アスリートと睡眠④アスリートと入浴、入浴のタイミング、深部体温と皮膚温度
アスリートと入浴
実際のスポーツの現場では、Jリーグのスタジアムのチーム更衣室に求められているのは、温水シャワー8基以上で、浸水できる入浴設備は求められていない!
アスリートにおいて入浴は運動によって生じた汗や汚れに対して身体を清潔に保つ役割がある!
また、運動によって生じた肉体的な疲労や精神的な疲労からの回復も入浴の機能である!
実際にリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会におけるアスリートサポートに関する報告書 1) において、後方支援施設で温浴、冷浴に加えてリカバリープールとして準備されている!
この後方支援施設はハイパフォーマンス・センターと呼ばれ、競技直前の準備のために日本代表選手団の選手及びスタッフが必要とする機能(リカバリーやコンディショニング機 能に重点化)を選択できる選手村外のサポート拠点である!
入浴のタイミング
では入浴の「タイミング」はいつが効果的なのでしょうか?
答えを先に言ってしまうと、「寝る90分前」が効果的と言われています!!
もちろん、個人差はあるので自分にとって適切なタイミングを見つけましょう!!
西野の著書 2) によると、寝る90分前の入浴がぐっすり眠る秘訣と言われています。
深部体温と皮膚温度
このぐっすり眠ることに関しては、身体の「体温」が関係してきます!
この辺りは少し難しいので、わかりにくければ読み飛ばしてください!!
大切なのは「深部体温」と「皮膚温度」の差を縮めること!
「深部温度」と「皮膚温度」の差が縮まったときに入眠しやすいというデータは、1999年に「Nature」で発表されています。
まず「深部体温」と「皮膚温度」について簡単に説明していきます!!
「深部温度」は脳や内臓などの体の内部の温度
「皮膚温度」は体の表面の温度
体温は身体の中心が最も高く、身体の表面に近くなるほど低下します!!
シチズンシステム株式会社さんの 3) 画像が身体の体温をイメージしやすいです!
上の図のように、覚醒時の深部体温は皮膚温度よりも2℃ほど高いです!
しかし、睡眠時は深部体温が0.3℃ほど下がるので、差は2℃以下に縮まります!
この「深部温度」と「皮膚温度」を縮める方法が「入浴」なのです!!
40℃のお風呂に15分入浴することにより
「皮膚温度」が0.8℃〜1.0℃程度向上
「深部体温」が0.5℃向上⇒上がった分だけ下がろうとする性質
「深部体温」が元に戻るまでにかかる時間が90分程度で、その後さらに下がっていきます!!
「就寝90分前の入浴」が睡眠の質を向上させます!!
より質の高い睡眠を獲得していきましょう!!
参考文献
1)
2)スタンフォード式最高の睡眠、西野精治、サンマーク出版
3)