい)平日1000円ちょっとで(丁度いい)それなりのクオリティの(丁度いい)ホテルビュッフェを発見しました。かなり良かったです。


〇kotohayokozawaのマスイベみたいなスナップイベント

 何度もコトハの話をして申し訳ないんだけど、やっぱこのブランド好き~!ってなることがあって、それがこのスナップイベントなのよね。「明日都内のこの辺とこの辺とこの辺で新作の撮影すっから、見つけてくれよな!みっけしてくれたら新作着せてスナップしたるからよ!」というあまりにも最高の企画なんですけど、こういうことやってくれるブランドって多くはなくて、この最高さってカクレンジャーの皆なら分かってくれるでしょ?


〇クソ寒い日とびっくりドンキー

 びっくりドンキーの全てを知りし者、ガチオフパッカーまな氏に導かれるままびっくりドンキーに入店をぶち決めたその日、東京(俺は千葉だが)の気温は急降下した。久しぶりにニットが着れるぞと意気揚々とお気に入りの服に袖を通し、池袋まで飛んで行った。
 前述の通り、普段は食事に量が無い私だが、リミッターを外す感覚が自分の中にあって、そうなるともう向かうところ敵なしといった感じで際限なく食べられるような自信が湧いてくる。し、実際自分でも驚くくらい結構食べられてしまう。学生の時の方が体重はあったが、胃の最大値は今より低かったように思う。
 そんなバフがかかった我々はハンバーグ、サイドメニュー、ドリンク、デザートに至るまで頼みたいものを全て注文し、難なく平らげた。びっくりドンキー本当に楽しいです。今何を食べたか思い出そうとしてるんですがとても朧気で「楽しかった」という事実だけがはっきり残っているのが少し面白いです。びっくりドンキーに来たら頼みたいものを全部頼もう!あ、サラダのドレッシングが正にびっくりする美味しさです。


〇ダダリ

 ジョン君とえらば君とドライブ旅行したんですけど、ジョン君が無人島合宿の帰りに発見して以来、ずっと気になっていた喫茶店が静岡は焼津にあるということで車を走らせました。断崖に立つ白く美しい小さなお家が見えた瞬間にもう来てよかったと思った。

 かなりの年数が経過していると思われるその家は元々別荘だったらしく、それを現在のオーナーが買い取ったらしいのですが、その買取自体も随分と昔の話のようで、喫茶店としての年数も相当経っているようです。オーナーは現代美術に造詣が深く、日本で現代美術が注目される以前からそのジャンルに分類される品を収集していたようで、古くはこの場所を作品のギャラリーとしても利用していたそう。その名残として、店内にはオーナーが年月かけて集めてきた骨董品や、未だ手放さずに所有している一部の作品を鑑賞することが出来ました。店内の大きな窓からは海を眺望することが出来て、その景色はいつまでも見ていられるような吸い込まれる魔力を持っていました。
 オーナーと少しお話をするタイミングがあって、その中で「川村記念美術館がとても良いですから行ってみてください」という旨の話をされ、まさかここで私が最近訪れた、それも我が地元千葉県は佐倉市の美術館の話をされるとは思わず、少しだけが声が大きくなってしまいました。本当に素敵な場所だったので、静岡にお越しの際には是非行ってみてください。


〇葡庵とくらむぼんワイン

 高円寺でえらば君が見つけてくれたお店。気張らず楽しく美味しいお酒と美味しいご飯が食べられて最高だったよ。お酒が苦手なので、中々お酒に詳しくなるタイミングがない私ですが、名前で選んだくらむぼんワイン(なぜなら私はクラムボン(バンド)が好きだから)がとても飲みやすくて、食事ともバッチリ合っててマジ良かったぜ。

 マジで良い曲なので聴いてください。


〇以下ずっと私が最近出会ったバンド「HASAMI group」の話をします(ここが一番話したいです)

 最近ラジオを聴く時間がどんどんどんどん増えてきて、音楽を日常的に聴くことがめっきり減ってしまいました。音楽を聴くタイミングと言えば休日外に出かける時に家を出る時くらいです。そのことになぜだか危機感を覚えて、自分のプレイリストを再生してみたりするんだけど、どうにもこうにも聴くことが出来なくて「私の感受性は、ついに死に絶えたのだ」と絶望していたところ、もうきっかけは覚えていませんが、とあるバンドに出会ったのです。それがそう HASAMI group です。
 このHASAMI groupとにかく謎が多く、最近彼らを知ったばかりの私が今彼らについて理解したことを箇条書きにすると概ね以下のようになります。

・今年で15年目を迎えるバンドである。
・この15年間、どこかのレーベルに属するということもなく、今でいうインディーズというわけでもない、完全なアマチュアバンドである。
・今年2022年に21枚目のアルバムをリリースするほど多作である。さらにこのグループのおそらく主宰(?)である青木龍一郎氏(後述しますが、この人物が恐らく相当凄い)はこの21枚のアルバム以外にもソロの作品や他のプロジェクトでも作品をいくつもリリースしており、その数は膨大とも言える。
・作品は主にYouTubeやbandcampで聴くことが出来るが、一部の作品はCDでしか聴くことができない。しかもそのCDの入手も困難である。
・彼らの知名度だが、HASAMI group最高傑作との意見も多い「病気が治ったら」の再生回数は2011年11月8日にYouTube上に公開されてからおよそ10年間で約20万回の視聴されている。このあたりの数字や、Twitter上での言及などから私の体感では「一部の音楽好きの間で知られており、その中でカルト的人気を博している、いわば知る人ぞ知る的、なバンド」であると解釈した。
・全ての作品を聴いたわけではないので、これはあくまでも現状の私の意見であるが、作風としてはかなり多彩。楽曲の構成、歌詞、音の作り方、その全てが所謂”普通”ではなく、有り体に言ってしまえば相当、いやかなり尖りに尖ったことを15年にも渡って挑戦し続けている超狂気的なバンドだと感じた。私の貧弱な語彙ではこの程度の具体性に欠ける描写しかすることが出来ない。興味を持った方はまず最新作(それも運よくつい最近リリースされた)「パルコの消滅」を一聴してみることをおすすめしたい。

・おそらく主宰(これは恐らく、である)の青木龍一郎氏はこうした音楽活動以外にもお笑い分野への造詣が深く、ご本人のTwitterを拝見するとお笑い関連のツイートが多く見受けられる。芸人雑誌へのインタビュー参加などもしていらっしゃるようである。

・青木氏のその他の活動として「YouTubeベストビデオ100」がある。これはYouTube上に存在する全ての動画を対象にして、その年最も”良い”動画をランキング形式で発表するという途方もない活動である。恐らくこれをきっかけとしてだが、雑誌「Quick Japan」にて「1日300本の動画を10年間観続ける男・青木龍一郎のまだ見ぬ無名素人動画と出会うYouTube動画検索術」という記事が掲載されたことがある。彼が何を良しとしているのかが、この活動から少しだけ垣間見ることが出来る。以下は「YouTubeベストビデオ100」に付けられた本人によるキャプションである。

ランキングの対象はYouTubeにアップされた全世界のすべての動画。
審査基準は「いいかどうか」。
何をもって「いい」としているのか。
各動画のどこが評価されているのか。
すべてが不明瞭。世界で唯一、説明・分析が不可能な動画ランキング。
もはや「哲学」。ある意味「無」。
「再生回数1ケタの一般人のプライベート動画」
「笑いのセンスが高度すぎて誰にも理解されていない動画」
「アップされていることが奇跡の貴重すぎる資料映像」
「ヤバい人がアップしてしまった難解な動画」
「シンプルな面白動画」
「理由が分析不可能な“なんかいい映像”」
神経を極限まで研ぎ澄まし、
誰にも気付かれなかった動画の気配を感じろ。
そして誰にも愛されなかった動画を抱きしめろ。

YouTube「【第10回】YouTubeベストビデオ100 -2021年-」キャプションより引用

・彼のもう一つの途方もない活動として「その年リリースされた曲をプロ・アマ問わず全て聴く」というものがあるのだが(マジで?)、それについても【独断!日本の全音楽グランプリ2022】と題して自身のブログでランキング形式にして発表している。その結果から見ても「このランキングは本当に全ての音楽を聴いていないと作成しえない」と感じさせるパワーがある。だってほとんどマジで知らない人の知らない曲なんだもん。まあ私が知らないからってそれがどうしたって感じだけど、もうちょっと知っている人がいて「あ、この人いいよね」ってなってもいいじゃんね。それが全くない。

 ここまでHASAMI group及びその主宰(?)である青木龍一郎氏について、私が理解出来たことを羅列させてもらったが、正直情報量が多すぎる。ここまで読んでも何も分からなかったという人がいてもおかしくないくらいだ。でも初めに立ち返って私が言いたいのは、とにかく彼らの音楽を聴いて、再び音楽の素晴らしさを思い出すことが出来たということ。彼らの音楽の前では私のいかなる言葉も陳腐なものにしかならないので、まずは楽曲を聴いていただきたい。以下にいくつかの観点から私が思う「HASAMI groupへの入り口」となりうる楽曲群をいくつか選ばせていただいたので、もしその中で興味が湧いたものがあれば、是非再生ボタンを押して頂きたい。可能なら映像も込みで聴いてもらうのが良いだろう。

〇まずは彼らの一番の人気曲から聴いてみたい

「病気が治ったら」

 HASAMI groupが不定期で開催している「HASAMI group全曲総選挙」において三回連続で一位を獲得し、YouTubeでの再生回数も最も多い、不動のアンセム。私もこの曲をきっかけとしてHASAMI groupを知ったし、とても好きな曲。

〇知ってる曲から聴いてみたい

「はじめてのチュウ(カバー)」

「いかれたBaby (フィッシュマンズcover)」

 HASAMI groupはYouTube上に2曲のカバーをアップしている。どちらももはや殿堂入りしているといっても過言ではない知名度のある曲である。どちらのカバーも原曲の素晴らしさをそのままにHASAMI groupの魅力である「不安と緊張と心地よさの入り混じる歪み」と「胸が苦しくなるほどの美しいメロディ」を堪能することが出来る。

〇結構時間があるので腰を据えて聴きたい

「パルコの消滅」

 とても興味が湧いたのでしっかり時間をかけて聴きたいという方は彼らの最新作にして21枚目(21枚目?!)のアルバム「パルコの消滅」からまずは聴いてみるのが良いかと思う。一音目から脳天をぶち抜かれること間違いなしだ。およそ50分間に及ぶ未知の超刺激的音楽体験ゾーンに君は耐えられるか!?

〇で、お前が好きな曲はなんなん?

 けちやの好きな曲は、もう上に挙げた楽曲は言わずもがな好きなのですが、いくつか挙げるとすれば以下になります。

「LADY」

「Recapture」

「EVERYDAY」

「PIANO」

「Abnormal Rain」


 如何でしたでしょうか。ここまで読んだ人いるの?とにかくですね、最近辛いという人一度聴いてみて欲しいのです。
 
 生きるとは、人生とは、死ぬとは、愛とは、魂とは、感情とは、本当の優しさとは、それら全てについての解答の手掛かりが、HASAMI groupの楽曲にはある気がしています。本当です。

終(おわ)

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