小説 異世界辺境領で慎ましく過ごしたい6〜10
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母ユスアとずっと一緒に、同じ部屋で朝昼晩と寝食を共にする。1カ月ぐらいだろう。
ユスアは授乳には熱心に取り組んだ。この行為は母と子が絆と愛情を深める大切な時間なのだ。ユスアは子をしっかり抱いて、視線を交わし、話しかけ、子の感情にいち早く気づくように努める。
俺がミルクに飽きると、ユスアも察知して、授乳を止める。
ん? とユスアは首を傾げ、俺のおむつに手当て、ぱぁっと紫瞳を見開き驚いた顔をする。
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